自己破産 [公開日]2018年5月1日[更新日]2021年1月20日

自己破産の申立のタイミング

債務整理は法律的に借金問題を解決する制度で、主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つの方法があります。

このうち「自己破産」は、債務整理の中でも最終手段とも言うべき制度で、破産申立の結果、裁判所に免責が許可されれば、借金をほとんど全て免責してもらうことができます。

このコラムでは、債務整理の中でも「自己破産」をすべきタイミングについて解説します。

「まだ返済を頑張りたいが、自己破産にはいつ踏み切るべき?」「自己破産をする最適のタイミングはあるの?」とお悩みの方は、ぜひご覧ください。

1.自己破産申立のタイミング

自己破産は、裁判所に申立を行い、「破産手続開始決定」を受けることで手続きが始まりますが、それ以前にも申立を行うための書類を集めたりする必要があります。

必要書類の収集・作成は、不備がないよう弁護士などの専門家にサポートを受けるのが最適です。

今回は、「自己破産の申立をするために、弁護士事務所へ相談すべきタイミング」の例をご紹介します。

(1) 元本が減らない・完済の目処が立たない

今現在多額の借金を抱えていている人で、例えば「毎月の返済額はすべて利息の返済に充てられ、元本が減少していない」「何年経っても完済できそうにない」という場合は、残念ながらこの先も借金が減る可能性は極めて低いです。

この状態から脱出するためには、すぐにでも自己破産するべきと言えます。

(2) リストラや病気で収入がない

借金の返済があるのに収入が断たれた場合も、自己破産を考えましょう。

当然ですが、無収入では返済の見通しが立ちません。
また、債務整理をするにしても、現在の収入が0では任意整理と個人再生は認められません。

仮に近々再就職できる予定があったとしても、転職後の収入は安定しない可能性もありますので、少額でも返済がなくなる(全額免責になる)自己破産が適しているでしょう。

(3) 生活保護を受けようと思っている

生活保護受給者であれば、自己破産手続で法テラスの利用が可能です。
特に生活保護受給者の場合は、予納金や弁護士費用が免除されるので、その分自己破産にかかる費用負担が軽減します。

生活が厳しいと感じている場合は、負担軽減のためにも、生活保護の受給を始めてから自己破産すると良いでしょう。

[参考記事]

生活保護と借金・自己破産の関係〜法テラスの利用について

【退職金がある場合はタイミングに注意】
近い将来に退職金をもらう予定がある場合は、退職金を受け取る前に自己破産をするのがベストです。と言うのも、退職金は財産と判断されるので、支給後は一部が処分の対象となります。
退職金のある人が自己破産をする場合は、退職前、直前、退職後で財産とされる金額が大幅に変わるので十分に注意しましょう。
例えば、退職がまだまだ先で額が確定していない時期であれば、処分され得る退職金の額は見込み額の1/8ですが、退職金支給後は自由財産に含まれない分が全額没収されてしまいます。
以上を踏まえ、定年を迎える人、退職を考えている人で自己破産をする場合は、退職金が確定する前に手続することをおすすめします。
参考:自己破産をしたら退職金も差し押さえ・没収される?

2.自己破産できないケース

自己破産はいつでも利用できる制度ではありません。
以下の要件に当てはまる場合は、自己破産できないので注意が必要です。

(1) 債務が支払不能ではない

自己破産には、「手続きを開始するために○○円以上の債務額が必要」という要件はありません。
債務額が100万円以下でも5000万円以上でも、自己破産の申立自体は可能です。

しかし、自己破産をするためには、申立人が「支払不能状態」であることが必要とされています。

例えば、いくら借金が高額であっても、不動産や現金などの資産を多く持っており、それらを活用することで返済が可能であるならば自己破産は認められません。
また、弁済期の到来していない借金も自己破産できません。

自己破産をするには、継続的・客観的に見て借金を返済する能力がないと裁判所に判断される必要があるのです。

[参考記事]

自己破産ができる借金額はいくらから?

(2) 前回自己破産してから7年経過していない

破産法252条10項により、前回の自己破産の免責許可決定の確定日から7年経過していない場合は免責不許可となってしまいます。
短い期間に何度も自己破産を繰り返すのは、基本的に認められないということです。

ただし、一度目の自己破産の理由はリストラ、二度目の自己破産の理由が病気など、「致し方ない理由」と認められ、同情の余地がある場合には許可される可能性もあります。

[参考記事]

2回目の自己破産は可能?難しい?何回までできるのか?

その他にも、法律上免責不許可とされる事由があり、その程度が著しい場合や裁判所に嘘をついた場合には、破産手続きをしても免責が許可されるとは限りません。

浪費等の免責不許可事由がある場合には、借金が膨らみ過ぎないうちに、一度弁護士に相談してみることをお勧めします。

3.自己破産なら泉総合法律事務所へ

もし、「自己破産をしたいけど、できるのかどうか分からない」「自己破産に躊躇している」という方がいたら、是非一度泉総合法律事務所にお問い合わせください。

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