借金苦のストレス|うつ病・心の病気になったらどう解決する?
現代人は多くのストレスに晒されています。
仕事や人間関係のストレスであれば、原因から離れることで解決できるかもしれません。時間とともに軽減されるものもあるでしょう。
しかし、借金の悩みによるストレスは、時間とともに悪化していくことが多いです。
度重なる督促・取立て、増えていく利息や遅延損害金、さらには将来への不安などがストレスを発生させます。
中には、借金苦のストレスから心の病気にかかってしまう人もいます。病気が理由で仕事ができなくなり、収入が減り、ますます借金を返しにくくなるという悪循環に陥る例も散見されます。
そういった状態から抜け出すには、一体どうすれば良いのでしょうか?
1.借金苦の相談はどのくらいあるのか?
国民生活センターの統計によると、同組織に寄せられる多重債務に関する相談は毎年20,000件を超えているそうです。
日本クレジットカウンセリング協会の統計でも、令和元年度には5,470件の電話相談と、1,151件の新規カウンセリングがあったことが示されています。
実は、借金自体は特に珍しいことではありません。
例えば、家や自動車を買うときは通常ローンを組みます。ローンとは即ち分割払いであり、借金です。
また、日本学生支援機構の「平成30年度 学生生活調査」によると、大学生の5割近くが奨学金を受給しています。奨学金の多くは後の返済義務があるため、これも事実上の借金です。
まずは「借金は恥ずかしいことではなく、誰もが当たり前にする」ということを、理解してください。
「自分は借金を抱えたダメな人間だ」などと悩む必要もありません。借金をすることは悪いことではないのです。
そして、借金のことを相談できる窓口は、全国いたるところ、インターネットの中にも数多く用意されています。
「相談できるところは多い」ということにも目を向けてみてください。
2.借金を合法的に解決する方法
借金で苦しむ人の悩みを解決するために、様々な制度が用意されています。
法的なものとしては「破産法」による自己破産や、「民事再生法」による個人再生などが代表例です。
「任意整理」は法律で厳密に決められた制度というわけではありませんが、借金を解決する方法として一般に認知されています。
任意整理、個人再生、自己破産の3つをまとめて「債務整理」と言います。これらの制度によって借金を解決することは、全く違法ではありません。
(1) 任意整理
債権者と個別に交渉して、将来発生する予定の利息や遅延損害金などの支払いを免除してもらう方法です。
それと同時に支払いスケジュールの調整も行って、数年間の分割払いに変更してもらいます。
任意整理に成功すれば、たとえ一括返済を求められていても長期の分割払いにリスケジュールできます。利息・遅延損害金もなくなるため、総支払額が減り、返済が一気に楽になるでしょう。
債権者との交渉は、弁護士に依頼すれば安心です。弁護士が無理なく支払える返済スケジュールを提示し、交渉を進めてくれることでしょう。
借金の額が比較的少なく、多少の減額や返済スケジュールの調整で完済できそうな場合は、この方法で借金を解決できることが多いです。
(2) 個人再生
裁判所に申立てをして借金を大きく減額してもらう方法です。借金の額が5分の1〜10分の1になり、その後、原則3年程度で借金を分割返済します。
個人再生には、次に説明する自己破産のように、「自分の財産が裁判所によって一部処分される」「資格制限がある」などのデメリットがありません。
手続きが複雑なのが難点ですが、弁護士のサポートを受ければ個人再生が成功する確率を飛躍的に高めることができます。
[参考記事]
個人再生手続のメリット・デメリットについて
(3) 自己破産
こちらも裁判所に申立てをして行う債務整理方法です。
自己破産に成功すると借金がゼロになります。滞納した税金などの特殊な債務以外は支払義務がなくなるのです。
その代わり、評価額がある程度を超える財産はお金に換えられて、債権者への弁済に充てられます。
自宅や高価な車などはほぼ確実に処分されてしまいますが、不動産・高額な財産を持っていない人であれば、特に何も処分されることなく自己破産が可能です。
その他、一定の職業に一定期間就けなくなるなどのデメリットもあります。しかしその期間は数ヶ月、長くて半年程度です。
休職や配置換えなどで乗り切ることができますし、そもそも該当する仕事に就いていない人には影響ありません。過度な心配は必要ないと言えるでしょう。
[参考記事]
自己破産のメリット・デメリット|破産後の生活はどうなる?
