債務整理の弁護士相談で必要なもの・準備すべき持ち物は?
個人の借金問題について、弁護士は「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つの制度の中からご相談者にとってベストな解決方法をご提案します。
任意整理は、債権者との任意の交渉で将来利息の減額や返済プランのリスケジュールを計り完済を目指します。
個人再生は、裁判所に再生計画を認めてもらうことで借金を元本から大幅減額し、その後原則3年間で分割払いしていきます。
自己破産は、手持ちの高価な資産を一部処分して債権者に配当した後で、裁判所に借金を免責(免除)してもらいます。
もし、弁護士に見せる資料に不足や誤りがあれば、最適な債務整理方法を提案できず、借金を満足に減らすことができないかもしれません。
弁護士との相談をスムーズに行い、また、借金問題の解決を成功させるためにも、ご依頼者様には弁護士への債務整理相談前にあらかじめご用意いただきたいものがいくつかあります。
今回は、債務整理の弁護士相談を有意義なものにして、そして結果に満足いただくためにも、
「債務整理弁護士相談で、あらかじめ準備すべきものとは一体何か?」
「債務整理弁護士相談で、必要な書類・情報は何か?」
についてご説明していきます。
1.債務整理の弁護士に相談する際の流れ
弁護士への債務整理相談は、以下の流れで進んでいきます。
- メール・電話などによる弁護士相談の予約
- 弁護士と直接面談
- 依頼を決めたら委任契約を結ぶ
- 弁護士が債権者に受任通知を発送し、代理人となった旨を通知
- 督促が止まり、債務整理がスタート
以下で説明するのは、上記2で弁護士と面談する際に必要なものとなります。
しかし、誤解していただきたくないのは、下で述べる全ての内容について把握したり、準備したりしておかないと相談を受けてもらえない、というわけではないという点です。
これからご説明するものは、あくまでも、「事前に把握しておいていただけると、ご相談を進めていくにあたりスムーズに最適な借金問題の解決方法を探ることが可能になる」ということに過ぎません。
最近、債務整理に関する弁護士相談は初回無料としている弁護士事務所が増えています。地域が行なっている債務整理相談窓口等よりも専門的な話を聞くことができる一方で、30分〜1時間までという時間制限がある事務所も多いです。
すなわち、短い時間の中で、どれほど有意義な相談ができるかが重要なのです。
弁護士は、ご用意いただいた資料やご相談者様本人のご希望を伺った上で、あなたにとって最適で納得できる手続きを丁寧にご説明します。
2.弁護士との法律相談時の持ち物
まず、債務整理について弁護士に相談する際には、最低限以下のものをお持ちいただければと思います。
(なお、以下は当泉総合法律事務所の場合を基準としています。事務所ごとに違った持ち物を指定されるケースもありますが、相談先の事務所の指示に従ってください。)
(1) 本人確認のための身分証明書
赤の他人になりますまして弁護士に依頼するといった、いわゆる「なりすまし」対策として、当泉総合法律事務所ではご相談者様の顔写真付き身分証(運転免許証など)のご提示をお願いしております。
(2) 御印鑑
ご相談日にそのままご契約に至るケースもございますので、念のため、ご印鑑(認印は可、シャチハタは不可)をお持ちいただくようお願いしております。
【弁護士への依頼で督促がすぐにストップ】
ちなみに、仮にご相談日にご契約となれば、弁護士が債務整理手続の代理人となり、その日を境に債権者とのやり取りを全て弁護士に任せることができるようになります。また、債権者からの督促もストップします。
そして、これまで大変な思いで返済されてきたであろう借金の支払いも、ご契約後は返済しないで済むようになるため、借金の悩みからひとまず解放されることでしょう。
督促ストップに関して詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
→督促がとまる「受任通知」とは
弁護士への初回相談時に最低限お持ちいただきたいものが上の2つです。(他にも、弁護士に質問したいことがあればメモをしてご持参ください。)
その他の必要書類については、どの債務整理方法を実行するか決定し、ご依頼をいただいた時点から収集・提出をお願いしております。
[参考記事]
自己破産と個人再生の必要書類|揃わないとどうなる?
