債務整理後でもデビットカードは作れる・使える!
債務整理を行いブラックリストに載ってしまった結果、クレジットカードを作ることができなくなってしまった人でも、「デビットカード」なら作ることができます。
デビッドカードはクレジッドカードと全く同じというわけではありません。
しかし、利用しにくい側面もあるものの、クレジットカードの代わりとして十分に機能しますので、ブラックリスト入りを過度に恐れる必要はないでしょう。
今回は、デビッドカードの概要、特徴、メリットとデメリットを解説します。
1.デビットカードとは?
デビッドカードとは、カード加盟店にてカードを使い商品購入をすると、即時・自動的に口座から引き落としが行われる仕組みの、即時決済型カードです。
銀行残高からすぐに決済されること、そして、残高以上の買い物はできないということが最大の特徴です。これがクレジットカードとの大きな違いになります。
デビッドカードは、銀行口座さえあれば基本的には誰でも簡単に作ることができるため、現金派の方や信用情報に傷がある方でも安心して利用できる決済手段と言われています。
デビットカードを取り扱っている金融機関は意外と多くあります。もっとも、基本的には2種類のカードに分けることができます。
1つは、J-Debitです。
これは、実は銀行のキャッシュカードのほとんどに付随している機能です。銀行でキャッシュカードを作るときにデビットカードの機能をつけるかどうか確認されることがあるのですが、今は標準的に付いている場合もあります。
申し込み方法も、銀行でキャッシュカードを申し込むだけです。
もう1つは、クレジット会社のデビットカードです。昔はVISA系列のものしかありませんでしたが、現在はJCB系列のカードもあります。
申し込み窓口は多くあり、クレジットカードのサービスを行っている会社であれば大抵デビットカードも作成できます。
デビットカードを利用すると、クレジットカードのようにポイントがつくカードもあります。
《参考デビットカード》
・ジャパンネット銀行デビットカード
・スルガVISAデビットカード
・りそなVISAデビットカード
・楽天銀行VISAデビットカード
・住信SBIネット銀行VISAデビットカード
・JNB VISAデビットカード
・セブン銀行デビットカード(JCB)
2.ブラックリストでもデビッドカードを持てる仕組み
では、ブラックリスト入りしている人でもデビットカードを持てるのは何故なのでしょうか。
(1) 「ブラックリスト」とは?
まず、「ブラックリストに載る」とは、信用情報機関の記録に金融事故が記載されている状態のことを指します。
信用情報機関とは、正式には「個人情報信用機関」といい、金融機関と個人の健全な信用取引を実現するための機関です。
銀行などの金融機関やクレジットカード会社などは、信用情報機関に加盟し、個人の信用状態をチェック(照会)できるようにしています。
金融機関は、個人から受け取った申告情報だけでなく、信用情報機関の情報を閲覧することにより、ローン審査やクレジット審査などを行っているのです。
金融事故とは、任意整理・個人再生・自己破産などの債務整理をしたという情報はもちろん、支払い遅延・延滞などの情報も含まれます。
信用情報機関に金融事故が記載されていると、審査の担当者は「この人にお金を貸しても返ってこないかもしれない」と思い、審査に落としてしまうのです。
実際には、「ブラックリスト」という名称の冊子やデータがあるわけではなく、金融事故が載ることを、俗称として「ブラック」や「ブラックリストに載る」などと呼ばれています。
信用情報機関に事故情報が掲載される期間については、事故内容によって異なります。
債務整理をした場合は、最低でも完済から5年間は削除されないと理解しておくべきでしょう。
自分自身の経済的信用状態が気になる方は、一度各信用情報機関に自分の信用情報の開示を請求してみましょう。
(2) ブラックリストとデビットカードの関係
ブラックリスト入りしている場合、クレジットカードは持つことができません。新規作成の審査や途上与信、更新の審査にも落ちてしまうため、数年間はクレカが利用できないと考えましょう。
しかし、デビットカードの場合は別です。デビットカードは、ブラック情報が記載されている場合でも持つことができます。
なぜなら、デビットカードは作成の際に審査がないからです。
