アイフルからの借入が返済できない場合の債務整理
借金は、誰しもが「返せる」と思って借りるものです。
しかし、給料が減ったり、リストラされてしまったり、病気やケガで働けなくなったりすることもあります。
また、家族の介護などで予定外の支出が続いてしまうこともあるでしょう。
今回は、様々な理由からアイフルの借金を返せなくなった時の対応方法について解説します。
借金の問題は早く対応することが何よりも大切です。今現在アイフルからの借金を返せずに悩んでいるという方は、是非本記事をご覧ください。
なお、アイフルからの借金の延滞を続けた結果、督促状や通告書のハガキ(青い封筒)を受け取った方、裁判を起こされそうな方、差し押さえをされた方など、緊急性のあるお悩みについては以下のコラムをご覧ください。
[参考記事]
アイフルから督促状・通知書が届いたら「差し押さえ」に要注意
1.アイフルの借金の滞納について
アイフルは、言わずと知れた大手消費者金融です。アイフルのカードローンの金利(実質年率)は3.0%~18.0%と一般的な数字で、また、名前が知られているという安心感もあり、アイフルからお金を借りた経験があるという方は少なくありません。
アイフルの借金を滞納した場合、遅延損害金として年利20%が加算されていきます。これは法律で定められた上限金利です。
滞納した日数の分だけ日割りで加算されていくので、仮に10万円の返済を30日滞納した場合は以下の遅延損害金が発生します。
10万円×20.0%÷365日×30日=約1643.8円
これに通常の利息もつきますので、滞納が長期化すると借金の総額はどんどん膨れていくことになります。
そして、借金の滞納を続ければ、当然ながらアイフルから督促の手紙や電話がされます。
「督促=怖い」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、アイフルは各都道府県知事や財務局の営業許可を得ている正規の消費者金融ですので、闇金のような苛烈な督促を行いません。
電話のオペレーターは丁寧な口調で話してくれますし、スタッフの対応も比較的柔らかいものです。督促状などの文面にも、脅し文句のようなものは見受けられません。
しかし、法律で許されている範囲において様々な督促をして返済を迫ってきますので、債務者としては適切に対処しなければなりません。放置していると給与の差し押さえなどの強制執行に至ってしまうリスクがあります。
なお、アイフルが株主となっているAG債権回収株式会社(旧アストライ債権回収)というものがあり、アイフルやライフカードの返済を滞納するとがAG債権回収株式会社が督促・取り立てを行う可能性があります。
そのため、AG債権回収株式会社から連絡が来たときに「こんな会社からはお金を借りていないから詐欺に違いない!」と考えるのは早計です。
[参考記事]
債権回収会社(サービサー)からの督促は無視厳禁!突然の通知の対処法
ちなみに、「AG債権回収株式会社」の社名を騙り、ショートメール(SMS)や圧着ハガキ等で督促をする詐欺も横行しているようです。
「050から始まる電話番号」で請求を受けた場合や、連絡先として携帯電話番号を指定された請求を受けた場合は、AG債権回収株式会社を騙った詐欺を疑ってください。
【参考】アストライ債権回収株式会社
2.アイフルの借金の解決方法
では、アイフルからの借金の返済に行き詰まってしまったとき、どのように解決することができるのでしょうか。
(1) 負担の少ない借金で借り換える
消費者金融からの借金は、「利息の負担が重い」ために行き詰まってしまうことが少なくありません。
アイフルの利息は他と比べて極端に高いというわけではありませんが、借入額によっては法定の上限金利となるため、やはり利息の負担は重いと言えます。
そこで、金利の低いローン、例えば銀行が提供しているローンに借り換えるのも1つの方法です。なお、労働組合のある会社にお勤めの場合には、ろうきんの融資を利用できればアイフルよりも安い金利のローンに借り換えることも可能です。
アイフル以外にも借金があるときには、「おまとめローン」により返済日も管理しやすくなるかもしれません。アイフルにも「おまとめMAX」「かりかえMAX」という商品があります。
しかし、おまとめローンの利用で必ずしもお得になるとは限りません。
おまとめローンで借り換えれば、返済総額が増えるため、返済期間がこれまでよりも長くなることが一般的です。月々の金利は安くなっても、返済期間が延びたことで結局支払総額が増えてしまうこともあるので注意が必要です。
[参考記事]
