自己破産 [公開日]2018年6月4日[更新日]2022年12月14日

自己破産後、何年でローンが組めるのか

自己破産をした場合、支払い中のローンを含めた多くの借金の支払い義務が免除されます。

しかし、自己破産に限らず債務整理をすると、所謂「ブラックリスト入り」の状態となり、自己破産後しばらくの間はローン(オートローン・住宅ローンなど)を組めなくなります

ローンが組めなくなることは、以降の生活に多くの影響を与えるでしょう。
しかし、そのような状況が一生続くわけではありません。

この記事では、自己破産後何年でローンが組めるか、また、自己破産後にローンを組む際の注意点について詳しく説明します。

1. 自己破産後にローンはどうなる?

自己破産をすると、住宅ローンや自動車ローン(オートローン)などの支払い義務も免除される代わりに、ローンを組んでいるマイホームやマイカーなどは処分・換価の対象となります。

債務者からの支払いが受けられなくなるので、ローン債権者は債権を回収するために車を引き上げたり、抵当権を実施して家を競売に出したりするのです。

更に、自己破産後しばらくの間は新たなローンを組むことができません

その理由は、自己破産を始めとした債務整理や、借金の長期に渡る滞納をすると、債務者は「信用情報機関」に金融事故情報を登録されるからです(これを一般的に「ブラックリスト入り」と呼びます)。

債権者は、クレジットカードの新規登録やローンの審査をする際に信用情報機関に申込者の情報を照会するため、ここで事故情報が登録されているのを確認すると審査に落としてしまうのです。

主要な信用情報機関は「CIC」「JICC」「KSC」の3つがあります。
CIC(株式会社シー・アイ・シー)は主にクレジットやキャッシング会社、JICC(株式会社日本信用情報機構)は消費者金融など貸金業法で指定されている金融機関、 KSC(全国銀行個人信用情報センター)は銀行・信金など銀行系が加盟している機関です。それぞれの機関は互いに情報を共有しているため、一つの機関に事故情報が登録されたら他の機関を用いた審査にも通らなくなると考えるべきです。

[参考記事]

信用情報機関とは?|信用情報機関の違い(CIC・JICC・KSC)とブラックリスト

2.何年で(いつから)ローンを組める?

自己破産をした場合のそれぞれの信用情報機関の登録期間は以下の通りです。

  • CIC、JICC:5年
  • KSC:10年

つまり、自己破産後5~10年が経過しなければ、基本的にローン審査に通らないと考えておくべきでしょう。

[参考記事]

自己破産をするといつまでブラックリスト(信用情報)に載る?

※稀に、「5年以内でもローン審査に通った」「一年でオートローンを組めた」という体験談を見るかもしれませんが、これは実際にはブラックリストに掲載されていなかったか、年数のカウントを誤っていた可能性が高いでしょう。もしくは、「ブラック状態でも借りられる!」と謳う違法な闇金業者から借りてしまった可能性も0ではありません。

「5年以上も待てない」という場合には、ご自身で組めるまでの間、配偶者や家族名義でローンを組むことは可能です。ブラックリストの情報はあくまで個人に関するもので、家族には何ら影響がないためです。
しかし、当然ですがローンを組む本人が審査に通る必要があります。

3.10年経過後にローンを組む際の注意点

ブラックリストに載った場合でも、一定期間が経過すればこれが解消され、以降ローンを組めるようになります。
しかし、一度自己破産した人がローンを組むのは現実としてそう簡単なことではありません。「10年経過したのに審査に通らずローンが組めない!」というケースもあるようです。

最後に、自己破産後にローンを借りる際に確認・注意すべきことについて見ていきましょう。

(1) 登録期間が明けたら情報を確認

事故情報の登録機関は、CIC・JICCは5年、KSCは10年です。

破産免責決定から5年〜10年経過したら、それぞれの機関にブラックリスト登録の有無を確認しましょう。
年数が経過していても、手続上の不具合により登録情報残っていることもあるからです。

信用情報機関に開示請求するには、所定の開示申込用紙に必要事項を記載します。

身分証明書の写しを添付して、各機関の受付部署に郵送で送ります。窓口で受付をしている機関もあるので、請求方法の詳細については各機関に問い合わせをしてください。

[参考記事]

