個人再生 [公開日]2022年2月2日

個人再生の費用が払えない場合の対処法は?

「多額の借金があるけれど、自己破産はしたくない」
こういった場合は、個人再生でも借金問題を解決できるかもしれません。個人再生は借金を大幅に圧縮して支払額を減らし、分割払いにできます。

しかし、個人再生をするにはある程度の裁判所費用・弁護士費用がかかります(これは他の債務整理方法でも同様です)。

問題は費用の捻出ですが、実は手元にお金がない人でも、弁護士に相談すれば活路が見えることが多いです。

個人再生をするにはどのくらいのお金がかかるのでしょうか?
そして、費用を捻出する方法にはどういったものがあるのでしょうか?

1.個人再生にかかる費用

冒頭の通り、個人再生の費用は2つに分かれます。裁判所に支払う費用と弁護士に支払う費用です。
最初に、それぞれの相場を紹介していきます。

(1) 裁判所費用

裁判所に納める費用の内訳は以下の通りです。

  • 官報公告費
  • 申立手数料
  • 予納郵券(連絡用の切手代)
  • 予納金(個人再生委員への報酬)

申立をする裁判所によっても異なりますが、予納金以外の部分については「約2~3万円」が相場です。

問題は予納金です。個人再生を申立てすると、裁判所が「個人再生委員」という人を選任することがあります。選任するかどうかを個別に判断する裁判所も多いですが、東京地裁では必ず選任されます。

[参考記事]

個人再生委員とは?|つく場合とつかない場合の違い

東京地裁の場合、弁護士が代理で申立てをすると15万円程度、債務者本人が申立てをすると25〜30万円程度の予納金が必要です(弁護士が個人再生委員の仕事の一部を行うため、その分値引きされるとお考えください)。

(2) 弁護士費用

こちらは弁護士の事務所によって差があります。相場としては「30~50万円程度」です。

「住宅ローン特則」という制度を利用して個人再生をする場合は手続が複雑になるため、10万円程度加算されるとお考えください。

もし遠方の弁護士に依頼した場合は、上記に出張費や日当が加算され、最終的な費用がより高額になる可能性があります。

泉総合法律事務所の費用について

(3) 総額の相場はいくら?

裁判所によりますが、ここでは東京地裁の場合を記載します。

東京地裁の場合

  • 弁護士がいる場合:裁判所に約15万円+弁護士に約40万円=合計約55万円
    ※ただし、以降に説明する弁護士依頼のメリットにより、最終的な費用は安くなる可能性があります。
  • 弁護士がいない場合:裁判所に約30万円

2.個人再生は弁護士に依頼した方が安くなる可能性

前章の内容から、個人再生にはかなりの費用がかかると思った方もいるでしょう。

しかし、「弁護士に依頼するお金がないから自分で個人再生の手続をする」というのは無謀です。
途中まで自力の個人再生を試みた方でも、結果的には多くの人が弁護士に依頼をして、個人再生の手続を代行してもらっています。

ここからは「なぜ弁護士に依頼した方がいいのか?」という理由を説明していきます。

(1) 個人再生委員への報酬が軽減される

第一に、直前で説明した通り、地域によって異なりますが、弁護士がいると個人再生委員が選任されないか、選任されても予納金が安く済みます。
繰り返しますが、弁護士が個人再生委員の仕事の一部を肩代わりするため、個人再生委員の負担が軽減されるからです。

債務者としても、裁判所によって選任された中立的立場である個人再生委員に指示されるより、自分の味方側に立ってくれる、自分で選んだ弁護士と一緒の方が安心できるのではないでしょうか。

弁護士がいれば個人再生委員への報酬(予納金)を減らしつつ、安心感を得ながら手続に臨めるのです。

(2) 減額率が上がる可能性

個人再生は借金を減額してもらう手続です。どのくらい減額されるのかは債務者の事情(債務総額や手持ちの資産など)によって異なります。

弁護士に依頼すれば、債務者の事情に合わせて最適な手続を踏んでくれます。
一般人が気づきにくい部分にも目を配って手続を進めてくれますので、自力で個人再生をするより大きな減額を受けられる可能性があるのです。

反対に、弁護士がいないと知らないうちに損をしてしまうことも多いです。

(3) 失敗するリスクが減る(再度の申立て費用などが不要)

