借金返済 [公開日]2018年3月28日[更新日]2018年8月29日

千葉銀行カードローンが返せない場合の対応策

千葉銀行カードローンでお金を借りている方必見です!

銀行カードローンは、手軽に利用できて便利です。

しかし、借り増しを繰り返しているうちに、借金残高が膨らんでしまうことも多いです。

また、借り入れ後に病気やケガをしたり、リストラに遭ったりして、返済が苦しくなってしまうこともあるでしょう。

千葉銀行は、地方銀行の中でも最大手の部類(横浜銀行に次いで第二位)に入り、非常に利便性が高いため、銀行カードローンを利用されている方もたくさんいらっしゃいますが、千葉銀行でカードローンを利用した後、返済ができなくなってしまったらどうすればいいのでしょうか?

今回は、千葉銀行カードローンを返せなくなった場合の対処方法を、弁護士が解説します。

1.千葉銀行のカードローンの特徴

一口に「銀行カードローン」と言っても、各銀行によってサービス内容が異なります。

まずは、千葉銀行カードローンにどういった特徴があるのか、確認しておきましょう。

(1) 金利と借入限度額

千葉銀行のカードローンは、「クイックパワー(アドバンス)」という商品名となっています。

クイックパワーアドバンスの場合、適用金利は年率1.7%~14.8%です。

銀行カードローンとしては平均的ですが、消費者金融やクレジットカードなどよりはかなり低くなっています。

借入の限度額は、最小単位が10万円で最大は800万円となっており、他の銀行カードローンと比べても高額です。高額な貸付限度額を活かして、おまとめローンや他の借金からの借り換えにも積極的に対応しています。

また、いったん借入をした後は、ウェブ上で簡単に増額申請を行うことができます。

千葉銀行カードローンの遅延損害金の年率は20.0%です。

(2) 借入限度額ごとの返済金額

千葉銀行カードローンの場合、返済日前日の借入金残高に応じてその月の返済金額が変動します。

返済日前日の借入残高と返済額をまとめると、以下の通りです。

返済日前日の借入残高 その月の返済額
10万円以下 2,000円
10万円超~20万円以下 4,000円
20万円超~30万円以下 6,000円
30万円超~40万円以下 8,000円
40万円超~50万円以下 10,000円
50万円超~100万円以下 20,000円
100万円超~200万円以下 30,000円
200万円超~300万円以下 40,000円
300万円超~400万円以下 50,000円
400万円超~500万円以下 60,000円
500万円超~600万円以下 70,000円
600万円超~700万円以下 80,000円
700万円超~800万円以下 90,000円

千葉銀行のウェブサイトを見ると「月々2,000円からの返済可能」と書いてありますが、2,000円になるのは、借入金額が10万円以下のケースのみであり、借入金額が上がると、返済の負担も大きくなるので、注意が必要です。

(3) 審査に通りやすい人、通る条件

千葉銀行カードローンを利用するには、以下のような条件が必要です。

  •  何らかの収入のある人。ただし、正社員には限らず、パートやアルバイト、派遣社員などであっても利用可能です。年金収入しかない方は利用できません。
  • 契約時の年齢が20歳以上65歳未満の人
  •  エム・ユー・フロンティア信用保証株式会社による保証を受けられる人
  • 他にクイックパワー、クイックパワーアドバンスのカードローンを利用していない人
  • 住居や勤務先が、千葉銀行の営業地域内にある人

年収要件や年齢の要件などについては、他の銀行カードローンとさほど大きな差はありません。

「エム・ユー・フロンティア信用保証株式会社による保証を受けられる」という要件は、エム・ユー・フロンティア信用保証が千葉銀行カードローンの保証会社となっており、審査を担当している関係で、つけられているものです。