信用情報の開示方法と見方

開示された情報は、後日郵送で送られてきます。本人限定受取郵便などで送られてくるので、個人情報が漏れる心配もありません。

いずれの機関でも、開示請求手続きでは1,000円程度の費用がかかります。開示申込用紙、身分証明書と一緒に、定額小為替を同封して送って納付します。

【登録が残っている場合】
免責決定から十分な年数が経過しているにも関わらず金融事故の登録情報が残っている場合は、修正請求をすることも可能です。
開示請求から一定期間内であれば、信用情報機関の方で記録と事実関係を調査してもらって、事故情報を抹消・修正することができます。

(2) クレジットヒストリーを積み上げる

自己破産してからブラックリストが解除された後のいわゆる「喪明け」は、これまでの信用情報の履歴が一旦ゼロに戻り、クレジットヒストリーが白紙の状態に戻ります。

実は、クレジットヒストリーがないとローンの審査に通ることが難しいです。
金融機関は信用が第一なので、「信用」がない真っ白な状態だと「つい最近までブラックリスト状態だったのでは?」との疑いから、審査落ちしてしまう可能性があるのです。

そのため、新たに住宅や車などの高額のローンを組んだり多額の借り入れをしたりする前に、携帯電話の分割払いや審査の緩いクレジットカードを作り少しずつ活用するなどして、クレジットヒストリーを積み上げる必要があるでしょう。

なお、住宅ローンの場合、「住宅金融支援機構」が運用する「フラット35」というローンは比較的組みやすいと言われています。

(3) ローン会社を厳選する|社内ブラックの危険

信用情報機関のブラックリスト登録自体は5年または10年で消えますが、各ローン会社には自社情報が残っていることもあります。
これは社内ブラックと呼ばれ、登録は一生消えないこともあります。

「過去に自社の借入を債務整理していて、社内ブラックに登録されている人には二度と貸さない」という会社も多いので、このような会社相手では現実問題として審査に通る可能性がかなり低くなります。

そのため、ローンを借りる場合には、以前借り入れをした会社か否かを確認するようにしましょう。

4.自己破産後のローンに関するFAQ

  • 自己破産後はいつローンが組める?

    自己破産を始めとした債務整理をすると、債務者は「信用情報機関」に金融事故情報を登録され、暫くの間はローンを組んだりクレジットカードを作成したりできなくなります。

    しかし、この登録は一生続くものではありません。
    自己破産による事故情報の登録機関は、CIC・JICCは5年、KSCは10年です。

    • CIC(株式会社シー・アイ・シー):主にクレジットやキャッシング会社が加盟
    • JICC(株式会社日本信用情報機構):消費者金融など貸金業法で指定されている金融機関が加盟
    • KSC(全国銀行個人信用情報センター):銀行・信金など銀行系が加盟
  • 自己破産後の車ローン・住宅ローンは何年で組める?

    組みたいローン会社が上記のいずれの機関の情報を参照するかによりますが、最低でも5年経過してから申し込むようにしましょう。

    しかし、自己破産してからブラックリストが解除された後のいわゆる「喪明け」は、これまでの信用情報の履歴が一旦ゼロに戻り、クレジットヒストリーが白紙の状態に戻ります。

    金融機関は信用が第一なので、「信用」がない真っ白な状態だと「つい最近までブラックリスト状態だったのでは?」との疑いから、審査落ちしてしまう可能性があります。

    そのため、新たに住宅や車などの高額のローンを組んだり多額の借り入れをしたりする前に、携帯電話の分割払いや審査の緩いクレジットカードを作り少しずつ活用するなどして、クレジットヒストリーを積み上げる必要があるでしょう。

  • 「自己破産後に一年でローンを組めた!」というのは本当?

    稀に、「5年以内でもローン審査に通った」「一年でオートローンを組めた」という体験談を見るかもしれません。

    しかし、このようなことは通常あり得ません。実際にはブラックリストに掲載されていなかったか、年数のカウントを誤っていた可能性が高いでしょう。
    もしくは、「ブラック状態でも借りられる!」と謳う違法な闇金業者から借りてしまった可能性も0ではありません。

5.まとめ

自己破産後にローンを新たに組むには、免責決定から5年以上の年月が必要となります。

確かに、自己破産をするとブラックリスト入りとなってしまいます。
しかし、一定期間が経過すれば借入の制限は解除されます。一生の不利益では無いためご安心ください。

とはいえ、社内ブラックによりその後の借入ができない会社が出てくる場合もあります。また、二度目の自己破産は難しくなりますので、お金のやりくりには十分注意してローン等を利用すべきです。

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