学生が借金を返せない時にするべき対処法|大学生も債務整理は可能
最近は、学生でも借金で悩んでいる人が少なくありません。
学生向けのクレジットカードも広く普及しているため、「クレジットカードの支払い」で毎月首が回らないという人は多いです。特に、「少ないバイト代でやりくりするために、毎月の返済額が少ないと助かるから」とリボ払いを多用すれば、利用総額があっという間に膨らんでしまいます。
また、「1人暮らしを始めた」「交友関係が広がり、付き合いで外食をすることが多くなった」「彼氏・彼女ができて娯楽費が必要になった」「友人に誘われてパチスロ・パチンコなどにはまってしまった」「ソーシャルゲームにハマって課金をしてしまった」などの理由から、毎月の出費が高止まりになってしまうこともあります。
遊びだけでなく、将来に備えて学費を工面するために、「学生ローン」などで借金してしまう場合もあるかもしれません。
これらの借金を返せなくなった借金は、借金が総額いくらなのか、毎月いくら返済すれば完済できそうなのかを検討し、早めの対処をすることが重要です。
バイトのシフトを増やしたり、親からの援助を受けたりすることが難しい場合は、債務整理で解決するのが最も確実かもしれません。
今回は、学生の借金を解決する方法や、基本的な注意点について解説していきます。
1.学生の払えない借金の解決方法
学生は、社会人に比べて毎月の収入が少ないでしょう。
毎月の収入が少なければ、当然ながら自力で返済できる借金額も少なくなります。
「バイト代だけでは完済が厳しい」「毎月の生活がギリギリ」「頑張って返済しているけれど、借金の残額がなかなか減らない」と感じたときには、できるだけ早く対処法を考えることが大切です。
借金を滞納したまま放置をしていると、自宅(親)に連絡がいったり、ブラックリスト状態になって今後の金融審査に通らなくなったり、バイト代が差し押さえられたりするリスクがあります。
まずは、以下のような方法で借金を減らせないか考えてみましょう。
- 債権者(貸金業者)に連絡をして、分割払いや支払い猶予の交渉をする
- アルバイトを増やす・節約で支出を抑えるなどの工夫で資金を確保する
- 親に打ち明けて援助をしてもらう
- 弁護士・司法書士に依頼して債務整理をする
2.学生でも債務整理はできる
「学生で働いていないから」債務整理できないということはありません。債務整理に職業や年齢の制限はないのです。
しかし、債務整理をするとなると、「就職に悪影響が出るのではないか?」「親に知られるのではないか?」「学生だから弁護士に依頼できる費用がない」といったさまざまな不安もあろうかと思います。
しかし、債務整理をしても学校や就職先に知られることはありませんし、退学処分になるということもありません。親などの家族に内緒で手続きを完了できる債務整理方法も存在します。
また、債務整理にかかる費用の工面も、上手く対処していけるケースがほとんどです(後述)。
債務整理というと「自己破産」を思い浮かべる人が多いかもしれません。
確かに、自己破産であれば収入が少ない人(無職の人)であっても借金問題を解決することができます。しかし、学生が自己破産以外の「任意整理」「個人再生」で借金を解決することも不可能ではありません。
以下、それぞれの手続きについて詳しく解説していきます。
なお、どの債務整理方法があなたにとって最適なのかは、あなたの借金額や収入などを加味した上で、弁護士などの専門家のアドバイスを受けるようにしましょう
(1) 任意整理
任意整理は、債権者と裁判外で直接交渉をする手続きです。将来利息を一部カットしてもらった上で、借金の残額を原則3年〜5年程度の分割払いで返済するという合意を取り付けます。
「元本を減らせないのならばあまり意味ないのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、今後の利息をカットしてもらえる・返済期間が大きく伸びるというのは、以下のように大きなメリットとなります。
- 50万円を年18%の利息で借り入れたときには、毎月7,500円の利息が発生しています。この利息がなくなれば返済総額は大幅に減らすことができます。
- 90万円の借金が返せないとき、利息がほとんどカットできずとも「5年の分割払い(60回払い)」という条件で任意整理がまとまれば、「毎月15,000円ずつ」の返済で借金を解決できます。
(2) 個人再生
個人再生は、裁判所を通して借金を元本から大幅に減額してもらった上で原則3年の分割払いをしていく手続きで、任意整理と自己破産の中間のような位置付けです。
個人再生では、借金の総額により「最低限弁済しなければならない金額」が決まっています。
例えば、100万円以上500万円までの借金であれば、借金は100万円まで減額できる可能性があります。これを原則3年で分割払いすると、減額前の残額の支払義務は免除されます。
しかし、学生の場合には個人再生の利用を勧められるケースはあまり多くないかもしれません。
個人再生は手続き複雑な分費用が高額であり、100万円を少し超える程度の借金を減額するのでは費用対効果が少なくなります。
また、個人再生を利用するためには継続的な収入が見込めることが要件となりますので,短期間や不定期のアルバイトしかしていないような場合は、そもそも個人再生の許可が裁判所からおりない可能性が高いです。
(3) 自己破産
「バイト先をクビになってしまった」「就職活動があり、シフトにほとんど入れない」「借金が多額すぎるために低収入のバイトでは追いつかない」というような場合には、分割払いの債務整理の利用は難しいです。よって、自己破産で解決することが現実的になります。
自己破産が裁判所に認められれば、税金などの公租公課を除いたほとんど全ての借金が免除され、支払義務が無くなります。
なお、自己破産をすると不動産や車などの高価な資産が処分されて債権者に配当されることがありますが、学生ならば自己破産をしても「何も財産を失わない」ケースも珍しくありません。
学生が査定額の高い高価な車やバイク、不動産を所持していることは稀ですので、このようなケースでは財産の処分は行われないのです。
なお、財産処分の手間がかからないので、裁判所に納める費用も数万円程度で済みます。
3.学生の債務整理に関するよくある質問
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債務整理をしたら就職に影響はありませんか?
