株式会社エムアールアイ債権回収からの連絡に対する正しい対処法
「ある日突然知らない会社から借金の支払いを求める連絡が来た！」
こういった経験をしたことがある人もいるかもしれません。
昨今は特殊詐欺の被害が増加しているため、見知らぬ会社からの電話や郵便物に対して連絡をしてしまうと大きなトラブルに発展する可能性があります。
しかし、もしあなたが借金の支払いを滞納しており、その連絡が「株式会社エムアールアイ債権回収（エムアールアイサービサー）」からのものである場合は注意が必要です。
特殊詐欺のための連絡ではなく、借金返済の督促を行う真っ当な通知の可能性が高いからです。
ここでは、株式会社エムアールアイ債権回収についての解説をしていきます。
既に連絡が来た人や、現在借金の支払いを滞納している人は必見です。
１．株式会社エムアールアイ債権回収とは
株式会社エムアールアイ債権回収（MRI債権回収）は、特殊詐欺の片棒を担ぐような会社ではなく、法務省の承認を受けた真っ当な会社です。
「サービサー法」という法律に基づいて他の会社から債権譲渡を受け、債権回収を業務として行っています。
債権譲渡とは、その名の通り債権（借金）を譲り渡すことです。
元の債権者（お金を貸している企業など）が「この人は長期で借金を滞納していて、督促をしても支払いをしないから、自社で借金を回収するのは難しい」と考えた債権について、債権の回収を業としている専門業者に譲り渡して、代わりに借金の返済を受けてもらうのです。
特にマルイのカード（エポスカード）やスルガ銀行等への支払いを怠っている人は要注意です。これらの債権者はエムアールアイ債権回収に債権譲渡を行うことが多いと言われています。
エポスカードの場合は、3ヶ月程度滞納するとエムアールアイ債権回収に債権譲渡を行うとも言われています。
債務者（お金を借りている人）の同意がなくても債権譲渡は可能であり、エムアールアイ債権回収からの最初の連絡はこの債権譲渡が行われたことを通知する目的を兼ねることが多いです（受任通知）。
債務者の立場からすれば支払う先の債権者が変わるだけなのですが、エムアールアイ債権回収は債権回収を業務とするだけあって、債権の回収をするための様々なノウハウを持っています。
エムアールアイ債権回収は、闇金などのように債務者を脅すようなことはなく、極めて合法的に債権の回収を図ります。
場合によっては法律に基づいて財産や給与の差押えを受ける可能性もゼロではなく、そうなると生活が一気に苦しくなるおそれがあります。
エムアールアイ債権回収からの連絡が来たら、絶対に放置してはいけません。弁護士に相談する等の対策を行ってください。
２．エムアールアイ債権回収から電話・手紙がきたらどうする？
エムアールアイ債権回収は、郵便・電話・自宅訪問等の方法で債務者との連絡を取ろうとしてきます。
特に、エムアールアイ債権回収はピンクの封筒を使うと言われています（2019年8月現在）。
では、実際にエムアールアイ債権回収からの連絡が来たらどうすればいいのでしょうか？
(1) 簡単に債務の支払いには応じない
連絡が来たら無視をしてはいけませんが、「わかりました、支払います」と安易に返事をするのもよくありません。
電話や来訪があった場合は「確認してみます」「郵便を探してみます」などと言ってその場を乗り切り、すぐにでも弁護士に相談しに行った方がいいでしょう。
というのも、長い間放置されていた借金は「消滅時効」が成立しているかもしれないからです。
「借金は時効で消滅する」という話を知っている人も多いと思いますが、時効は期間が経過すれば自動的に成立するものではありません。
時効の成立を宣言する「援用」という手続が不可欠です。
援用をする前に「借金をしていた記憶はあるので支払います」と宣言してしまったり、「とりあえず1,000円だけ支払っておきます」と一部の支払に応じたりすると、経過していた消滅時効がリセットされてしまいます。
