換金行為をして作った借金も自己破産で免除に
60代男性 自営 借入理由: 生活費、換金行為 手続き : 破産・管財事件 |
ご相談前 | ご依頼後 | |
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借⾦総額 | 約480万円 | 0円 |
毎月の返済額 | 約10万円 | 0円 |
背景
Aさんは持病の腰痛が悪化したことで仕事が続けられなくなり、退職を余儀なくされました。退職後、Aさんは自宅で、玩具などの通信販売業を始めましたが、毎月の売上はわずか数万円程度であったため、生活費のための借金が増えていきました。
そのような時、Aさんはインターネット上で「クレジット枠の現金化」というサイトを見つけ、換金行為でお金が手に入ることを知りました。Aさんは、すぐさま所持していたカードのショッピング枠を利用して商品券を購入し、即日現金化する換金行為を複数回行いました。しかし、すぐにショッピング枠が限度額一杯となってしまい、困り果てたところ当事務所へご相談にいらっしゃいました。
弁護士対応 - 換金行為で作った借金が免責不許可事由であることを説明
Aさんは、換金行為を複数回行っており、また、個人事業主であったため、管財事件で受任しました。ご相談時、Aさんは換金行為が免責不許可事由に該当することを知らなかったため、「破産法で明示されている他、借金を増やすだけの行為であり(換金率が必ず100%未満であるため)、所有権留保がある商品をカード会社の同意を得ずに売却してしまっていることが問題視されます」と、Aさんにご説明しました。
結果 - 換金行為による借金も自己破産で全額免除、事業収入も自由財産の拡張で残せることに
管財人弁護士との面接の際、私からAさんは破産手続を遅らせる目的で換金行為を行ったわけではないこと、著しく不利益な条件で換金をしていないこと(Aさんの換金率は97%と割と高めでした)をしっかりと説明し、また、Aさんが換金行為をした点について深く反省している姿勢を示した結果、無事にAさんの借金は免除となりました。
また、Aさんの個人事業主としての売上は、「本来債権者へ配当されるべき財産である」とみなされるところでしたが、持病の腰痛のためAさんが思うように仕事ができないこと、得られる収入が多いとは言えないことを管財人弁護士に対して丁寧に説明した結果(「自由財産の拡張」と言います)、手元に残せることになりました。Aさんは、破産手続をとっても今の仕事を続けることを強く望んでいたため、この結果には大変喜んでいらっしゃいました。
破産法には、借金の中に換金行為があった場合でも、裁判所の裁量により借金の免除を認める(これを「裁量免責」と言います)と明示されています。裁量による免責許可決定を得るためには、換金行為をしたことを深く反省し、家計簿をつけて金銭管理をしっかりすることが大切になります。
たとえ借金の原因の中に、Aさんのように換金行為があったとしても、誠実に手続に協力し、家計状況を改善したことを示すことができれば、多くの場合、裁判所の裁量により借金が免除されます。
また、Aさんのように個人事業をしている方は、その売上や事業設備、在庫品は基本的に「債権者へ配当すべき財産」と考えられるため、破産手続をとる以上不利益が生じてしまうことがあります。
しかし、破産手続は、借金を免除し、人生をやり直すための手続であると考えられています。したがって、事業継続に支障が生じた場合、今後、最低限の生活が送れなくなるリスクがあることを裁判所や管財人弁護士に説明すれば、それを理解してもらえる可能性は十分あります。
当事務所ではAさんのように換金行為をしてしまった方、個人事業を続ける希望がある方の破産手続実績がたくさんございます。債務整理に関するご相談は何回でも無料ですので、まずは当事務所までご相談ください。