借金返済 [公開日]2018年4月24日[更新日]2024年7月3日

埼玉りそな銀行カードローンが返済できない場合の対処法


埼玉りそな銀行は、埼玉銀行を母体とする銀行で、埼玉にお住まいの方にとっては非常になじみ深い銀行です。
埼玉県民だけでなく、近郊や都内にお住まいの方が利用しているケースも多いでしょう。

銀行系カードローンは、消費者金融のカードローンに比べて安心なイメージがあります。
さらに、埼玉りそな銀行カードローンの借入は、ローン専用カードではなく、銀行キャッシュカードで行えるので便利です(借入は、りそなグループ(埼玉りそな銀行、りそな銀行、大阪近畿銀行)のATM、コンビニ(セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート)のATM、提携金融機関のATMで行うことができます)。

しかし、このような安心感や便利性から借入を繰り返してしまい、気が付いたときには返せないほど借金が膨らんでしまうことがあります。

そこで、今回は、埼玉りそな銀行カードローンを返せなくなった場合の対処方法を、弁護士が解説します。

1.埼玉りそな銀行のカードローンの特徴

埼玉りそな銀行は、りそなホールディングスの一員です。
りそなホールディングスは、特にリテール商品(個人や中小事業者向けの商品)の充実に力を入れています。

埼玉りそな銀行のカードローンには、「りそなプレミアムカードローン」と「りそなクイックカードローン」とがあります。
このほかにも、フリーローン(プライベートJ)、目的別ローン(マイカーローン・教育ローンなど)や、リバースモーゲージ型住宅ローン(安心革命)といった商品があります。

埼玉りそな銀行の特徴をまとめると下の表のとおりになります。

商品名 プレミアムカードローン クイックカードローン
貸付金利 年3.5~12.475%(変動金利) 年9.0~12.475%(変動金利)
貸付限度額 最大800万円 最大200万円
金利特典 埼玉りそな銀行で住宅ローンを組んでいると最大マイナス0.5%の金利優遇 埼玉りそな銀行を給料振り込み口座にしていると最大マイナス0.5%の金利優遇
遅延損害金 年率20.0% 年率20.0%

埼玉りそな銀行カードローンの金利は他の銀行の金利よりも低めに設定されていることが最大の特徴です。
「変動金利」であり、毎年4月1日と10月1日の時点のローン基準金利に基づいて、7月と1月に適用金利が見直されます。

埼玉りそな銀行カードローンは、1年ごとの契約更新となります。収入や返済の状況によっては、契約が途中で解約となることもあり得ます。
また、一定の年齢以上になると契約を更新することができません。

埼玉りそな銀行カードローンでは、融資を受けるためには、口座開設が必要となります。
(口座がなくても申し込みは可能ですが、契約締結までに口座を開設しなければなりません。)

また、埼玉りそな銀行カードローンには、「オートチャージ(自動融資)」サービスがついています。
オートチャージサービスは、埼玉りそな銀行カードローンの利用者が埼玉りそな銀行の口座で公共料金の支払いをしているときに適用となります。

通常は、預金残高が不足のときには、公共料金の引き落としはできずに不払い(延滞)となります。
しかし、埼玉りそな銀行カードローンを利用していれば、残高不足のときには、自動的にカードローンから自動的に融資され、公共料金が支払われることになります。

つまり、公共料金の残高不足によって、「新規の申し込みがなくても借金をした」ことになるので、残高不足にならないように注意しましょう。
こうなると、当然ながらカードローンの金利が適用されて、借入れた以上の金額の返済が必要になってしまうので注意が必要です。

2.埼玉りそな銀行の返済が遅れるとどうなる?

