ジャパンネット銀行からの借入・借金の解決策
ジャパンネット銀行でお金を借りている方必見です。
ネットショッピングや、ネットオークション、FX取引などを行っている人にとってインターネット銀行は非常に便利な存在です。
しかし、ネットバンキングでの借入は、現金を直接扱うわけではないので、利用額が膨らみがちです。また、ネットショップやFX取引のために借入をしているときにも借金が膨らみやすいので注意が必要でしょう。
今回は、ジャパンネット銀行でローンを組んだ後、返済できなくなってしまった場合の対応方法について解説します。
1.ジャパンネット銀行ネットキャッシングの特徴
ジャパンネット銀行は、2000年9月に設立された日本で最初のインターネット銀行です。現在では、ヤフーの連結子会社となっています。
そのため、ヤフーオークションの決済手段としてジャパンネット銀行の口座を保有している人も少なくないと思います。
また、ジャパンネット銀行の設立には、旧さくら銀行(現在の三井住友銀行)も深く関わっています。そのため三井住友銀行やSMBCフィナンシャルグループ各社とも深いつながりがあります。
(1) ジャパンネット銀行ネットキャッシングの利用条件
ジャパンネット銀行では、現在は、いわゆる「カードローン」という名称の商品は提供していません。それに代わる商品が「ネットキャッシング」です。
商品名は違いますが、極度額方式の金銭消費貸借契約(利用限度額以内なら何度もでも借入ができる契約)であることには代わりがありません。
ネットキャッシングを申し込むための条件は次のとおりです。
- 申込時年齢が20歳以上70歳未満
- 有職者で、安定した収入があること(専業主婦でも可能な場合あり)
- ジャパンネット銀行の普通預金口座を保有していること
- ジャパンネット銀行が定める審査基準を満たし、指定保証会社となるSMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)の保証を受けられること
なお、専業主婦(女性のみ可)でも、「配偶者に安定した収入」があれば申込み可能です。
また、ジャパンネット銀行に口座を持っていないときには、ネットキャッシングと同時に口座開設を申し込むことができます。
(2) ネットキャッシングの限度額と金利
ネットキャッシングの利用限度額とそれぞれの適用利率は下の表のとおりです。
利用限度額 | 適用金利(年率) |
---|---|
100万円未満 | 18% |
100万円以上150万円未満 | 15% |
150万円以上200万円未満 | 12% |
200万円以上250万円未満 | 10% |
250万円以上300万円未満 | 8% |
300万円以上400万円未満 | 6% |
400万円以上500万円未満 | 5.5% |
500万円以上600万円未満 | 5% |
600万円以上700万円未満 | 4% |
700万円以上800万円未満 | 3.5% |
800万円以上900万円未満 | 3% |
900万円以上1,000万円未満 | 2.5% |
ネットキャッシングの最大の特徴は利用限度額が高いことにあります。最大1,000万円の利用限度額は、銀行カードローンでも極めて高額です。
他方で、ネットキャッシングの適用金利は、他の銀行カードローンよりも高く消費者金融並です。また、利息計算方法も、日割り計算(借入日にすぐ返済した場合でも1日分の利息がかかる)なので、一般的なカードローンよりも不利な計算方式を採用しています。
(3) 初回特典
ネットキャッシングには初回特典は次の3つのサービスがあります。
- 無利息特約
- 初回自動借入
- 初回借入の振り込み
ネットキャッシングの利用がはじめての場合には、初回借入日から30日間の利息が無料になります。ただし、約定返済を延滞した場合や途中解約などがあるときには適用されません。
「初回自動借入」、「初回借入の振り込み」(振込手数料もジャパンネット銀行が負担)は、「最初の借入がすぐできる」ようにするためのサービスです。
(4) 申込みから融資実行までの流れ
ジャパンネット銀行はインターネット銀行なので、ネットキャッシングの申込みもウェブですべて完結します(口座開設の場合のキャッシュカード・トークンの送付を除きます)。
①申込み方法と必要書類
ジャパンネット銀行のウェブサイトでの申込みのほか、スマホアプリでも申し込むことができます。
