消費者金融からの借金が返せない場合の流れと解決策を解説
無人契約機で気軽に申込みができ、即日融資可能な場合も多い消費者金融のカードローンは、急な出費で手元のお金が足りないときなどに便利です。
他方で、消費者金融からの借金は4年以上の返済となることも多く、リストラや病気、勤務先の業績不振などで減収となり、最終的に破綻をしてしまう人もいます。
消費者金融からの借金を返せなくなってしまったら、どうすれば良いのでしょうか?
今回は、消費者金融からの借金の返済ができない場合の対処方法について解説します。
1.消費者金融からの借金を返せないとどうなる?
消費者金融からの借金の返済に行き詰まり、延滞が続くとどのような事態になってしまうのでしょうか?
(1) 督促の電話がかかってくる
契約で定められた返済日(約定返済日)に入金されないときには、翌日に消費者金融の担当者から電話がかかってくることが通常です。
連絡先として携帯番号を登録していれば、携帯電話にかかってくるでしょう。
この電話にきちんと出て「○日までに支払う」と伝えれば、約束した期日までに再度電話がかかってくることは通常はありません。
また、携帯電話の連絡にきちんと対応している限り、消費者金融が自宅や勤務先に電話してくることはないでしょう。
万が一延滞してしまったときには、電話を無視せずにきちんと対応することが大事です。
(2) 一括返済の請求(期限の利益の喪失)
延滞がさらに続くと、消費者金融から郵便物が届くようになります。
「書面での督促(督促状・催告書)」「期限の利益喪失予告」「期限の利益喪失通知」というように、延滞期間が長くなるほど通知される事柄も重大になります。
期限の利益とは、借金を分割で返済できる権利のことです。延滞が長期化して期限の利益を喪失したときには、債権者である消費者金融からの請求に応じて、借金の残額を一括で返済しなければならなくなります。
しかし、毎月の分割返済ができないときには、一括での返済を求められても返せないことの方が多いでしょう。
したがって、多くのケースではさらに延滞が続いてしまいます。
[参考記事]
「期限の利益喪失通知」が届いた後にするべきこと
また、長期(2〜3ヶ月以上)の延滞があると、金融事故となり、いわゆるブラックリストに登録されてしまいます。結果として、新たな借入やクレジットカードの作成はできなくなるでしょう
[参考記事]
ブラックリストとは|何年で消える?掲載のデメリットと確認方法
(3) 法的な措置(強制執行・差し押さえ)
期限の利益を喪失しても延滞が続いたときには、最終的には法的な手段によって借金の返済を請求されます。
具体的には、貸金返還請求訴訟の提起や、支払督促の申立てがなされます。
裁判所から「訴状」や「支払督促」が送達されたときには、無視したりせず、できるだけ早く弁護士に相談すべきでしょう。
そのまま放置すれば、給料・預金などが差し押さえられてしまう可能性があります。
[参考記事]
簡易裁判所からの支払督促・訴状を受取拒否したらどうなる?
2.消費者金融の借金を返せないときの解決策
消費者金融からの借金は、高い利息が返済のネックとなることが少なくありません。
また、借入件数が多いときには、毎月何度もやってくる返済日の管理が大きな負担となることもあるでしょう。
「今月だけ払えない」「少し待ってもらえれば返せる」という場合は、各社へ事前に連絡を入れて事情を話し、支払い予定日を伝えることが大切です。
しかし、どうしても滞納状況を解決できない場合、どう対応すれば良いのでしょうか。
(1) 借り換えで返済の負担を軽くする
消費者金融よりも安い金利で借金を借り換えて1本化することで、借金が返済しやすくなる場合があります。
特に、ろうきんや公庫から融資を受けることができれば、利率が現状の半分以下となる場合もあります。
また、銀行や消費者金融のいわゆる「おまとめローン」を利用する人もいます。
しかし、借金の借り換えで、現在よりも必ず返済総額が少なくなるとは限りません。
毎月の返済回数や返済金額(利息負担)が少なくなったとしても、返済期間が延びることで返済総額が増えてしまうからです。
また、返済期間が長くなれば、返済中に失業や病気などで減収となるリスクも増えることになります。
借り換えで解決しようとするときには、債務整理とも比較して十分に検討することが大切でしょう。
[参考記事]
借金の一本化(おまとめローン)のメリット・デメリット
(2) 任意整理で利息を免除
任意整理は、債権者に「将来の利息の免除」と「返済期間の見直し(延長)」をお願いする交渉をして、借金を返しやすくする債務整理です。
消費者金融からの借金は、グレーゾーン金利が撤廃されたとはいえ、非常に重たい金利を負担しなければなりません。毎月の返済額の半分以上が利息の支払いに消えてしまうケースもあります。
借金の利息がなくなるだけで、返済が可能となるケースは少なくありません。
特に借入件数が多い場合には、利息負担がなくなる効果はより大きくなります。
(3) 個人再生で大幅な減額
借金の額が多すぎると、利息を免除してもらうだけでは借金を返せないことがあります。
この場合には、「個人再生」という裁判所の手続きを検討してみてください。
個人再生では、裁判所に認可された再生計画に基づいて、借金の一部を原則3年の分割で返済します。
3年の一部返済が完了すると、残りの借金の返済が免除されます。
返済すべき借金の額は、借金の総額や保有している財産の状況に応じて変動します。
[参考記事]
個人再生の最低弁済額|月々の支払いはいくらになるの?
