個人再生手続の給与所得者等再生で債権者からの不同意を回避

男性
50代男性 会社員
借入理由: 会社の運転資金
手続き : 給与所得者等再生(住宅特例有)
ご相談前 ご依頼後
借⾦総額 約2660万円 約360万円
毎月の返済額 約11万円 約6万円
[事例 15]

背景

相談に来られたAさんは法人の代表者を務めていました。Aさんは「不景気の影響もあり法人の利益が上がらず、借金を返せる見込みがなくなってしまった。法人は破産させたいが、法人の借金約2040万円を保証しているので、債権者から請求されたらとても個人で返すことはできないです。」と仰っていました。
また、Aさんは住宅を所有しており、「家族と生活するためにも住宅は残したい」と強くご希望されていましたので、住宅を残すこと
ができ、かつ借金も大幅に減らすことが可能な個人再生手続をご提案しました。

弁護士対応 - 債権者からの不同意リスクがあったため給与所得者等再生を選択

元会社代表者のAさんの借金は、法人の保証債務が半分以上を占めていました。
そのため、小規模個人再生ではこの債権者が手続に協力しなかった場合、廃止(打ち切り)となるリスクがありました。そこで、債権者の同意を得なくても進められる、「給与所得等者再生」の申立を検討することにしました。
しかし、給与所得者等再生は小規模個人再生と異なり要件が厳格となります。求められる要件としては、①継続的に安定した収入がある、②その額の変動の幅が小さいと見込まれる、といったものです。
Aさんは転職してから1年ほどしか経っておらず、また、高齢だったためそれらの要件を裁判所に認めてもらえるかが大きなポイントになりました。

※個人再生手続には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」という2通りの手続方法があります。
小規模個人再生の場合には債権者の「同意」が必要となり、過半数の債権者もしくは債権額の過半額を占める債権者が反対した場合、手続は廃止(打ち切り)されてしまいます。

結果 - 転職先の会社情報や今後の収入見込みを裁判所へアピール

Aさん自身も「転職したばかりだけれども、長年やっていた業種だし、今後も仕事は継続できます。それに、勤務先には再雇用制度があるため、長い間会社に残ることができます。5年間の返済は正直大変だと思いますが、家を残すことができるのであれば、あとは一生懸命働いて、しっかり完済させます。」と約束してくださいました。
そこで、Aさんの会社の規模や従業員の構成、今後の収入見込みなどをしっかりと裁判所へ説明したところ、無事に給与所得者等再生手続が認められました。
債権者から反対されることもなく、手続は無事に認可され、Aさんの約2660万円あった借金は約360万円にまで減額され、返済期間を5年間に設定することができました。

弁護士からのコメント

一般的に債権者が手続に反対することは少ないと言われています。しかし、手続に反対する債権者は確実に存在します。
今回のケースのように大口の債権者がいる場合や債権者が少ないケースでは、債権者の反対によってせっかくの手続が廃止(打ち切り)されてしまうのでリスクが高いため、注意が必要です。
泉総合法律事務所では、過去の事例や経験則をに基づき、ご依頼者様のメリットになるような手続をご提案させていただきます。

解決事例一覧
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