ネットキャッシングの申込みには、ジャパンネット銀行の口座を開設している必要がありますが、口座がない場合でもネットやスマホアプリから口座開設とあわせて申込むことができます。
ネットキャッシングの申込みには、下記の書類提出のうちから1点の提出が必要です。
給与所得者の場合 | 個人事業者の場合 |
---|---|
|
|
収入証明のための書類は、ウェブ・スマホアプリ・郵送のいずれかの方法で行います。
②在籍確認と審査結果の連絡
書類審査などが終了すると、申込時に届け出た勤務先へ在籍確認が行われます。
ジャパンネット銀行の在籍確認は、「勤務先への電話」で行われます。審査が終了すると、申込時に登録したメールアドレスに審査結果および利用限度額が連絡されます。なお、審査結果の連絡は、原則として平日の営業時間内です。
③契約締結と融資実行
審査に通過したときは、ジャパンネット銀行での手続きが完了すると借入をすることができます。手続き完了はメールで通知があります。
なお、申込時に「初回自動借入」を申し込んでいれば、手続き完了と同時に所定額がジャパンネット銀行の口座に入金されます(もしくは指定口座へ振り込まれます)。
④お金の借り方
ジャパンネット銀行はインターネット銀行なので、ネットキャッシングでの借入手続きもウェブページやスマホアプリから行います。
ネットキャッシングの借入は、土日・深夜でも可能です。
借入手続きをすれば、すぐにジャパンネット銀行の口座に入金されます。営業時間を気にしなくてよいのは、インターネット銀行の利点でしょう。
また、口座引落しやデビットカード決済時に口座が残高不足というときに、不足額を自動的に借り入れることができる「残高不足サポート機能」という付加サービスを申し込むこともできます。
(5) 返済方法と月々の返済額
ネットキャッシングの返済は、ジャパンネット銀行の普通預金口座からの自動引き落としよって行います(返済日前日までの入金が必要)。
返済日は、毎月1~28日もしくは月末のいずれかから自分で指定することができます。なお、返済日が土曜・日曜・祝日の場合でも返済は繰り下げられずに実行されます。延滞とならないように返済日の管理が大切です。
返済方式は、定返済日前日の最終借入残高によって返済額が決まる「残高スライド元利定額返済方式」です。
実際の返済方式は、「毎月の返済額を抑えるタイプ(A方式)」と、「返済額を増やして短期で返済するタイプ(B方式)」の2種類から選ぶことができます。
A方式(ゆとり返済型) | B方式(短期返済型) | ||
---|---|---|---|
借入残高 | 返済額 | 借入残高 | 返済額 |
10万円以下 | 3,000円 | 50万円以下 | 10,000円 |
10万円超30万円以下 | 6,000円 | 50万円超100万円以下 | 20,000円 |
30万円超50万円以下 | 10,000円 | 100万円超200万円以下 | 30,000円 |
50万円超80万円以下 | 15,000円 | 200万円超300万円以下 | 50,000円 |
80万円超100万円以下 | 20,000円 | 300万円超400万円以下 | 60,000円 |
100万円超150万円以下 | 25,000円 | 400万円超500万円以下 | 70,000円 |
150万円超200万円以下 | 30,000円 | 500万円超600万円以下 | 80,000円 |
200万円超250万円以下 | 35,000円 | 600万円超700万円以下 | 90,000円 |
250万円超300万円以下 | 40,000円 | 700万円超800万円以下 | 100,000円 |
300万円超400万円以下 | 45,000円 | 800万円超900万円以下 | 110,000円 |
400万円超500万円以下 | 50,000円 | 900万円超1,000万円以下 | 120,000円 |
500万円超600万円以下 | 55,000円 | ||
600万円超700万円以下 | 60,000円 | ||
700万円超800万円以下 | 70,000円 | ||
800万円超900万円以下 | 75,000円 | ||
900万円超1,000万円以下 | 80,000円 |
約定返済に加えて、スマホアプリなどから随時返済を行うことも可能です。
ただし、随時返済はあくまでも追加の返済に過ぎず、その月の約定返済がなくなるわけではないので注意が必要です。
2.返済できなくなるとどうなるのか?
