家族の借金について相談したい
家族の借金は支払わなければならない?
よく、「家族の人が支払えなくなった借金を、代わりに支払わなければならないのでしょうか?」という質問を受けます。家族が作った借金の関係人(連帯保証人など)ではないかぎり、家族だからと言って自分以外の人の借金を支払う義務はありません。仮に、家族が借りた業者や人物から、「家族なんだから払え!」「家族なんだから支払って当然だ!」と言われたら、それは違法な請求になりますので、応じる必要は全くありません。
1、子どもの借金の解決方法
(1)サポート型
親に余裕があれば、その借金を全額、または一部支払ってあげることです。ただし、その義務はありません。
(2)アドバイス型
借金問題の解決方法には、債務整理手続があります。専門家である弁護士に相談することを勧めてください。ただし、借金をした当事者と契約をしなければなりませんので、家族の方が代わりに相談しても、弁護士がお手伝いすることはできません。必ず、借金をしたご本人からの相談が必要です。
(3)解決したその後は
子どもの借金問題がいったん解決しても、油断をしてはいけません。特に、「サポート型」で解決した場合は、借金癖はなかなか治らないと考えて良いでしょう。そこでお勧めなのが、信用情報機関に、「貸付自粛」を申し出ることです。対象者本人の同意が必要になりますが、この登録を行うことで、借金をさせないことが可能になります。
~貸付自粛制度~
貸付自粛制度とは、各都道府県の日本貸金業協会に自粛要請をすることで、ローン会社や消費者金融などからの借入れを5年間制限する制度の事です。
2、親の借金の解決方法
1、生前の解決方法
(1)サポート型
子どもに余裕があれば、その借金を全額、または一部支払ってあげることです。ただし、その義務はありません。
(2)アドバイス型
借金問題の解決方法には、債務整理手続があります。専門家である弁護士に相談することを勧めてください。ただし、借金をした当事者と契約をしなければなりませんので、家族の方が代わりに相談しても、弁護士がお手伝いすることはできません。必ず、借金をしたご本人からの相談が必要です。また、自己破産手続が妥当だと考えられた場合、手続をとる方の財産を処分する可能性が高くなりますので、ご家族の方全員で話し合う必要があります。
(3)解決したその後は
子どもの借金問題同様、いったん解決しても油断をしてはいけません。特に、「サポート型」で解決した場合は、借金癖はなかなか治らないと考えて良いでしょう。そこでお勧めなのが、信用情報機関に、「貸付自粛」を申し出ることです。対象者本人の同意が必要になりますが、この登録を行うことで、借金をさせないことが可能になります。
2、死亡後の解決方法
親が死亡すると、預貯金や不動産などの財産と同じように、親の借金も相続の対象になります。生前に親の借金問題が解決しなかった場合、死亡後の解決方法は2つあると言えます。2つとも、家庭裁判所へ申請をする手続であり、親の死亡を知ってから3か月以内に申請をしなければなりません。
(1)相続放棄
相続放棄とは、「全ての財産を受け取らない」ということです。預貯金や不動産をプラスの財産とし、借金をマイナスの財産と考えます。この両方の財産を比較し、明らかにマイナスの財産が圧倒的に多い場合は、全ての財産を相続してもマイナスになってしまうので、相続放棄の手続を取ることをお勧めします。
(2)限定承認
限定承認とは、「死亡した方の資産の範囲で借金を支払う」ということです。親の財産で、はたしてプラスの財産の方が多いのかマイナスの財産の方が多いのかわからない場合に有効な手続だと言えます。
(3)債務整理手続
親が死亡後3カ月以内に、相続放棄も限定承認もしていなかった場合、親の借金を「法定相続」していることになります。相続人の人数によって、親の借金のいくらを支払う必要があるのか変わってきますが、その借金が返せない場合、やはり専門家である弁護士に相談して解決する必要があります。
~法定相続とは~
法定相続とは、民法で「このように財産を分けるのが一番良い」と決められていて、相続放棄などの手続を取らなかった場合、自動的に民法が定める通りに相続されることです。
3、まとめ
ご家族の借金を支払う必要がある場合は、その借金の連帯保証人などになっている場合と、その借金を相続した場合です。借金問題の解決には様々な債務整理手続がありますので、お困りの際は当事務所までご相談ください。あなたに最も適した解決方法をご提案いたします。