個人再生は複雑な手続です。書類を集めるだけでも大変ですし、その書類をまとめ上げて資料を作るのも、一般人にとっては難しいでしょう。

せっかく書類を揃えても、不備があると申立てを受け付けてもらえない可能性があります。また、受け付けてもらった後に間違いや不足が発覚すると、その修正に追われてしまいます。

期限までに正しく修正できないと手続が打ち切られることがあり、その場合は再び裁判所へ申立てをする必要があります。

弁護士に依頼すれば正確な書類を作成してくれますし、万が一不備があっても迅速に修正してくれます。

手続を滞りなく進め、再び申立てをする無駄な手間とお金を節約するために、弁護士の力は必要不可欠です。

(4) 債権者からの督促が止まり、資金の積み立てができる

自力で個人再生の申立てをしようと考えて、準備を始めたとします。
しかし、準備の間にも債権者からの督促は容赦なく行われます。

督促に応じて支払いを続けていると、資金が尽きて裁判所へ納めるお金すらなくなってしまうかもしれません。

弁護士に依頼すればこの問題も解決できます。

依頼を受けた弁護士は、各債権者へ「受任通知」というものを送ってくれます
受任通知を受け取った債権者は、その後は弁護士を通さなければ債務者へ連絡できなくなります。これによって督促からも解放されます。

更に、当面は借金を支払う必要もなくなるのです。
これまで借金の返済に充てていたお金を貯めておき、個人再生の費用に利用することができます。

3.個人再生の費用が払えない場合の対処法

以上のように、費用を節約して個人再生を成功させるためには弁護士に依頼するべきです。

しかし、そもそも裁判所への費用や弁護士費用を一括で支払えない場合はどうすれば良いのでしょうか?
最後に、手元にほとんどお金がない場合の対処法をご紹介します。

(1) 受任通知を送ってもらった後で積み立てる。

既に述べたように、弁護士に依頼すると受任通知が送られて督促が止みます。
督促・支払がない間に倹約生活をしてお金を貯めることができれば、個人再生の費用を捻出できます。

ほとんどの場合は、このやり方で弁護士に依頼して個人再生が可能です。

ただし、この方法を行う前に、まずは弁護士との無料相談で「自分は個人再生できそうか?」と聞いてみてください。

借金を個人再生で解決できる見込みがあり、費用を貯められる見込みもあるようであれば、弁護士が個人再生を引き受けてくれるでしょう。

もし「個人再生では解決できない」と言われた場合は、弁護士が別途提示する方法(自己破産など)を検討することになります。

(2) 分割払いなどが可能な弁護士事務所に依頼する

弁護士費用の分割払いに対応している法律事務所もあります。そういった事務所を利用すれば、毎月の負担を抑えつつ弁護士に依頼できます。

また、多くの法律事務所は無料相談に対応しています。初回のみ無料の場合もあれば、一定の条件を満たせば何度でも無料という事務所もあります。

まずは相談料を抑えるために相談無料の事務所を利用して、分割払いが可能なのかを聞いてみると良いでしょう。

なお、泉総合法律事務所は借金問題について何度でも相談無料で、分割払いにも対応しております。

(3) 他の債務整理方法を検討する(独断は厳禁)

借金を解決する方法は個人再生だけではありません。自己破産任意整理などの方法もあります。

任意整理に必要な費用は、個人再生と比べてかなり安いです。ただし、減額率は高くないので注意してください。比較的少額の借金を解決するための方法です。

自己破産は裁判所を通じて借金をゼロにするための手続です。いくつかのデメリットがありますが、人によっては問題にならないデメリットも多く存在します。

しかし、これらを独断で判断すると効果の薄い方法を選択してしまうかもしれません。
必ず事前に弁護士と相談して、自分に適した借金解決方法を選ぶようにしてください。

4.費用の問題も弁護士に相談すれば解決できる!

個人再生にはお金がかかりますが、弁護士に相談することで費用を捻出する方法を教えてもらえるでしょう。
そもそも借金問題の解決に個人再生が適しているのかという部分から見直してもらえるので、より効果の高い方法を選択できるというメリットもあります。

「お金がないから弁護士に相談できない」と悩んではいけません。
むしろ「お金がないからこそ、今のうちに弁護士に相談してみよう」と考えるべきです。

無料相談を利用すれば、費用の心配はなく弁護士と相談できます。法律の専門家の意見を聞いて、借金解決のための第一歩を踏み出してください。

泉総合法律事務所は、債務整理に関する相談は何度でも無料となっております。どうぞ安心してご予約ください。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
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