金融機関やクレジットカード会社は、カードの作成やローンを組むことの申し込みがあった場合、必ず信用情報機関のデータベースにアクセスし、その人の信用情報を確認します。これは、カードやローンの性質上、返済能力があるのかをチェックする必要があるからです。
しかし、デビットカードの場合は、実際に銀行口座に残っているお金しか利用できないからため、返済能力は必要ありません。
したがって、ブラックリストの内容が「自己破産」などの重大な事故情報だったとしても、デビットカードを作成することは可能なのです。
3.デビッドカードのメリット・デメリット
(1) デビットカードのメリット
デビットカードはクレジットカードのように利用できるため、現金が手元にない時もショッピングを楽しむことができます。いちいち現金を引き出さなくてもカードで支払いが可能になるので、ATM利用料の節約にもなります。
そして、支払い能力を超えた使用はできないので、経済的な許容範囲内で買い物ができるという点もメリットでしょう。
さらに、口座残高が利用限度額となるため、身に覚えのない支払いや不正利用にも気づきやすくなります。
また、クレジットカード会社発行のデビットカードならポイントがつく仕組みもあるため、この場合、現金使用よりお得に買い物ができます。
その他にも、海外旅行の際の換金も海外のATMでできるため、大変便利だという利点があります。
メリットまとめ
- クレジットカードが利用できない人も作成可能
- 現金がない時も買い物できる
- ATM利用料の節約
- 支払い能力を超えた買い物ができないため、家計管理にも最適
- 不正利用に気づきやすい
- ポイントがつくので現金よりお得
- クレジットカード会社のデビットの場合、海外でも利用できる
(2) デビットカードのデメリット
デビットカードのデメリットとしては、まず、口座残高以上の買い物はできないということです。与信審査がなくカードが作成しやすい反面、利用限度額は口座残高に限られてしまいます。
また、支払いオプションがないこともデメリットになります。
クレジットカードであれば、ボーナス一括払いや分割払いなどができますが、デビットカードでは即時引き落としのみなので、これらの支払いオプションは利用できません。
そして、利用できる店舗がクレジットカードよりは少ない点です。
デビットカードは多くのお店で利用できますが、加盟店でない場合は利用できません。一部の高速道路やガソリンスタンドでは利用できないこともあるようです。
以上がデビットカードのデメリットになります。
支払い方法が一括払いしかない点などは、不便かもしれません。しかし裏を返せば、無駄使いを防止して、金銭管理を徹底できるということになります。
デメリットまとめ
- 口座残高以上の利用ができない
- ボーナス一括払いや分割払いはできない
- 加盟店以外では利用できない
- 一部の高速道路やガソリンスタンドでは使えない
4.デビッドカード利用の注意点
実は、デビットカードは「絶対に審査がないとは言い切れない」です。デビットカードを発行している会社によっては審査が必要になるケースもあります。
もっとも、これは限られたケースですので、それほど心配する必要はありません。
審査が必要なカードは、立替え払いができるデビットカードのみです。「残高が足りないときに、10万円程度の少額を立替え払いできますよ」という機能が付いている場合は審査が必要になります。
このようなカードの場合は、ブラックリスト入りしている方は作成できない可能性が高いということを覚えておきましょう。
具体例としては、イオンが発行する「イオン銀行デビットカード」があります。
5.債務整理・自己破産後でもデビットカードは利用できる!
ブラックリスト入りすると、もうクレジットカードは当分使えないと思い、私生活に不便が出ると落胆されている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、クレジットカードではなくとも、デビットカードなら代替品としてしっかり活躍してくれます。口座残高以上の買い物はできませんが、これも家計を見直すよい機会です。
泉総合法律事務所では、自己破産をはじめさまざまな債務整理方法について、一人ひとりに合ったご提案をさせていただきます。
債務整理によるデメリットよりもメリットの方が遥かに大きいケースも多々ありますので、まずは一度、当事務所の弁護士にご相談ください。ご相談は何度でも無料となっております。