千葉銀行カードローン利用条件の特徴は、地域に限定があることです。

具体的には、千葉銀行の営業区域内に、「住居」または「勤務先」が存在する必要があります。

対象地域は、以下のとおりです。

  • 千葉県 全域
  •  東京都 全域
  •  茨城県 全域
  • 埼玉県 全域
  • 神奈川県の場合、横浜市及び川崎市

千葉銀行カードローンはフリーローンなので、借入金をどのようなことに利用してもかまいません。

たとえば、生活費に使っても良いですし、他の借金の返済に充ててもかまいません。遊興費に使うことも可能です。

しかし、事業用の資金として利用することは認められていません。

(4) 千葉銀行の口座を持っていなくても利用可能

カードローン利用の際、千葉銀行に口座を持っていることは必須ではありません。

口座のない方は、千葉銀行からの振り込み送金により、貸付を受けることが可能です。

また、千葉銀行に来店する必要がなく、ウェブ上の申込みだけで借入を完了することができるので、非常に利便性が高いです。

(5) 審査の流れとスピード

千葉銀行でカードローンの審査を受けるときには、まずはウェブ上で「10秒クイック診断」という簡易な審査を受けます。
これに通過すると、本格的にウェブ上で申請できます。

審査を行うのは、保証会社である「エム・ユー・フロンティア信用保証」です。

まずは、2営業日以内に、「仮審査」が行われます。仮審査に通ると、千葉銀行から電話がかかってきます。審査に落ちた場合には、郵送で通知されます。

仮審査を通過すると、勤務先に対し、電話で在籍確認が行われます。

「銀行です」「保証会社です」などと告げることはなく、担当者の個人名で照会が行われるので、カードローンを申し込んだことを勤務先に知られることは、基本的にありません。

在籍確認が終了すると、必要書類の連絡があるので、指示されたものを郵送またはFAXで提出すると、借入ができる状態となります。

千葉銀行に口座を持っていなければ身分証明書の提出が必要ですが、口座を持っている方の場合、身分証明書の提示がなくてもウェブ上で審査が完了し、非常に申込みしやすいです。

審査スピードも早く、申込みから2、3日もあれば、融資を受けることができます。

(6) 借入方法、返済方法

借入の際には、インターネットバンキング、テレフォンバンキングまたはICローンカードを利用します。インターネットバンキングやテレフォンバンキングを利用する場合、指定した口座へ入金を受けられます。

ICローンカードを利用する場合には、ATMを利用して借入できます。利用できるATMは、千葉銀行のATMと提携コンビニなどのものです(セブン銀行、イーネット、ローソン)。

返済は、毎月1日にそのときの借入残高に応じて、指定した口座からの自動振替によって行います。

ATMやインターネットバンキング、テレフォンバンキングを利用して返済することも可能ですし、店頭での随時の返済も可能です。

(7) 自動融資サービスについて

千葉銀行カードローンを利用すると「自動融資サービス」を受けられます。

自動融資サービスは、千葉銀行に口座を持っていて千葉銀行カードローンを利用しているケースにおいて、公共料金などの引落しで、預金残高が不足している場合に適用されます。

預金残高が不足していると、通常は引き落としができず不払いになってしまいますが、千葉銀行カードローンを利用していると、自動的にカードローンからの融資を受けられて、引き落としに対応することができます。これが、自動融資サービスです。

しかし、この場合、カードローンを利用したことになるので、強制的に借金した扱いとなります。

当然、カードローンの金利が適用されて、借入れた以上の金額の返済が必要になってしまうので、注意が必要です。

千葉銀行カードローンを利用した場合には、預金残高がマイナスにならないよう、引き落とし前にはしっかりと残高を確認しておきましょう。

以上のように、千葉銀行カードローンは、口座開設なしで借入ができる上、口座がある場合には身分証明書の提示も不要でウェブ上のみで融資が完了します。

借入方法や返済方法についても柔軟に対応しており、かなり利便性の高い金融機関と言えるでしょう。

2.千葉銀行カードローンの返済ができなくなるパターン

しかし、千葉銀行カードローンを利用して、その後に支払いが苦しくなってしまうケースもあります。

たとえば、増額を繰り返しているうちに、いつのまにか考えていたよりも借金が大きく膨らんでしまうことがありますし、いったん借金をした後、事情が変わって返済ができなくなってしまうことも考えられます。

千葉銀行カードローンだけならば返済ができる金額であっても、他のサラ金やクレジットカード会社からも借金してしまい、月々の返済額が増えすぎてしまうことがありますし、住宅ローン返済が家計を圧迫して、カードローンの支払いにまで、お金が回らなくなる例も見られます。

3.千葉銀行カードローンの返済が滞ったらどうなる?