埼玉りそな銀行カードローンの返済は、毎月5日(休日の時は翌営業日)に、指定した口座からの自動振替によって行われます(定例返済)。
なお、臨時(追加)の返済は、ATMやWebサイト会員ページ(my gate)、店舗で随時行うことができます。

返済額は、毎月5日の3営業日前の基準貸付残高(借入金の残高)に応じて決まります(残高スライド方式)。
基準貸付残高ごとの最低返済額(口座振替される金額)は、下の表のとおりです。

この返済額は、まず利息の支払いに充当され、その残額が元金の返済に充てられることになります(元利金均等法式)。

返済日前の基準貸付残高 その月の最低返済額
1万円未満 全額
1万円以上50万円以下 1万円
50万円超100万円以下 2万円
100万円超200万円以下 3万円
200万円超300万円以下 4万円
300万円超400万円以下 5万円
400万円超500万円以下 6万円
500万円超600万円以下 7万円
600万円超700万円以下 8万円
700万円超800万円以下 9万円

上記の借金返済が滞ると、債権者(りそな銀行)から返済の督促をされます。

以下では、埼玉りそな銀行カードローンを延滞したときの流れについて確認していきます。

(1) 電話・郵便での督促(取り立て)

毎月5日の返済日に口座残高が不足していると、カードローンの返済を延滞したことになります。
カードローンの返済を延滞すると、まずは埼玉りそな銀行から登録している携帯番号に電話がかかってくるでしょう。

この電話は「入金が確認できていませんが、お忘れではないですか?」といったような確認の意味合いです。きちんと応対して「いつまでに支払う」と約束すれば、その期日まで督促されることはありません。

一方、携帯にかかってきた電話を無視したり、新たな約束日にも対応したりすると、郵便で督促状が届いたり、自宅や勤務先に確認の電話がかかってきたりすることがあります。
特に、自宅や勤務先に電話されると困る時には、携帯にかかってきた電話を無視してはいけません。

何らかの事情で払えないこと分かっているときには、事前にこちらから電話しておくことが望ましいでしょう。こうすることで埼玉りそな銀行カードローンからの心象も良くなり、返済の猶予を受けやすくなります。

(2) 一括返済の請求から代位弁済へ

2ヶ月ほど返済を怠ると、郵便物で「期限の利益の喪失」を通告されることになります。期限の利益とは、借金を分割して返済できる権利のことです。

カードローンの契約では、延滞が続くと期限の利益を喪失する内容になっているのが通常です。これが失われることで、埼玉りそな銀行から「一括請求」されるでしょう。

しかし、毎月の分割払いを延滞している人が一括請求に応じられることはほとんどないと思われます。
よって、多くの方はその一括請求の連絡を無視してしまいます。

一括請求後も延滞が続くと、保証会社(オリックス・クレジット、りそなカードなど)から「代位弁済」したことを通知する書面が届きます。
保証会社の代位弁済によって、債権者が埼玉りそな銀行から保証会社に代わるので、債務者は今後は保証会社を相手に返済する必要があります。

保証会社は債権回収のプロと言えますので、今後はより粛々と取り立てや法的措置を行なってくるでしょう。

なお、長期(61日以上〜3ヶ月以上)の延滞や代位弁済があると、借金の延滞が「事故情報」として信用情報機関に登録されます。
これは俗に言うブラックリスト状態で、その後は他の金融機関からの借入やクレジットカードの作成・更新が一切できなくなるでしょう。

(3) 訴訟提起・支払督促の後に強制執行される

一括請求・代位弁済を経た後も返済がなければ、保証会社は、貸金返還請求訴訟支払督促といった法的手続をとります。

裁判所から送達された訴状や支払督促を無視してはいけません。そのまま放置すれば、給料などの財産が差し押さえられることになります。
反対に、訴状や支払督促にきちんと対応することで、保証会社と分割払い等で和解できる可能性が残されています。

