借金返済 [公開日]2019年12月20日[更新日]2023年4月21日

アコムから「催告書」が届いたらどうすれば良い?

「アコムから催告書が届いた」「『一括返済のお願い』というハガキがきた」「滞納を続け、『法的手続き予告書』が来てしまったが、差し押さえがされるの?」
人に言えないまま、上記のようなお悩みを抱えている方はたくさんいらっしゃいます。

しかし、そのような催告書・ハガキを無視していると、最終的には裁判を起こされ、財産の差し押さえに発展してしまう恐れがあります。

今回は、アコムの借金返済を滞納して催告書が届いたときの対処方法を解説します。

1.アコムの「催告書」とは?

(1) 催告書・法的手続き予告書の意味

アコムのキャッシングやカードローンで長期(約3〜4ヶ月)にわたって返済を滞納すると、アコムから「催告書(催告状)」が届きます。

滞納・延滞を開始した当初は、支払い遅延を報せ、早期支払いを要求するハガキや電話で催促をする程度です。
しかし、滞納期間が長期化して状況が悪化すると、数ヶ月後には「催告書」「一括返済のお願い」というものが届きます。これにより、残金と遅延損害金の一括請求をされてしまいます。

借金は通常毎月分割で返済しているものですが、消費者金融との約定では、通常2〜3ヶ月分以上支払いを滞納すると、そのときの残金を一括で払わなければならないことになっているのが一般的です。
よって、長期にわたって滞納を続けていると、催告書により一括請求されてしまうのです。

また、そこからさらに放置していると「法的手続き予告書」などの書面が届くケースがあります。
法定手続き予告書とは、裁判や給料差し押さえなどの強制執行を予告する書面です。

この書類が届いたら、近々裁判を起こされる可能性が高いといえます。

なお、「アコムから借りた覚えはないのにハガキが届いた」という場合、それはアコムを騙った詐欺である可能性も0ではありません。

最近の振り込め詐欺では、酷似した会社名を記載したり、実際に存在するアコム株式会社を名乗り電話番号のみ偽会社のものにしたりするなどの手口が見受けられるそうです。

身に覚えのない請求の場合は連絡を取らずに無視をするか、心配ならば弁護士に催告書を確認してもらいましょう。

(2) 催告書の後に訴状・支払督促が送られてきた場合

アコムからの催告書も無視していると、裁判(貸金返還請求訴訟)を起こされる可能性があります。

訴訟が提起されると、簡易裁判所や地方裁判所から、「特別送達」という特殊な郵便で訴状と口頭弁論期日への呼出状等の書類が送られてきます。

[参考記事]

裁判所から届く「特別送達」にはどう対応すればいい?

裁判に対応しないと、アコムの言い分が全面的に認められて、借金の残金と利息、遅延損害金を一括払いするよう命じる判決が下されます。

また、裁判を起こすための訴状ではなく、「支払督促」と言うものが送付されてくるケースもあります。
支払督促を無視すると(送達された日から2週間以内に異議申立を行わなければ)、裁判上の「判決」と同じ効果を持つ「仮執行宣言付支払督促」が出されるでしょう。

[参考記事]

簡易裁判所からの支払督促・訴状を受取拒否したらどうなる?

判決等が出ても支払わず放置していると、給料や預貯金などを差し押さえられかねません。
いったん判決が出ると、完済するまで差し押さえのリスクが発生し続けるので、早急に適切な対処が必要です。

なお、アコムからの取り立て、督促について、更に詳しい情報は以下のコラムをご覧ください。

[参考記事]

アコムからの借入の返済が遅れた場合の対処法

2.アコムから催告書が来たときの対応方法(分割払い)

アコムの借金を長期滞納して「催告書」や「一括返済のお願い」が届いたら、「示談はできないだろうか」「何とか猶予してもらったり、分割払いを認めてもらったりしたい」と考えるでしょう。

「一括返済」を要求されている以上、絶対に一括で支払わなければならないのかと言えば、そんなことはありません。
実は、一括返済を要求されてからでも、交渉によって分割払いを認めてもらえる可能性があります。