3.相談時に把握しておきたい事項
債務整理手続をすることで借金問題は解決を図れますが、一方で何かしらのリスクが生じます。
例えば、保証人がついている借金を整理する場合、保証人のもとに請求がいくようになります。自動車ローンがあればマイカーがローン会社に引き上げられてしまう可能性が発生します。
ご相談者様にとって最もリスクが低い最適な解決策をご提案させていただくためにも、「今、借金がどういった状況であるのか」「借金がどのような内容なのか」「家計の状況はどうなのか」「財産がどのくらいあるのか」等という点については、できる限りご相談時に弁護士へお伝えいただきたいことです。
以下では、ご相談者様本人が予め把握しておいてほしい事柄と、それを把握するために必要なものについて解説します。
(1) 借金内容
借金について把握しておく必要がある情報は「債権者(業者)名」「現在の債務残高(借金の金額)」の2点です。
もちろん、ご相談者様の口頭申告でも構いませんが、請求書やクレジットカードなどを相談時にご持参いただけると、債権者の特定がしやすくなります。
債権者(お金の借入をしている貸金業者・消費者金融・銀行等)が複数いる場合は、ご相談者様ご自身で箇条書きでも構いませんので、簡単なメモを事前にご用意いただけると、スムーズにその後の債務整理手続に移行することができます。
「どの債権者に、いくら借金があるかわからない」という方もたまにいらっしゃいます。
しかし、残念ながら、弁護士では調べることができませんので、ご相談者様ご自身で信用情報機関に問い合わせていただいてから、ご相談いただくことをお願いしています。
[参考記事]
信用情報の開示方法と見方
なお、借金については、金額や内容に関わらず全ての借金をご申告ください。
かなり昔の借金であっても、「いつ借りて、どのくらいの期間返済していないのか」が分かれば、引き直し計算で過払金を取り戻したり、時効の成立を狙えたりする可能性があります。
【訴状なども必ずご申告ください】
裁判所から訴状が届いているようでしたら、その旨をご相談時に必ずご申告ください。早急に債務整理手続に着手しないと、給与差し押さえなどのリスクが発生してしまうかもしれないためです。
→裁判所から訴状が届いた
(2) 家計(家賃、水道光熱費など)の状況
弁護士が債務整理手続の方針を決める上で、ご相談者様の現在の家計状況を必ず確認する必要があります。
なお、弁護士が家計について一番確認したいことは「可処分」です。
「可処分」とは、単純に給料などの収入から、家賃、水道光熱費、食費、電話代、保険料などの生活費を差し引いたあと、手元に残る金額のことです。
簡単に言うと、「自由に使えるお金」ということになりますが、可処分から借金を支払うことができるかどうかが非常に重要なポイントになります。
例えば、ご相談時の可処分で借金が支払えそうでも、仮に方針を個人再生(住宅ローン特例あり)に決めた場合、減額した借金をこの先3~5年間、一度も遅れることなく支払うことができるかを計算・検討する必要があります。計画が破綻していると、裁判所に個人再生を認めてもらえません。
また、ご相談者様に最も適した債務整理手続をご提案するためには、「来年定年退職を迎えるので収入減少は避けがたい」「子どもが大学に進学するため支出が増加してしまう」などの事情も十分に考慮する必要があるのです。
(3) 所有財産
法的手続きである「個人再生」と「自己破産」を検討されている方は、特に以下の点についてあらかじめ確認をお願いします。
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お持ちの不動産(家・マイホーム)
不動産の所有者がご相談者様お一人の名義かどうか(共有財産ではないか)をご確認ください。また、不動産の価値が分かる査定書などをお持ちの方はご持参ください。もし査定書などをお持ちでなければ、近隣物件がいくらで売りに出されているかなどの情報があるとよろしいかと思います。
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お持ちの自動車(車検証)
車を所有している方は、車検証の所有者欄に何と書かれているかご確認ください。そこに記載されているのが、ご相談者様の氏名なのか、あるいは自動車ローン会社なのかで、自動車の引き上げに関して、結果が全く異なり得ます。
この他にも、高価な資産(ブランド品、株式など)を所持している場合は、個人再生や自己破産を決断する前に内容を正確に把握する必要があります。全てを正確に把握することは難しいかもしれませんが、できる限り所有財産とその価値がわかる資料を集めてみるようお願いいたします。
4.債務整理の必要書類の不安も弁護士が解消
上記は相談時に必要なもの、あるいはあったら良いものですが、債務整理を実際に依頼して手続きを行う場合は他にも多くの書類が必要になります。
とはいえ、必要書類の種類は債務整理方法によってそれぞれ異なりますので、相談段階から用意するのは現実的ではないでしょう。
これについては、相談・契約時に弁護士に確認をすれば問題ありません。
弁護士は書類の収集や作成についてもしっかりサポートいたしますので、ご安心いただければと思います。
5.債務整理の法律無料相談は泉総合法律事務所へ
借金の悩みを放置したり、借金問題の解決を先延ばしにしたりすればするほど、事態は悪化する一方です。
ご相談予約時に、ご準備いただきたいものについてはしっかりと説明させていただきますので、「法律相談するには色々と調べる必要があるみたいで面倒だな」とは思わず、まずは一度専門家である弁護士へご連絡ください。
「弁護士相談は慣れてない、敷居が高い」と感じていた方でも、相談後には、「借金問題に対する希望が持てた」「びっくりするほど借金が減りそうで、将来への不安が薄まった」といった感想をいただいています。
泉総合法律事務所の弁護士には、3つの手続き全てにおいて借金問題を多数解決してきたという豊富な実績がございます。
ご相談者様目線で親身になってお話を伺い、解決方法などの説明をさせていただきます。
借金問題に関する法律相談は、初回だけなく何度でも無料相談が受けられ、費用の分割払いも可能です。ご依頼者様のことを第一に考え柔軟に対応いたしますので、あまり難しく考えず、まずはお気軽に泉総合法律事務所までご連絡ください。