ここまでくると一般の方が自力で対応することは難しいケースが多いので、裁判所から訴状や支払督促が届いたときには、1日もはやく弁護士に相談すべきと言えます。

3.りそな銀行カードローン滞納の対応策

滞納の初期段階ならば、埼玉りそな銀行カードローンに直接相談することで分割払いや支払いの猶予を認めてもらえる可能性があります。

しかし、延滞が長期に及んでいる場合はこれが難しいため、以下のような方法を検討してみてください。

(1) 借り換えなどで返済する

行き詰まった借金の返済を「借り換え」で対応する人は少なくないようです。
つまり、埼玉りそな銀行カードローン以外の低金利の銀行でお金を借り、それで埼玉りそな銀行カードローンを返済すると言うことです。

また、最近では「借金の1本化」といった宣伝・広告を目にする機会も多くなりました。
埼玉りそな銀行カードローン以外にも借金がある場合(多重債務の場合)、「おまとめローン」などを上手に利用することで借金を無事に完済できるというケースも確かにあります。

しかし、借り換えや借金の1本化で借金を解決しようと思う場合には、次のような点に注意する必要があります。

  • 銀行カードローンを借り換えるときには、利息があまり下がらないことがある
  • おまとめローンにより返済期間が長引くと、一本化前よりも利息総額の負担が増える可能性が高い
  • おまとめローンの返済に行き詰まると、自己破産しか選択肢が残らないこともある
  • 連帯保証人や物的担保を要求されることもある

特に注意するべきなのは、おまとめローンを利用することで月々の返済額が減ることはあっても、「支払総額」はこれまでよりも増えることが多くなるということです。返済期間が長くなるため、利息を含めた支払総額はこれまでよりも多くなるのです。

また、多く借りた方が利息も下がることから、「借り換えに必要な金額よりも多額の借金」を申し込んでしまう人も少なくありません。
借入額が多額になれば、連帯保証人や物的担保を要求されることもあり得ます。

特に、借り換えやおまとめローンの返済が行き詰まったケースでは、既に任意整理や個人再生での解決が難しいという場合も少なくありません。このようなケースでは、以下で説明する債務整理のうち「自己破産」しか現実的ではないこともあります。

以上のように、借り換えローンやおまとめローンにもデメリットは存在します。
借り換えやおまとめローンで対応するときには、長い目で見た「完済しきれる可能性」を事前に十分検討しましょう。

(2) 債務整理で借金を減免する

どれだけ多額で自力返済が難しい借金であっても、債務整理で解決することができる可能性があります。
ここでは、個人ができる債務整理方法である「任意整理」「個人再生」「自己破産」について紹介します。

任意整理|利息の支払いを免除してもらう

埼玉りそな銀行カードローンの利息は他の銀行カードローンよりも安いと言えます。しかし、それでも利息の負担は決して小さくありません。
例えば、カードローンで50万円借りて1万円返済したときの利息は、5,197円(年12.475%のとき)です。返済額の半分以上が利息の支払いに充てられているのです。

利息の負担が重いために行き詰まっている場合には、任意整理することで解決できます。

任意整理は、埼玉りそな銀行に「将来利息の免除」と「返済期間の見直し」をお願いして、カードローンを返しやすくする方法です。合意が得られれば利息の一部あるいは全部を免除してもらった上で、〜5年の長期の分割払いを認めてもらえる可能性があります。

個人再生|借金を元金から大幅に減額

カードローンの利用額が多額すぎて利息の免除だけでは返せないという場合には、個人再生で解決することを検討します。
個人再生が裁判所に認められると、利用額を元本から大幅に圧縮した上で、これを原則3年間返済することで、残額の返済を免除してもらうことができます(減額率は借金の総額や手落ちの資産額などにより変動します)。

たとえば、400万円の借金を個人再生で100万円に減額できれば、これを3年かけて分割返済した後、残額の300万円の返済は免除してもらえるのが個人再生です。
100万円を3年で分割払いする場合、毎月の返済に換算すれば約28,000円です。埼玉りそな銀行カードローンを400万円利用しているときの毎月の返済額は6万円ですから、毎月の返済負担は半分になります。

