デフレ経済下での、原価高騰による利益率低下

会社
配送業
借入理由: デフレ経済下での原価高騰による利益率低下
ご相談前 ご依頼後
借⾦総額 約2億2500万円 0円
毎月の返済額 約500万円 0円
[事例 115]

背景

社長様(以下、Aさんと呼ぶ)は、個人事業主や企業と配送業者の仲介をして運送業者や配車を手配する仲介業を行っていました。

初年度は半年間の営業による決算でしたが年商1億円を計上し、交通網の整備もあり、受注も増加し、首都圏だけでなく、関西地方や中部地方にも拠点を作り、事業を展開され、最大で年商8億円近くをあげるようになりました。
もっとも、売掛金の回収と外注費等の経費支払のサイトの関係でつなぎ資金の借入、及び、前記拠点出店時の費用等を借入していました。

しかし、その後、バブルの衰退や燃料代高騰で、外注費の値上げがある一方で受注単価は改定ができず、利益率が徐々に下がっていきました。
営業所の閉鎖など経費削減を進めていき、その中で大口の顧客が倒産するなどして、経営状況は右肩下がりが続きました。

金融機関からの融資も通らなくなり、リスケして何とか切り抜けてきましたが、売上をあげることはできず、Aさん個人借入やAさんの友人などからの借入で一時的にしのぐ形となりました。

しかし、支払資金の用意が厳しい可能性が生じ、Aさんは、当事務所に相談にいらっしゃいました。

弁護士対応 - 資産と負債を確定するための連携作業を行う

ご相談にあたり、資産と負債状況、及び、今後の売上見込などの資金繰りをヒアリングしたところ、相談時点から約2ヵ月後には資金ショートする可能性が高いことがわかり、当所としても破産の提案をせざるを得ない形でした。

配送業という業種柄、継続的な取引もあり、突然事業を停止することは困難でした。とはいえ、配送を受注すると外注費も発生する形となり、判断に窮する形でした。

顧客や外注先との関係性を考え、Aさんは、悩まれておられましたが、最終的に一番影響の少ない時期で事業を停止されることを決められたようでした。

当所では、ご依頼があった場合に、直ぐに対処できるように体制を整えておりました。そして、Aさんから、依頼申込をいただき、破産申立の準備を進める形となりました。

破産申立の準備にあたっては、請求を受け取っていない取引先もあり、一方で、回収予定の売掛金もあり、資産と負債状況のまとめに難航しましたが、Aさんから逐一連絡をもらったり、当事務所からも気づいた点を確認したりしてAさんとの連携を図って準備を進めました。

一方で車両などの設備の把握も必要でしたので、Aさんの協力は必要不可欠でした。この点Aさんが手続の趣旨を十分に理解され、準備を進めていきました。

結果 - 売掛金のほぼ全額を回収し、債権者の理解を得ることで無事に手続きが終了

売掛金は、破産手続開始決定を受けるまでの間は、当事務所の預り金口で回収を行い、資産の保全に務めました。その結果、破産手続に入り、破産管財人による回収もありましたが、当所依頼時にあった売掛金のほぼ全額を回収することができました。

また、各支払についても、破産管財人による調査もありましたが、Aさん自身でも再度確認をされるなどして破産手続に協力され、手続を進められていきました。

突然のことで債権者の方からは、当所にも問合せがくるなどしましたが、事情を説明の上、ご理解をいただき、破産手続に協力を頂くことができ、資産の処分などに時間を要しておりましたが、無事に手続の終了にこぎつけました。

弁護士からのコメント

本件は、ピタリと会社の営業を停止することができない状況でした。この点については、法的な助言はできますが、Aさん自身に各顧客や外注先との関係性を考慮していただく必要があり、Aさんも非常に悩まれておりました。

しかし、将来的に受注しても業務ができなかったり、支払ができずに負担を大きくしたりすることよりも、負担を最小限に抑える形にしたいとAさんが決断をされた形でした。

会社経営には経営者以外に、従業員、顧客、取引先、金融機関、大家などの様々な方が関与してきます。全員の負担をなくすことはできませんが、各々の負担を最小限に抑えることはできます。

現在、債務の支払に窮されたり、経営状況改善が進まなかったりで、関係者に迷惑をかけたくないと悩まれている経営者の方は、ぜひ一度、当事務所にご相談ください。

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