既に述べたように、エポスカードの場合は3ヶ月程度の滞納でエムアールアイ債権回収に債権譲渡されるため、消滅時効が成立している可能性は低いです。
しかし、仮に最後の支払い日時を覚えていないほど昔の借金についての通知が来た場合は、念のため弁護士に消滅時効が成立している可能性がないか相談してみましょう。
(2) 分割払いの交渉をする
消滅時効が成立していないことが明らかな場合は、分割払いができないか交渉してみましょう。
エムアールアイ債権回収は一括払いを求めているかもしれませんが、彼らの仕事は債権の回収です。
債務者にできもしない一括払いを求めて返済不能に陥らせるよりも、現実的な分割払いをさせた方が確実に債権を回収できるとなれば、分割払いに応じてくれるはずです。
借金を支払って円満に解決したい場合は、分割払いについて先方と相談してみるのがいいでしょう。
(3) 債務整理で借金を減免する
時効が成立しておらず、また、分割払いでも支払えそうにないくらいの借金の請求を受けているならば、これを放置しては法的措置に踏み切られるリスクがあります。
裁判所から訴状や支払督促が送られてきたならば、エムアールアイ債権回収は本格的に借金の回収に乗り出していると言えるでしょう。
どうしても自力で返せない借金ならば、弁護士に依頼をして債務整理をすることをお勧めします。
弁護士が代理人となってエムアールアイ債権回収と交渉したり（任意整理）、裁判所に申し立てて借金を元本から減額・免除してもらったり（個人再生・自己破産）することで、先の見えない借金問題が根本から解決できる可能性が高いです。
いずれも債務整理方法も法的な知識とノウハウが必要になりますので、一度弁護士にご相談ください。
３．エムアールアイ債権回収から連絡が来たときの注意点
対策に関してはご理解いただけたと思いますが、連絡が来た時点でいくつか注意すべきことがあるので以下に記します。
(1) ブラックリストに登録されていることも
借金を延滞していると、その情報が「信用情報機関」という組織に登録されるのが原則です。
エムアールアイ債権回収から督促が来ているならば、あなたの借金滞納情報は確実に信用情報機関に登録されていると考えるべきでしょう。この状態を「ブラックリストに載った」などと言います。
銀行やカード会社等は融資やカードを発行するときの審査に信用情報機関の情報を参照するため、ここに滞納や債務整理等の事故情報があると、支払い能力を疑われて審査に落ちる可能性が高くなります。
審査に落ちるだけでなく、途上与信や更新などにも通らなくなり、いずれは全てのクレジットカードが使えなくなる等の不便が生じるおそれがあるので注意が必要です。
(2) 無視を続けると裁判になることも
エムアールアイ債権回収は法律に則って債権回収を行うため、あまりに無視を続けた場合は法的手段を講じることが考えられます。
その最たるものが裁判です。裁判が始まっても和解は可能ですが、こじれてしまうと和解にすら応じてもらえなくなる可能性も捨てきれません。
裁判になった後も放置を続ければ、財産や給与の差し押さえ等も行われます。
これが行われると生活に支障が発生するうえに、秘密にしていた借金が家族や職場にバレてしまいます。
悪影響が大きいので、エムアールアイ債権回収からの連絡は無視を続けず、弁護士に相談をしてください。
４．エムアールアイ債権回収から連絡が来たら弁護士にご相談を
突然よく知らない会社から連絡が来たら誰もが驚くはずです。しかし、慌てず騒がず、まずは弁護士に相談しましょう。
弁護士に相談すれば消滅時効の確認をしてくれますし、債務整理の可能性も含めて最善策を考えてくれるはずです。
借金の相談をするのは気が引けるという人もいるかもしれませんが、弁護士に対しては気後れする必要はありません。
エムアールアイ債権回収から連絡を受けた場合は、すぐにでも弁護士と相談して不安を解消してください。
借金問題のご相談は、相談無料の泉総合法律事務所に是非ご連絡いただければと思います。