特に、弁護士が間に入って任意の交渉(任意整理)を進めれば、単なる分割払いではなく、将来的に発生する利息もカットしてもらえたり、返済期間も延ばしてもらえたりする可能性があります。

「一括払い請求された」からもう分割払いはできない、などと諦める必要はありません。一度弁護士にご相談ください。

【催告書が来たとき、借り逃げや踏み倒しはできないのか?】
アコムから「一括返済のお願い」や「法的手続き予告書」などの書類、催告書が届いたとき、借り逃げや踏み倒しができないか考える方もいるかもしれません。
しかし、借り逃げや踏み倒しは現実的ではありません。後述の通り「時効」、前にアコム側から貸金返還請求訴訟(裁判)を起こされることがほとんどだからです。また、夜逃げしても住民票を移せば移転先は知られてしまいますし、住民票を移さずに逃げ続けることは非現実的です。音信不通となれば連帯保証人にも多大な迷惑が掛けることになるでしょう。
支払い義務を免れることではなく、現実的に借金問題を解決できる方法を模索することをお勧めします。

参考:夜逃げをしても借金は消えない?!合理的に借金をなくす方法

3.アコムの借金の時効について

アコムからの借金を長期にわたって滞納していると「時効」が成立している可能性があります。
その場合「時効援用」により、借金を0円にできます。

(1) 時効援用とは?

時効援用とは、時効によって利益を受ける人が「時効の利益を受けます」と表明する意思表示です。
必要な期間を経過しても、時効の援用をしないと時効の効果が発生しません。

「何年も前のものと思われる身に覚えのない請求が届いた」など、アコムの借金を返済しないまま時効成立に必要な期間を経過したと思われたら、必ず時効の援用をしましょう。

(2) アコムの借金の時効期間は5年

アコムの借金は、「最終返済日の翌日から5年」で時効消滅します。

たとえば最後に返済した日が2015年8月31日なら、中断されない限り2020年8月31日の経過をもって時効が成立します。
その後に「時効援用」したら借金が正式に消滅します。

(3) 時効援用を自分で行うリスク

しかし、借金の時効援用を自分で行うと、高いリスクが発生します。
万が一時効が成立していなかったときに、時効援用通知が「債務承認」とみなされる可能性があるためです。

債務の承認(債務者が借金があると認めること)があると時効が「更新」するので、その時から改めて5年が経過しないと時効が成立しなくなってしまいます

他にも、起算点を間違えていて実は5年経過していなかったり、裁判上の請求など他の時効の更新事由が起きていたりすると、時効の援用に失敗してしまうケースもあります。

アコムの借金の時効援用を行いたいときには、弁護士などの専門家に任せる方が安心で確実です。

[参考記事]

借金の時効が成立する条件と、時効の援用ができないケース

【「返済計画のご提案」に注意】
アコムの借金を長期間返済していないと、アコムから「返済計画のご提案」と書かれた書面が届くケースがあります。そこには、アコムからの借金返済方法の具体的な提案内容が書かれています。
よくあるのは以下の2種類の返済方法です。
・元金のみの一括払い
・元金と一部の遅延損害金の分割払い(遅延損害金を一部免除)
この書類が届くのは、たいてい時効が目前となっているケースです。もうすぐ時効が成立するので、アコムとしてもなんとか支払ってもらうために、上記のような書面を送り、債務承認をさせようとするのです。
このような返済計画のご提案が届いたとき、安易に支払いを承諾してはなりません。債務を認めたとして時効が更新してしまう可能性があります。自己判断で動く前に、アコムから届いた書面をお持ちになって弁護士までご相談ください。

4.アコムなどの消費者金融からの借金は弁護士に相談を

アコムの借金を長期滞納して、「催告書」「一括返済の請求書」などが届いたら、裁判や差し押さえまであまり猶予のない状況といえます。
しかし、早めに対応すれば、受ける不利益は小さくすることができます。

また、弁護士に依頼をして頂ければ、債務整理の他、時効の援用など、ご相談者様にとって最善の方法で解決できるよう最大限サポートいたします。
借金問題でお悩みの方は、相談無料の泉総合法律事務所にお早めにご相談いただければと思います。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
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