なお、プレミアムカードローンを利用している人には、埼玉りそな銀行で住宅ローンを組んでいる人もいると思います。
住宅ローンの残っている人が債務整理すると、住宅ローンが解約となりマイホームを手放さなければならないことがあります。

そのような場合でも、個人再生で「住宅資金特別条項(住宅ローン特則と呼ばれることが多いです)」を利用すれば、マイホームを手放すことなくカードローンなどの借金だけを減額することも可能です。

住宅ローンに延滞があって期限の利益を失っていたり、保証会社が代位弁済しているケースでも、マイホームを残すよう対応できることもあります。

「持ち家を失わずに債務整理したい」という方は、できるだけ早い時期に弁護士に個人再生の相談をすることをおすすめします。

自己破産|借金を全額免除

借金があまりにも多額なときには、個人再生を利用しても返済しきれない場合があります。また、病気やリストラなどで収入がない(足りない)ときにも、返済が残る個人再生や任意整理は利用できないでしょう。
そのようなときには、自己破産する(破産免責を受ける)ことで、借金の返済義務を完全に免除してもらいます。

自己破産すると、マイホームなどの高価な財産を手放す必要があります。これらの高価な財産を処分・換価し、債権者に配当することで残りの借金を免除してもらうのが「自己破産」なのです。
しかし、自己破産しても財産のすべてを失うわけではありません。99万円までの現金や、生活に必要な家財道具(テレビ・冷蔵庫・エアコンなど)は手元に残すことができます。

自己破産には悪いイメージをもっている人が多いかもしれません。しかし、手続後に一切の返済が不要となる債務整理は自己破産だけです。
たしかに、自己破産では財産を一部失ったり、一定の職業について資格制限が生じるなどのデメリットがあります。しかし、破産手続開始後の収入はすべて自由に使うことができますし、資格制限も一生のものではありません。デメリットは思ったよりも少ないケースが多いでしょう。

さらに、浪費やギャンブル、さらには風俗通いなどを原因とする借金であっても、適切に対応すれば裁判所の裁量で免責を得る(=借金を0にする)ことができます。
弁護士にご相談いただければご不安な点の多くは解消できると思いますので、不安がある方は無料相談をご利用ください。

4.埼玉りそな銀行を債務整理するとデメリットはある?

埼玉りそな銀行を債務整理すると、次のようなデメリットが生じます。

  • 埼玉りそな銀行の口座が凍結され、預貯金と借金の残額が相殺される(借金>預貯金の場合、預金が0になる)
  • 埼玉りそな銀行から他のローンの借入をしているときには、あわせて強制解約となる
  • 信用情報に傷が付く(新規の借金・クレジットカードの発行ができなくなる)
  • 現在保有しているクレジットカードも後に解約される可能性がある
  • りそなホールディングスとは今後の取引が一切できなくなる
  • りそなカードやオリックスクレジットが保証会社となっている金融機関の審査に通らなくなる

埼玉りそな銀行に限ったことではありませんが、債務整理をするとその後数年間はクレジットカードや借金の新規申込みができなくなります。
そこで、クレジットカードがなくなるのが嫌だからと債務整理を躊躇する人も少なくありません。

しかし、生活を建て直すという意味では、クレジットカードや借金の申込みができなくなることは必ずしもデメリットとは言えません。クレジットカードで行える決済は、キャッシュレス決済やデビットカードなどで対応することも可能です。

ブラックリストを過度に恐れず、目先の借金問題の解決をまずはご検討ください。

5.まとめ

近年では、銀行カードローンを原因に自己破産する人が増えています。
銀行カードローンには、法律による総量規制がないため、消費者金融の借金よりも深刻なケース(借金額が大きく膨れ上がっているケース)も少なくありません。

「銀行だから大丈夫」と油断せずに、返済が苦しいと感じたときには、できるだけ早い段階で泉総合法律事務所の弁護士に相談されることをおすすめします。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
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