自己破産を考えた時、どこに相談するべきか?
クレジットカードや住宅ローンなどの借金をどうしても返せないとき、自己破産すれば借金は原則として全額免除されます。
制度上、自己破産手続きは個人で行うことも可能です。
しかし、実際に自力で手続きをする場合、失敗するリスクが大いにあるのが現実です。少なくとも一度は弁護士などの専門家に相談をしてみるべきでしょう。
[参考記事]
自己破産は自分でできる?失敗する?手続きや費用について
とはいえ、「弁護士事務所に相談するのは敷居が高い」と思っている方は多いと思います。
実際、自己破産について相談するのは、どこがいいのでしょうか?
自己破産の相談ができる窓口は大きく分けて、公的機関、独立行政法人、各士業の3つがあります。
それぞれにメリットとデメリットがあるので、特徴を抑えておくべきです。
今回は「自己破産を考えた時、どこに相談するべきか?」を解説します。
1.自己破産を相談できる公的機関
(1) 法テラス
法テラスは、国が設立した法律トラブルを解決するための案内所です。生活上の法的トラブルを解決するための情報提供を行い、経済的に困っている人に対しては、無料法律相談や弁護士費用の立替も行っています。
立替費用は、原則として後に分割払いで返済します。月の返済額は5,000~10,000円ほどなので、無理なく返済することが可能です。
しかし、法テラスの無料相談や弁護士費用の立替は、経済的に余裕のない人を対象としているので、収入・資産に一定の制限があります。
また、法テラスは利用に際して審査があり、審査機関は2~3週間、長い場合は1ヶ月ほどかかることもあります。(※ 現在、当事務所では法テラスの取り扱いはしておりません。)
(2) 弁護士会の法律相談センター
日本各地の弁護士会も法律相談センターを開設しています。各都道府県に数か所~数十か所あり、全国では300カ所あります。
弁護士会の法律相談センターでは、借金問題は初回無料相談を行っています。もちろん自己破産の相談も無料です。
弁護士会は全国の弁護士が必ず登録をしているので、借金問題のスペシャリストも数多く在籍しています。
しかし、弁護士会の借金の無料法律相談は原則として1人あたり30分です。実際に相談をしてみると、30分というのはあっという間で、問題の核心に至る前に時間終了となってしまうケースが大半です。
その後の相談は別途有料となるので、無料相談に行くときには、事前に要点をまとめていくことをおすすめします。
(3) 自治体(市役所・区役所など)の法律相談
法律相談は全国の自治体でも行っています。相談内容は何でもOKで、1人あたり30分ほど無料で弁護士に相談にのってもらうことができます。
法律相談場所は市役所・区役所などで開設されており、利用する人は多いので、それほど身構えずに行ける点はメリットです。
自己破産すると決めた訳ではないけれど、借金を返すのが大変なのでどうすればいいか少し聞いてみたい、といった段階であれば、相談場所としてはおすすめです。
しかし、先述の通り自治体の相談にも時間制限があります。問題解決するには決して長い時間とは言えません。
また、借金問題に強い弁護士が来ているとは限らず、債務整理を専門としない弁護士が担当になることもあり得ます。
2.独立行政法人など
(1) 消費者生活センター
消費者センターは商品や消費に関する苦情を受け付けている機関で、全国の市町村に設置されています。
消費者センターでは自己破産手続きに関する支援はしていませんが、債務整理のアドバイスを受けたり、必要に応じて専門機関の紹介をしてもらえたりします。
相談は無料ですが、消費者センターの受付は平日のみです。土日祝は国民生活センターが代わりに受付をしますが、場合によっては回答を得られないこともあるので、サラリーマンやOLの方にとっては不便でしょう。
また、消費者センターは借金問題を直接解決する場所ではありません。自己破産のアドバイスはできても、その後の弁護士の依頼や手続きは自分で行わなければなりません。
(2) 日本クレジットカウンセリング協会
内閣府の認定を受けた公益財団法人で、クレジット、ローン、多重債務の問題の相談を無料で行っています。消費者保護の観点から、中立なアドバイスをもらうことができます。
