自己破産 [公開日]2017年10月11日[更新日]2024年7月11日

競馬・ギャンブルの借金を債務整理で減額

競馬などのギャンブルが好きで際限なくお金をつぎ込んでしまうという方は、競馬に依存していると言えます。
これはまさに「ギャンブル依存症」です。

単純に競馬が好きという感情から「やめられない」という段階にまで達し、借金をしてまで競馬で賭けるようになってしまったならば、早い段階で対処すべきです。
競馬依存を治さないと、いずれ多重債務状態に陥り生活が破綻してしまう危険があります。

今回は、「競馬による借金」と、これを解決するための債務整理方法について解説します。自分や家族が競馬を止められずに悩んでいる方は是非ご覧ください。

1.競馬で借金地獄になるリスク

競馬は娯楽の1つです。レースでどの馬が勝つのかを予想して、順位が当れば大金が手に入ることもあります。
小遣いの範囲内など、趣味として楽しむ分には何の問題もありません。

しかし、競馬などのギャンブルには、人がのめり込みやすくなる特徴が組み込まれています。

よく指摘されるのは、部分強化という心理学上の仕組みです。簡単に説明すると、ランダムにあたりとハズレが出る仕組みを指します。

人は「当たるかもしれない」という予測が働くほど、同じ行動を継続して取る傾向にあるのです。

競馬は、馬が走る競技ですので誰も完全に順位を予想することはできません。だからこそ「当たり」と「ハズレ」がランダムに起きます。

多くの人は、当たったときの喜びを期待して、馬券購入を続けてしまいます。
競輪や競艇、パチンコなど他のギャンブルでも同様の構造があり、毎回当たるわけではないという仕組みこそが依存を引き起こしているのです。

依存症が進行すると「借金をしても勝てば取り戻せる」「次こそは勝って借金返済できる」などと考え、クレジットカードのキャッシング、消費者金融からの借入、銀行のカードローンなど、さまざまなところから借金を続け、競馬に注ぎ込むようになってしまいます。

2.競馬による借金を滞納するとどうなる?

競馬などの理由に関わらず、借金をして返済が滞り、債権者からの度重なる督促・取り立ても無視してしまったとします。

督促の手紙(請求書・督促状)や電話を放置していると、やがて契約を強制解約された後、残務の一括返済を請求されます。
(この時点でブラックリストに登録され、債権回収会社などに債権が譲渡されるケースが多いです。)

3ヶ月ほどの長期で返済をせずにいると、債権者から「差押予告通知」といった書面が届きます。
書面のタイトルは異なるかもしれませんが、内容としては「借金を一括返済しなければ、法的措置をとります」という趣旨で書かれているでしょう。

このような差押予告通知書の後も返済しない場合には、支払督促の送付もしくは訴訟の提起がされ、最終的には強制執行により給与や預金が差し押さえられてしまいます。

[参考記事]

借金滞納で給与差し押さえ!解除・回避のために必ず知っておくべき事

給与が差し押さえられてしまえば、職場に借金滞納の事実がバレてしまいます。
預金が差し押さえられると、ある日突然口座の残高が0円になるケースもあります。

また、貸金業者や裁判所からの手紙などにより、家族に競馬による借金がばれる可能性も高いでしょう。

3.競馬の借金が返済できない場合の債務整理

(1) 依存症の治療を進める

競馬で作った借金が膨れ上がった時、今以上に借金を増やさないことが重要です。
しかし、依存症になっている方にとって「競馬を当てにせず借金を返す」「これ以上競馬をしない」というのは想像以上に難易度が高いものです。

自分の意志だけで競馬を止めることが難しいのならば、専門のクリニック(精神科・心療内科)で診察を受けるなどして、依存症を改善することが必要です。
後述する債務整理で借金問題を解決しても、またギャンブルにのめり込んでしまっては元も子もありません。

また、お金の管理を家族に任せる(借金できない状態にする)のも有効です。
「競馬でお金を使い過ぎてしまう」という自覚がある場合は、家族の協力を仰ぐことも大事と言えるでしょう。

(2) 債務整理(破産など)で借金を減額・免除

競馬などギャンブルによる借金は多額になりがちで、どうしても自力では返済できないというケースは珍しくありません。
このような場合は、債務整理をすることで借金地獄から抜け出せる可能性があります。

債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」という3つの方法があります。
任意整理と個人再生は借金を減額する手続きで、自己破産は原則全ての債務の返済を免除してもらう手続きとなります。

任意整理は基本的に将来利息しかカットできないため、ギャンブルの借金解決には向いていないかもしれません。
借金の減額をしたいならば、元金から大幅にカットが可能で、また、マイホームを手元に残したまま借金の整理ができる個人再生がおすすめです。

一方、競馬などで出来た借金が多額で、減額だけでは解決が難しいと考えられる場合は「自己破産」を検討すべきです。
自己破産が裁判所に許可されれば、税金などの公租公課を除くほとんど全ての借金が0になります。

しかし、「競馬やギャンブルで作った借金の場合は自己破産ができない」という噂を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。これは本当なのでしょうか?

確かに、自己破産は必ず認められるわけではありません。
特に「免責不許可事由」に当たる事実がある場合には、借金は免除されないのが原則とされています。「免責」とは「借金を0にすること」という意味です。

そして、免責不許可事由の中には「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。」(破産法252条1項4号)という規定があります。
競馬も「浪費」「賭博」に当たるため、免責不許可事由となるのです。

しかし、実際上は浪費又は賭博・射幸行為による借金でも免責が認められる可能性が高いです。

自己破産では、裁判所が一切の事情を考慮して自己破産を認める「裁量免責」の制度があります。
これにより、真摯に競馬依存に向き合い、反省をし、経済的構成を図る姿勢を見せた場合には、自己破産で免責を得ることも十分に可能となります。

[参考記事]

ギャンブルで作った借金でも自己破産できる!

4.競馬で借金を返済できない場合は弁護士へ

競馬で作った借金を返済できない場合は、債務整理を検討しましょう。
自己破産以外でも、他の債務整理方法によって借金を減額できるケースもあります。

差し押さえなど、最悪の事態が起きる前に専門家である弁護士に相談することが大切です。

泉総合法律事務所では、競馬依存の方の借金問題を解決するための十分なノウハウ・実績があります。まずはお気軽にご相談ください。

[解決事例]

風俗、パチンコ、競馬、換金行為で作った借金が自己破産で免除に

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