実際に千葉銀行カードローンの返済が苦しくなって、支払いが滞ったら何が起こるのか、以下で流れを追って見ていきましょう。

(1) 電話による催促

銀行カードローンの返済が滞ると、まずは電話による督促が行われます。

電話に出ると、返済日に支払いが行われていないことと、いつまでに支払いができるのか、ということを聞かれます。

このとき、支払いの意思を示し、返済できる現実的な日にちを具体的に提示すれば、その日まで待ってくれます。

その通りに支払いをすれば、それ以上大事になる事はなく、これまで通り、分割払いでカードローンを返していくことができます。

電話がかかってきても無視したり、支払いの約束ができなかったりすると、自宅宛に銀行から支払いを求める督促書が送られてきます。

郵便には、遅延している借金の元本と利息、遅延損害金の金額が記載されています。

このとき、きちんと銀行に連絡を入れて支払いの約束をして、合意した通りに返済をすると、元のように分割払いを継続していくことができます。

(2) 内容証明郵便による一括請求

銀行からの電話や郵便による督促があっても無視していると、滞納後2~3ヵ月程度が経過したときに、千葉銀行から内容証明郵便によって一括請求書が届きます。

内容証明郵便には、借金残金の全額と利息、遅延損害金の全額をまとめて支払うように、と書いてあります。

このように、残金を一括払いしなければならないのは、銀行カードローンの約定において、一定金額を超えて支払いを滞納すると、分割払いができないことになっているためです。

このことを、法律的に「期限の利益喪失」と言います。

カードローンの分割払いさえ苦しかった人が、残金の一括払いに対応することは非常に困難ですから、本来であれば、内容証明郵便で一括請求される前に、債務整理によってきちんと対応しておくべきです。

(3) 代位弁済と一括請求

内容証明郵便で一括請求されても、通常の債務者は支払いができないでしょう。

しばらくすると、エム・ユー・フロンティア信用保証株式会社から、「代位弁済通知書」という書類が届きます。

そこには、借金残金と発生利息、遅延損害金について、保証会社であるエム・ユー・フロンティア信用保証が代位弁済をしたので、その後は同社に対し、返済の交渉を行うように、と書いてあります。

そして、エム・ユー・フロンティアからは、同社が銀行に代位弁済したカードローンの残金と利息、遅延損害金を一括払いするように、と請求されます。

代位弁済については「借金返済が不可能に!?代位弁済をされたら弁護士に相談を」で詳しく解説をしています。

(4) 訴訟

保証会社からカードローンの一括請求が行われても、通常は支払いに対応することは困難です。

やむなく放っておくことになりがちですが、そうすると、エム・ユー・フロンティアから「求償請求訴訟」を起こされます。

求償というのは、保証人が代位弁済したときに、主債務者に対して支払いの請求を行うことです。

求償請求されるときには、エム・ユー・フロンティアが千葉銀行に代位弁済した全額に、支払日までの遅延損害金(年利20.0%)が加算された金額を一括請求されます。

裁判を起こされたとしても、通常の債務者は、支払いに応じることは困難です。また、裁判に出頭して反論をしたところで、借金して支払いを怠っているだけですから、請求を排斥することはできません。

和解しない限り、いずれ判決が出て、支払い命令が下されます。

判決では、エム・ユー・フロンティアが代位弁済した全額に遅延損害金が加算された金額と、訴訟費用の一括払い命令が出ます。

(5) 強制執行

判決が出ても、通常は返済に対応できないことがほとんどです。放っておくと、エム・ユー・フロンティアが債務者に対し、強制執行を行います。

強制執行とは、いわゆる差し押さえのことです。つまり、債務者名義の預貯金や生命保険を回収されてしまったり、車や不動産を強制売却されたり、給料の一部を取られたりします。

給料を差し押さえられると、会社にもカードローンを利用して返済できなくなったことを知られますし、家族にも迷惑をかけることになるでしょう

銀行カードローンを返済できなくなった場合には、本来であれば、ここまで来る前に、早い段階で適切な対応をとっておくべきです。

4.返せなくなってしまった場合に検討すべきこと

千葉銀行カードローンを利用して返済が苦しくなったら、まずはどうすれば良いのでしょうか?以下で、推奨される解決方法をご紹介します。

(1) 借り換えについて

一般的に、借金返済が苦しくなったとき、「借り換え」を検討される方が多いです。実際に、ネットで情報を検索すると、借り換えを推奨する記事なども多く見られます。

ただし、借り換えは、必ずしも有効な解決方法にならないので、注意が必要です。

借り換えは、結局は借金問題を借金で解決しようとするものであり、根本的な解決にならないからです。

借り換えが有用となるのは、銀行カードローンよりも明らかに有利な条件で借り入れができるケースのみです。

たとえば、ろうきんなどを利用して金利を大きく減らすことができる場合などには、借り換えを検討しても良いでしょう。

また、親族に肩代わりをしてもらい、その後は親族に返済をしていく方法などもあります。

(2) 推奨される方法は、任意整理

それでは、千葉銀行カードローンの支払が苦しくなったとき、どう対応するのがもっとも良いのでしょうか?