最初に電話で相談して、後日面談でカウンセリングを行い、アドバイスを受けることが可能です。また、家計管理の改善についても助言をもらうことができます。
自己破産、個人再生については、必要に応じて弁護士などの専門家を紹介してもらうことができます。
3.借金問題を相談できる士業
数ある士業の中で、借金問題の相談ができるのは弁護士と司法書士です。
しかし、守備範囲に違いがあるので依頼の際は注意が必要です。
(1) 司法書士事務所
司法書士は140万円以上の債権を取り扱うことができません。
140万円を超える民事事件を扱うことは弁護士法違反となるので、債務額によっては依頼できないこともあります。
また、司法書士ができるのは書類作成のみで、代理人として申立をすることや、法廷に出廷することはできません。
もちろん、適切なアドバイスをもらうことはできますが、面談などは自分で対応しなければならないので、その点で負担感は大きいです。
(2) 弁護士事務所
弁護士は取り扱いの債権額に制限はありません。また、書類作成だけでなく、代理人として申立・面談の対応を行うことも可能です。自己破産の際は心強い存在となるのは間違いないでしょう。
最近では、借金問題については相談無料としている弁護士事務所も多いので、ネットなどで一度探してみてください。
4.弁護士事務所に相談・依頼するメリット
結論としましては、借金問題でお困りの場合、まずは弁護士事務所の無料相談などでお話しいただくことをおすすめします。
弁護士に相談、依頼をすると、以下のようなメリットが得られます。
(1) 最初から自己破産に詳しい弁護士を選べる
公的機関や独立行政法人は、相談する弁護士を選べません。
ある程度債務整理に詳しい弁護士をピックアップしてくれる場所もありますが、債務整理の実績がほとんどない弁護士に相談することになるケースも往々にしてあります。
そうすると、短い相談時間の中で的確なアドバイスをもらえる可能性は低いと言わざるを得ないでしょう。
自分で弁護士事務所を探して相談予約をする場合、このような心配は不要です。
初めから「自己破産に強い弁護士」「債務整理の実績がある弁護士」を選んでいるはずですので、今後の方針について早期に専門的なアドバイスを受けられるでしょう。
なお、自己破産に強い弁護士の選び方については、以下のコラムもご覧ください。
[参考記事]
自己破産に強い弁護士の選び方・探し方
(2) 手続き弁護士に一任できる
弁護士は司法書士と違い代理人としての権限があるので、書類の作成はもちろん、申立前に打ち合わせをしておけば、そこから先の裁判官や管財人とのやり取りなどを基本的に一任することができます。
弁護士に依頼をした場合、裁判所から本人出廷の指示がない限り、本人が裁判所にいく必要もありません。弁護士が代わりに裁判所に出廷するので安心です。
(3) 費用や予納金が最終的に安く済む
弁護士報酬は、代理人業務もあるため司法書士報酬に比べて割高です。
しかし、自己破産でも「管財事件」となった場合、弁護士に依頼をすると「少額管財」になり、予納金は20~25万円ほどですみます。
小額管財とは、管財事件を簡略化したもので、時間や費用を抑えることが可能です。
しかし、少額管財にするには必ず代理人となる弁護士が必要です。
司法書士に依頼するなどして「本人申立」とする場合、少額管財にはできないので、予納金は50万円ほど必要になります。
その場合、トータル額は司法書士に依頼する方が高くつくこともあります。
[参考記事]
自己破産で管財事件になったら|流れ・期間・予納金等を解説
5.自己破産・債務整理の相談は泉総合法律事務所へ
自己破産の相談自体は、様々な場所で行うことが可能です。
しかし、公的機関を窓口とした場合でも最終的には弁護士に依頼することになるのが通常ですし、司法書士に依頼した場合はその後の手続きの代理までお願いすることはできません。
借金問題の解決に強い泉総合法律事務所は、債務整理に関するお悩みでしたら何度でも相談無料です。
相談に必要なもの・持ち物などは予約時に丁寧にご説明します。
ご相談者様の未来のために、一人ひとりのニーズに合った解決方法をご提案しますので、どうぞ安心して一歩を踏み出してみてください。