返済に遅れが生じるとどうなってしまうのでしょうか。延滞があると、契約面では次の不利益を受けることになります。
- 追加の借入が不可能になる
- 延滞した元本(借入額)に対して遅延損害金(年20%)が発生する
- 返済方法の変更ができなくなる
(1) 電話で返済予定を確認される
約定返済日に残高不足があるとジャパンネット銀行から確認の連絡がきます。連絡は登録されている(携帯)電話やメールアドレスになされます。この段階では、返済予定をきちんと伝えれば問題はありません(ただし日割りで遅延損害金を支払う必要があります)。
ジャパンネット銀行からの連絡は、営業時間中になされます。何かしらの事情で延滞が確実というときには、事前にこちらから事情説明の連絡をしておくことが望ましいでしょう。
(2) 書面での督促、期限の利益喪失、代位弁済
延滞がさらに続いたときには、自宅にジャパンネット銀行から、延滞内容を記した書面が届きます。
届いた書面に「期限の利益」、「一括請求」という文字があるときには注意が必要です。
ネットキャッシングの規約では、2ヶ月の延滞で期限の利益を失うことが定められています(ネットキャッシング規定13条1項b)。期限の利益を失えば、残っているローンの全額を一括で支払う必要があります。
期限の利益を失ったときには、保証会社によって代位弁済がなされる場合もあります。
ネットキャッシングの保証会社は、消費者金融のプロミスです。代位弁済がされたときには、プロミスから一括請求の通知が届きます。
なお、この段階でジャパンネット銀行の口座に預金があるときには、ローンの残額と預金の残高が相殺されてしまいます。
(3) 給料などの差押え
一括請求を求められても実際には返せない場合がほとんどです。
その後も放置が続けば、プロミスから支払督促・民事訴訟によってローン残高(代位弁済額)の支払いを請求されます。法的な手続きをとられると、給料などの財産を差し押さえられる可能性があります。
裁判所の手続きに応じても「どうせ返せない」と放置してしまう人も少なくありませんが、絶対にいけません。手続きに応じれば、プロミスとの和解や債務整理の準備期間の確保が可能となるからです。
差押えを回避するためには、できるだけ早く弁護士に相談することが大切です。
3.返せなくなってしまった場合
自力ではネットキャッシングの返済ができないときには、次の4つの方法で対応することが考えられます。
- 借り換え
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
(1) ネットキャッシングよりも安い金利で借り換える
ネットキャッシングは銀行カードローンのなかでも金利の負担が重い商品です。他の金融機関で借り換えるだけでも返済負担が軽くなる場合があります。
しかし、ネットキャッシングの返済に行き詰まったときには、すでに多額の借金を抱えている場合が多いと思われます。少額の借金であればネットキャッシングはあまり有利な商品ではないからです。
借金が多額過ぎるときには借換えで対応することは難しい場合が少なくないでしょう。
(2) 利息負担が重いときには任意整理が有効
任意整理は、利息免除の交渉をするので、「利息の負担が重くて借金が減らないとき」に非常に有効な方法です。
利息を除いたローンの残額を60回(5年)の分割で返済できるだけの収入があれば、ネットキャッシングを任意整理で解決することが可能といえます。
また、任意整理で解決できれば、誰にも知られずに借金を解決できる可能性も高いです。返済にお困りの時は、まず任意整理を検討してみてはどうでしょうか。
(3) 多額な借金も個人再生できれば自己破産せずに解決できる
任意整理では返済しきれないほどの借金を抱えた場合でも自己破産せずに解決できる場合があります。裁判所に個人再生を申し立てると、借金の一部を免除してもらえる可能性があります。
たとえば、500万円の借金は、100万円まで減額される可能性があります。個人再生では3年で借金を分割返済します。500万円の借金でも100万円に減額されれば、毎月28,000円ほどの返済額となります。
ネットキャッシングで500万円借りているときの返済額は55,000円なので、半分にすることができます。
また、個人再生を利用すれば、住宅ローンの残ったマイホームを手放さずに他の借金を解決できる場合があります。住宅ローンがあるからと債務整理を諦める必要はありません。
(4) 自己破産
「銀行は消費者金融よりも安心」と思っている人は少なくありませんが、近年では銀行カードローンを原因とした自己破産が増えています。
銀行ローンには、消費者金融の場合のような「総量規制」がありません。そのため、年収額を超える借金を抱えてしまう場合があります。特に、ジャパンネット銀行のネットキャッシングは利用限度額が高いので注意が必要といえます。
なお、自己破産しても生活に必要な現金、家電・家具(テレビ・冷蔵庫など)は手元に残すことができます。
また、破産手続き開始後に得た収入もすべて自由に使うこともできます。ご不安な点は、弁護士に相談いただければ具体的にお答えさせていただきます。
4.まとめ
借金の返済に行き詰まったときにはできるだけ早く弁護士に相談しましょう。早期に最善の対応をすれば、デメリットを最低限におさえて借金を解決することができます。
借金問題は1人で抱え込むことが一番よくありません。借金でお困りの時には、借金問題の経験が豊富な弁護士が在籍している泉総合法律事務所までお気軽にご相談ください。