学生が債務整理をしても就職に影響することはほとんどありません。
債務整理をしたという情報は住民票や戸籍などにも掲載されず、公開されることはありません。なお、債務整理をすると、信用情報に「事故情報」が登録されます(=ブラックリスト)。しかし、これは融資やローンを組む際の審査において金融機関や貸金業者が参照するものであり、信用情報を一般の企業が照会することはできません。
また、採用の際に信用情報の提供を求められることもないでしょう。しかし、自己破産すると、一定の資格取得に短期で支障が出る場合があります。
たとえば、弁護士や司法書士、行政書士、宅地建物取引士のような資格は、自己破産から復権までの間は新規登録することができません。しかし、自己破産後に免責を受けて借金がなくなれば、資格制限は解除されるため、これらの資格も問題なく登録できます。
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パチンコや浪費による借金は自己破産できない場合があるって本当?
きちんと反省して裁判所手続きに協力すれば、ギャンブルや浪費が原因の借金も自己破産可能です。
パチンコ・パチスロや浪費を理由に多額の借金を作り自己破産したときには、「免責不許可」となる可能性があるのは事実です。「免責」とは「借金を0にすること」です。
とはいえ、ほとんどのケースで「裁判所の裁量による免責」が認められています。最終的に免責不許可となってしまうケースは、ギャンブル等の原因に加え、「財産隠し」や「面談の無断欠席」「裁判所への不誠実な態度」などがある場合です。
弁護士のアドバイスを受けてしっかり対応すれば、ギャンブルなどが原因の借金でも免責を受けられるでしょう。しかし、裁量免責を受けるためには、破産管財人による調査を経る必要があります。
そのため、財産が全くない人の場合でも「20万円〜の予納金」を納める必要があります(東京地方裁判所では予納金の分納も認めてくれます)。 -
親に知られずに債務整理はできますか?
誰にも知られずに債務整理することは不可能ではありません。
アルバイトなどの自分自身の収入だけで任意整理可能な場合であれば、誰にも知られずに借金問題を解決することも可能です。
ただし、個人再生・自己破産するときには、同居の家族の収入証明書を提出する必要があるので、秘密にしておくのは難しいこともあります(一人暮らしの場合はあまり心配は要りません)。
また、家族が連帯保証人になっている借金を債務整理すると、その家族に債権者から連絡がいきますので、借金がバレる可能性があります。
とはいえ、実際に家族に借金を知られてしまうのは、債務整理した場合ではなく「延滞による取り立て」を受けたときというケースが多いです。
誰にも知られずに借金問題を解決するには、任意整理で解決できる金額のうちに、早期に弁護士に相談すると良いでしょう。
もちろん、弁護士・事務所スタッフには守秘義務があるため、ご依頼人のプライバシー保護には最善を尽くします。
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学生なので、アルバイト代だけで弁護士費用が払えるか心配です。
弁護士費用については分割払いが可能な事務所がほとんどです(当事務所も対応しています)。
まず、弁護士が債務整理に着手すると、手続きが終わるまでの間の借金返済は一時的にストップとなります。
そして、債務整理には数ヶ月以上かかることが多いので、この間に弁護士費用については先に分割でお払いいただくことが可能です。任意整理や個人再生ならば、弁護士費用を分割で払いながら、今後の返済に必要な費用を積み立てていくことも可能でしょう。
また、1人暮らしの学生さんであれば、法テラスの民事法律扶助で債務整理費用(弁護士費用分も含まれます)を立て替えてもらえる可能性もあります。
法テラスに立て替えたもらった場合には、毎月1万円(もしくは5,000円)の分割返済となります。
(※ 現在、当事務所では法テラスの取り扱いはしておりません。)泉総合法律事務所の安心明瞭な弁護士費用につきましては、以下のページをご覧ください。
泉総合法律事務所の債務整理費用について
4.まとめ
借金返済に少しでも不安があるときには、できるだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。借金問題は、「延滞したとき」にはすでにかなり深刻な場合が少なくないからです。
借金が増えすぎれば、任意整理が難しくなり、債務整理の費用が高くなります。また、借金が深刻になれば、「延滞による取立て」で予期せぬタイミングで家族に知られてしまうこともあるでしょう。
泉総合法律事務所の債務整理の相談は、初回無料でご利用いただけます。また、学生ローン業者との交渉実績も豊富にありますので、借金の返済が苦しいと感じている方は、当事務所までお早めにご相談ください。