借金の一本化(おまとめローン)のメリット・デメリット
(2) 家族や親戚の援助を受ける
家族や親族に資力の余裕があるときには、借金の返済への援助をお願いすることも解決策の1つです。
援助が得られれば、おまとめローンのように金利を支払うことなく、借金の問題を解決することも可能となるかもしれません。
しかし、借金の額が大きい場合には、家族や親戚に借金を肩代わりしてもらうのもなかなか難しいでしょう。
(3) 債務整理で解決する
どうしても完済の見通しが立たないようなら、債務整理によって解決することをおすすめします。
債務整理には、「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つの方法があります。
次の段落で、それぞれ詳しく説明をします。
3.アイフルの借金は債務整理で解決可能
(1) 任意整理
任意整理では、債権者(アイフル)と個別に「借金を完済しやすくするための交渉」をします。
より具体的には、将来利息や遅延損害金の一部をカットして借金の総額を減らしてもらった上で、3〜5年程度の分割払いをお願いして毎月の支払額も減らしてもらうことについての合意を目指します。
任意整理では元本を減らせないため、個人再生や自己破産に比べて借金の減額効果は大きくありません。
しかし、個人再生や自己破産のように裁判所を通した手続ではないので、必要書類の収集等の手間がかからない、裁判所費用がかからない、家族にバレにくい、といったメリットがあります。
また、「アイフルからの借金は任意整理するが、自動車は手元に残したいので自動車ローンは任意整理しない」「家族が保証人になっている借金については任意整理せずに払い続ける」といったように、整理する業者を選べるのも任意整理だけです。
日本においては、アイフルの借金についてのほとんどが任意整理によって解決されていると言えます。
(2) 個人再生
借金が多額すぎる場合には、将来利息を免除してもらっても完済が難しいこともあります。
そのようなときには、裁判所に個人再生を申立てることを検討します。
個人再生が認められると、借金を元本から大幅に減額してもらうことができます。
債務総額を1/10~1/5程度まで減額してもらった上で、残りの金額を原則3年の分割払いで返済します。本人に継続的で安定した収入があることが必要ですが、個人再生に成功すれば支払いは一気に楽になります。
なお、個人再生の中で、「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を利用すれば、住宅ローン返済中のマイホームを手放すことなくその他の借金の減免を受けることができます(この場合、住宅ローンは減免されません)。
「大切なマイホームを手放したくない」という場合でも、まずは弁護士にご相談ください。
(3) 自己破産
突然のリストラや病気で収入が全くなくなってしまった場合や、借金がかなり膨らんでしまっていて「もはや返済は不可能」というときには、裁判所に自己破産を申立てることを考えましょう。
自己破産は、裁判所の認可を得ることで借金を0円にする強力な債務整理方法です。
借金の返済義務がなくなりますので、いわば、法律に基づく「借金の帳消し制度」が自己破産なのです。
自己破産では、不動産や高価な車など、一定以上の財産を所持している場合、それを処分しなければなりません。
処分・換価した財産を債権者に分配することで最低限の返済とし、その上で残りの借金の支払い義務が免除されます。
しかし、生活に必要な財産まで失うことはありません。
たとえば、99万円までの現金や20万円未満の預貯金は手元に残すことができますし、テレビや冷蔵庫、布団などの家財道具を失うこともありません。仕事に使っている道具も残すことができます。
「自己破産は怖い」「自己破産をすると路頭に迷ってしまう」と恐れている方は少なくないと思いますが、自己破産はあくまで「生活をやり直すための救済手段」です。
多額な借金を抱えても諦めずに、弁護士までご相談ください。
4.アイフルの借金の相談は弁護士へ
アイフルの借金滞納で悩んでいる方の中には、他の借金の返済にも行き詰まっている方がいるかと思います。
弁護士に債務整理を依頼すれば、債権者からの直接の督促はなくなります。また、返済も一時的に停止されます。
債務整理を依頼すれば、ひとまずは静かな生活を取り戻すことができるのです。
債務整理は、「任意整理」「個人再生」「自己破産」の中から、収入と借金の状況に応じてベストの方法を選択することが非常に大切です。
借金でお困りのときには、できるだけ早く泉総合法律事務所までご相談ください。