2回目の債務整理をしたい

「やっとの思いで借金問題を解決したのに、その後家族が出来たり仕事が無くなったりでまた借金を作ってしまった…」「1回目の借金問題を相談した弁護士から「もう借金しないでくださいね!」と強く言われていたから、2回目の債務整理は無理かも…」と思う方がいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、借金を整理するのに回数の制限はありません。ここで重要なのが、①1回目がどんな手続だったか?②1回目の借金は本当に完済しているか?が問題になってきます。この2つを弁護士に伝え、ベストな債務整理の方法を話し合ってください。

1、1回目の手続が「任意整理」だった場合

(1)完済した場合

1回目の借金解決方法が任意整理で借金を完済した場合、問題無く2回目の債務整理が出来ます。ただし、1回目と同じ債権者との任意整理は難しい可能性があります。

(2)完済していない場合

任意整理での返済ができなくなってしてしまって、借金がまだ残っている場合、再び任意整理をするのはハードルが高いと言えます。任意整理は、あくまで債権者と「任意」で交渉し、債権者との和解内容に応じて借金を分割で支払っていく手続ですので、話し合いで決まった約束事を一度破ってしまった以上、もう一度話し合いの場を設けてくれる債権者は少ないでしょう。仮に話し合いの場を設けてくれても、期限の利益の喪失を主張され、借金全額の一括返済を迫られたり、場合によっては訴訟を起こされたりなど、返済金額が今よりも増える可能性が高いです。返済ができなくなってしまったご事情にもよりますが、2回目の債務整理手続は自己破産がベストだと考えられます。

2、1回目の手続が「個人再生」だった場合

(1)再生計画の返済を完了した場合

個人再生は、裁判所に提出した再生計画に基づき、減額された借金を支払っていく手続です。ここで非常に重要なのが、その再生計画に「住宅資金特別条項」を含んでいるか否かです。

①再生計画に「住宅資金特別条項」を含んでいる場合

住宅ローン以外の借金を完済し、住宅ローンが残っている場合、住宅ローンも再生計画に含まれていることから、再生計画に基づく返済が完全に終わっていないことになります。この場合、住宅ローン以外の借金も減額前の状態に復活することになります。そのため、2回目の借金を作ってしまった事情にもよりますが、住宅ローンの支払いが継続できる場合は、再度の個人再生手続も有効と考えられ、反対に住宅ローンの支払い継続が難しい場合は、2回目の手続は自己破産がベストだと考えられます。

②再生計画に「住宅資金特別条項」を含んでいない場合

特に制限はありませんので、問題無く2回目の債務整理が出来ます。どの手続がベストか、弁護士に相談しましょう。

(2)再生計画により返済中の場合

個人再生手続においては「ハードシップ免責」と呼ばれる制度があります。この制度は、各債権者に対して4分の3以上の返済を終えていることを証明するなどの要件を満たせば、支払い終えていない借金を免除にしてくれるものです。

もし「ハードシップ免責」が難しい場合は、減額された借金が返せなくなった以上、2回目の手続は自己破産がベストだと考えられます。

その理由は、再生計画での返済が完了する前に返済ができなくなってしまっているので、借金は減額される前の金額に戻ってしまい、今以上に減額されることはほとんどないからです。

(3)1回目の個人再生から7年が経過しているかどうか

よく、個人再生手続をとってから7年以上が経過していないと、再び個人再生手続をとることは出来ないと書かれているサイトを目にします。これは厳密に言うと間違いであり、1回目の個人再生手続において利用した、且つこれから利用する手続が「給与所得者等再生手続」であった場合に限られます。「小規模個人再生手続」においては、このような制限はありません。ちなみに、いつから7年かと言うと、1回目の再生計画の認可決定の確定からとされています。

(1回目)小規模個人再生 (2回目)小規模個人再生 :OK
(1回目)小規模個人再生 (2回目)給与所得者等再生 :OK
(1回目)給与所得者等再生 (2回目)小規模個人再生 :OK
(1回目)給与所得者等再生 (2回目)給与所得者等再生 :7年間はNG

3、1回目の手続が「自己破産」だった場合

(1)過去7年以内に自己破産した人

破産の法律で、「過去7年以内に自己破産した人」は、破産手続をとっても借金の免除は認めないとされています。これを免責不許可事由と言い、ギャンブルなど無駄遣いで借りた人も含まれています。ただ、無駄遣いなどで借りた場合は裁判所の裁量で借金の免除を認めてくれるケースが多いのですが、「過去7年以内に自己破産した人」に対しては裁判所が非常に厳格であり、借金の免除決定を得るのは極めて困難です。このため、「過去7年以内に自己破産した人」の2回目の債務整理は、任意整理か個人再生をとることをお勧めします。ただし、個人再生で利用する手続が「給与所得者等再生手続」である場合、自己破産してから7年が経過していないと利用出来ないとされていますが、それでも個人再生を選択される場合は、「小規模個人再生手続」を利用すれば良いでしょう。

(2)自己破産して7年以上経った人

裁判所は、破産手続をとることが初めてでない人を、「金銭感覚がだらしない人」という目線で見て、借金の免除を本当に許可して良いのか、厳しい目線で見てきます。借金の免除に対するハードルはやや上がると言えますが、自己破産の手続をとることは可能です。もちろん、任意整理や個人再生も可能です。

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