また、個人再生なら、「住宅ローン特則」という制度により、住宅ローンが残ったマイホームを失うことなく消費者金融の借金を解決することができる可能性があります。
(4) 自己破産して借金を0にする
利息や借金の一部を免除してもらっても返せない時には、自己破産により借金の返済義務のすべてを免除してもらうことで解決できます。
自己破産すると、借金が0になる代わりに「すべての財産を失う」というイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
自己破産しても、今後の生活をするために必要な現金(99万円以下)、預貯金(総額20万円以下)、テレビ・エアコン・冷蔵庫などの家電、家具は手元に残すことができます。
手元に残せる具体的な財産の程度は裁判所ごとの運用で異なるので、それぞれの地域の弁護士にご確認ください。
自己破産は、特に収入がない・財産が全くない人にとっては、最も早く生活を建て直すことのできる方法といえます。
なお、任意整理・個人再生・自己破産などの債務整理は、以下のような理由により、自力で行うよりも弁護士に依頼するべきです。
- 状況ごとに最も効果的な債務整理方法のアドバイスをもらえる
- 弁護士に依頼した時点から債権者である消費者金融からの取り立てが止まる
- 債権者と直接交渉する必要がなくなる
- 提出書類の作成や裁判所への出頭の手間から解放される
[参考記事]
借金返済にお困りの場合、弁護士に相談をするメリットとは?
3.各消費者金融業者の特徴
最後に、大手消費者金融のローンの特徴について簡単に確認しておきましょう。
詳細はそれぞれの消費者金融ごとのコラムをお読みください。
(1) アコム
アコムは、業界ではじめて無人契約機(むじんくん)を導入したことでも知られる消費者金融です。
【詳細解説ページ】アコムからの借入の返済が遅れた場合の対処法
(2) プロミス
プロミスは、三井住友銀行を基幹銀行とするSMBCフィナンシャルグループの一員です。取引のできる店舗・ATM数は消費者金融で最も多い大手の消費者金融です。
【詳細解説ページ】プロミスからの借入が返済できない場合の債務整理
(3) アイフル
アイフルは、消費者金融大手の中では唯一の非銀行(ノンバンク)系消費者金融です。「借りやすさ」に配慮している特徴があります。
【詳細解説ページ】アイフルからの借入が返済できない場合の債務整理
(4) レイク(新生銀行)
レイクは、2018年4月より新規の融資申込みを停止しています。
なお、現在融資を受けている方は、これまでと変わらずに返済を続けることができます。詳細は、下記の公式案内をご確認ください。
【詳細解説ページ】新生銀行カードローンの借金が返せない時の解決法
(5) アプラス・SMBCモビット・NTTファイナンス
その他の有名な消費者金融については、以下の記事をご覧ください。
アプラスへの支払い遅れ|「未入金のお知らせ」が届いたら
SMBCモビットからお金を借りて返済できなくなった場合どうすれば良い?
法人破産で特に多いNTTファイナンスからの借入対処法
4.消費者金融の借金が返済できない場合は弁護士へ
消費者金融の借金問題を根本から解決するためには、それぞれの状況にあった最適の債務整理を選択することが非常に大切です。
そのためには、自分自身で判断をするよりも、弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士に債務整理を依頼すれば、消費者金融とのやりとりはすべて弁護士が窓口となります。
取り立てが止まるだけでなく、債務整理が決着するまで返済も一時停止となります。
[参考記事]
消費者金融からの借金の取り立て・督促を止める方法
早期に弁護士に債務整理を依頼することで、早期の生活建て直しが期待できます。状況が悪化してからだと、より手段が限定されてしまうことが多いです。
借金でお困りの際には、できるだけ早く泉総合法律事務所までご相談ください。債務整理の経験の豊富な弁護士が全力でサポートさせていただきます。