まず検討すべき方法が、任意整理です。

任意整理とは、債権者と話し合いをして、借金の支払い額と支払い方法を決め直す手続です。

任意整理をすると、債権者との合意後に発生する利息を全額カットできるので、カードローンの総支払い額を大きく減らすことができます。

また、エム・ユー・フロンティアから一括払いをされていても、任意整理をすると、3~5年程度の分割払いにすることができます。

たとえば、エム・ユー・フロンティアから200万円の一括払い請求をされている事案で任意整理をすると、毎月3万4千円円程度、5年払いの合意をすることなどが可能となります。

ただ、任意整理をするのであれば、できればエム・ユー・フロンティアによる代位弁済前に始めるべきです。

そうすれば、裁判を起こされることも給料などを差し押さえられることもありませんし、家族や会社に知られずに借金を整理することも容易になるからです。

カードローンの支払いが苦しいと感じたら、できるだけ早めに弁護士までご相談ください。

5.どうしても返せそうにない場合の対処方法

カードローンの残債が大きくなりすぎている場合や、仕事ができなくなって返済が一切不可能になった場合などには、任意整理では解決できないことがあります。

その場合には、個人再生もしくは自己破産により、解決できる可能性があります。以下で、それぞれの手続をご紹介します。

(1) 個人再生

個人再生は、裁判所に申立をして、借金額を大きく減額してもらう債務整理の方法です。

任意整理と違い、借金の元本まで大きく減額できるので、借入金額が大きく膨らんでしまった場合でも有効な解決手段となります。

たとえば、千葉銀行カードローンでおまとめローンを利用して600万円や800万円の借金ができてしまっても、借金を5分の1程度にまで減額できる可能性があります。

また、個人再生には「住宅資金特別条項」という特則があり、住宅ローンを抱えている人が家を守りながら借金を整理することも可能となっています。

個人再生をしても、自己破産とは違い、財産が無くなるなどのリスクはありません。

(2) 自己破産

千葉銀行カードローンを利用して、借金が増えすぎてしまった場合や、失業などによって一切の支払いができなくなってしまった場合でも、自己破産をすると、解決できる可能性があります。

自己破産とは、裁判所に申立をして、すべての借金支払い義務を免除してもらう債務整理の方法です。

自己破産には限度額がないので、どれだけ多くのカードローンの借金があっても、全額免除してもらえます。

また、手続後に支払いをする必要がないので、全く返済能力がない方でも借金問題を解決できます。

千葉銀行のカードローン以外に、たとえばサラ金やクレジットカード、保証債務、未払い家賃などの負債があっても、すべてを免除できるので、非常に大きな効果があります。

ただし、自己破産をすると、生活に必要な最低限を超える財産がなくなります。具体的には、99万円を超える財産を持ったまま破産することができません。

このようなことから、手元にほとんど財産がない方や生活保護を受けたい方などには非常に有用な手続なので、借金返済が苦しいならば、自己破産も視野に入れて検討すると良いでしょう。

6.まとめ

千葉銀行カードローンは利便性が高く、関東一円の方ならどのような方でも利用しやすいので、ついつい借りすぎて困ってしまう方がご相談に来られます。

返済が苦しくなったら、なるべく早めに債務整理をすると、傷が浅いまま解決しやすいものです。

不安な方でも、弁護士がサポートいたします。問題が大きくなる前に、お早めに泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

当事務所には、千葉銀行カードローンなどからの借入によって多重債務に陥ってしまった数多くの方々を救済してきた実績がございます。借金問題でお困りの方は、どうぞ安心して当事務所までお問い合わせください。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
電話番号

受付時間: 平日9:3021:00/土日祝9:3018:30

債務整理コラム一覧に戻る