3.借金苦の相談ができる場所
(1) 相談先の一覧
債務整理を検討する以外にも、借金苦の相談は様々な組織・機関が受け付けています。
一部を紹介するので、ぜひ相談をご検討ください。
- 日本司法支援センター(法テラス)
- 国民生活センター
- 消費生活センター
- 日本クレジットカウンセリング協会
- 貸金業相談・紛争解決センター
- DA JAPAN
- 日本弁護士連合会(弁護士会の法律相談センター)
- 市町村などによる自治体の法律相談(※各自治体に問い合わせてください)
- 近くの法律事務所の弁護士
- 警察(※闇金からお金を借りてしまった場合)
債務整理を行う場合、最終的には弁護士に依頼して交渉や手続きをしてもらうことになります。相談を受けた窓口から弁護士へと相談内容を回してくれるケースも多いです。
その手間と時間を省くために、債務整理を検討しているならば最初から弁護士を探して相談することがお勧めです。
初回相談料を無料にしている弁護士や、リモートで相談できる弁護士も多いので、そういった弁護士なら手軽に相談できるでしょう。
(2) 心の病気や借金癖をなくしたい場合の相談先
借金依存症とも言うべき状態の人や、借金によるうつ病で苦しんでいる人・その家族の場合、「カウンセリングを受けるなどして精神状態を改善したい」と思うかもしれません。
そういった人におすすめの相談先を、いくつかご紹介します。
[参考記事]
借金依存症とは?原因・症状と借金問題の解決方法
日本クレジットカウンセリング協会
債務に関することなら何でも相談できます。
債務整理などの法的手続きに関することはもちろん、家計や生活についても幅広く相談に乗ってくれます。
ケースに応じて適切な相談先を紹介してくれるため、どこに相談したらいいのかわからない場合でも相談が可能です。
貸金業相談・紛争解決センター
債務整理の情報提供や、貸金業者への苦情・トラブルを解決する窓口として、債務者からの相談を広く受け付けています。
借金の再発を防止するためのカウンセリングや、家計権管理のサポートも実施しています。
DA JAPAN
こちらは自助グループです。借金の悩みを抱えた人同士が集まって、同じ悩みを改善するために話し合い、助け合うなどの交流を行います。
予約や参加費は不要で、公式ホームページから開催などの情報を確認して自由に参加できます。オンラインでの参加も可能です。
他にも、精神科や心療内科などで、借金依存症を克服するための専門家にかかって治療を行うことが考えられます。
【強制的に借金ができない状態にすることも】
借金体質から抜け出すために、借金そのものが「不可能」な状態にするのも一つの手です。具体的に以下の方法があります。
・貸付自粛制度を使う:貸金業者などに「自分にはお金を貸さないでください」と申告する制度です。前述の日本クレジットカウンセリング協会や貸金業相談・紛争解決センターなどの機関に相談すれば、無料で手続きを行ってくれます。
・債務整理をする:債務整理をした後は、5~7年程度の期間お金を借りられなくなります。クレジットカードも使えません。借金の解決と同時に貸付自粛制度を利用したような効果が得られると考えて良いでしょう。
4.債務整理のことは弁護士へご相談ください
「債務整理で借金を踏み倒すなんて無責任だ」と思ってしまうかもしれませんが、債務整理は合法的で、世間的にも認められた借金解決方法です。
負債を今以上に増やしてしまう前に、新しい一歩を踏み出しましょう。
債務整理手続のサポートは弁護士にお任せください。
弁護士は借金問題解決のプロです。どういったケースにはどのタイプの債務整理がベストなのか、どんな書類を集めて手続をすれば良いのかなども熟知しています。
「弁護士に借金の相談をするなんて恥ずかしい」などと思う必要はありません。弁護士は、借金を抱えて苦しんでいるあなたの味方です。
1日でも早く借金問題を解決するために、ぜひとも当事務所の弁護士までご相談ください。