貧困女子が急増|他人事ではない貧困生活からの脱出方法
最近、貧困状態の若い女性が急増しています。
特に独身女性や母子家庭は貧困に陥りやすく、その構造的な問題がメディアでも大きく取り上げられています。
最近では、貧困女性をターゲットに融資条件として体の関係を求める「ひととき融資」なども多く摘発されており、問題となっています。
この記事では、今の若い女性たちが貧困に喘ぐことになってしまう理由を考え、その上で現状を解決するにはどうすれば良いのかを考えていきます。
1.貧困女子とは?
(1) 貧困女子の定義
「貧困女子」の定義は「35歳以下の単身女性で、年収が120万円以下」であることです。
65歳以上の高齢単身女性の貧困も社会問題にはなっていますが、貧困「女子」となると上記の定義に当てはまる必要があるでしょう。
厚生労働省の2021年の調査委によると、東京都で暮らす女性の平均賃金について、25~29歳は年収283万4,400円、30~34歳は年収298万2,000円です。
東京都の賃金は全国で最も高いとはいえ、この数字を見ると貧困女子の水準はかなり低いと思われるでしょう。
そもそも「貧困」とは、年収が国民一人あたりの平均所得の半分に満たない状態を指しています。
貧困女子の定義とされる年収120万円以下は、平均所得の半分を大きく下回る数値なのです。
ちなみに、国税庁の2023年9月発表の調査結果によると、日本人の平均年収は457万6,000円です。
(2) 貧困女子に陥る理由
以前は、女性の貧困と言えば母子家庭が一般的でした。
もちろん、現在でもシングルマザーで奮闘している方は少なくありませんが、最近は大卒でフルタイムで働いても貧困という方が少なくないのです。
その理由としては、以下のようなことが考えられます。
アルバイト、派遣など非正規雇用で低収入
1990年代の就職氷河期以降、日本社会は非正規雇用が拡大し、大学を卒業しても派遣やアルバイトで働く人が増え続けました。
非正規と正社員との格差は広がる一方で、同じ仕事でも正規と非正規では月給が1.5倍の開きがあり、手取りで10万円以上の差がでることもあります。また、非正規の場合は賞与は0円か、あっても僅かな金額です。
新卒で正社員への道が断たれると、以後はギリギリの収入での生活を余儀なくされ、キャリアアップのための資金も捻出できません。
奨学金の返済
現在、大学生の2人に1人が奨学金を借りていると言われています。
奨学金を毎月10万円4年間借りた場合、単純計算でも卒業時点で500万円近くの借金を背負うことになります。
貧困女子の家賃を引いた毎月の手取り金額を計算してみると、9万円以下くらいになるでしょう。その収入の中から奨学金を毎月1~2万でも支払うのは大変なことです。
奨学金には返還猶予など各種制度がありますが、その申請も年数に限りがあります。また、返済を伸ばしたところで、いつかは全額返さなければなりません。
卒業後の奨学金の返済は大きな負担であり、低収入の女性にとっては辛い出費です。
早期での離婚
離婚は貧困に転落する大きな要因です。
特に、専業主婦だった人は就職を見つけるのも難しく、離婚後はパートやアルバイトで生計を立てるケースが少なくありません。
シングルマザーとなった場合は、仕事と子育てを一人でしなければならず、貧困状態に陥りやすくなります。
買い物依存を含む浪費
貧困女子の中には、収入に見合わない浪費が原因で困窮している人もいます。
化粧品・衣類などの出費に加え、ハイブランドのアイテム、高級レストランでの食事、話題スポットへの旅行など、およそ身の丈とは言い難い消費を繰り返してしまう女性は少なくありません。ある程度の年収があっても、借金を月に数十万円返済するとなったらそれは貧困状態に陥っていると言えます。
こうした浪費は都会型貧困に多くみられます。「SNSでマウンティングしたい」「自分を磨いて良い相手と結婚したい」などの目的で、経済状態に合わない消費を繰り返してしまうのです。
また、中には買物依存症に陥っている人もおり、買物の衝動を抑えられずに借金を重ねてしまいます。
2.貧困女子から脱却する方法
では、貧困女子から脱却するにはどうしたら良いのでしょうか?
(1) 浪費はやめて貯金をする
第一には支出を見直して、浪費があればストップしましょう。
必要ないものは買わない、コンビニを使わない(食費をなるべく安く抑える)などを実践するだけでも財布に余裕が生まれます。
そして、貧困状態から脱出するには、まずは貯金30万円を目標にお金を貯めましょう。
30万円は、失業しても2~3か月は乗り切れるだけの貯蓄です。また、30万円あれば資格取得の費用に充てることも可能です。
30万円で選択肢が広がり、何かあった際も自力で対処することができるということです。
その余裕は新たな希望や活力を生む原動力となるので、貯蓄がゼロの人はぜひ実践してみてください。
(2) 正社員を目指す
現在、非正規・パート・アルバイトで働いている人は、ぜひ正社員を目指しましょう。
正社員になると社会保険に加入することもでき、福利厚生も充実します。
正社員は給料も魅力的ですが、病気で働けなくなったときに傷病手当を受けられるので、その点も安心と言えます。
特に単身で暮らしている女性にとっては重要な点なので、その意味でも正社員を目指すことをおすすめします。
(3) 借金があれば債務整理を検討する
今現在、借金を抱えており、これの返済が理由で困窮しているならば、債務整理を検討しましょう。
債務整理は借金を法律的に整理する制度で、借金を減額、または全額免除してもらうことができます。
債務整理は主に任意整理、個人再生、自己破産の3つがあり、それぞれの状況に応じていずれかの手続きを選択します。各手続きの特徴は以下の通りです。
- 任意整理…債権者と直接交渉することで将来利息を一部カットし、3〜5年程度の分割払いを認めてもらう。
- 個人再生…裁判所に申し立てをし、借金を元金から大幅に減額してもらう。減額率は借金額や手持ちの資産額により変動し、返済期間は原則3年。
- 自己破産…裁判所に申し立てをし、借金を全額免除してもらう。不動産や車など、およそ20万円以上の資産価値のある財産は処分する必要がある。
この中で、日本で最も多く選択されているのは「任意整理」です。
任意整理は将来の利息を一部カットすることで借金を減額する制度です。リボ払いや消費者金融(アコム、アイフルなど)といった利息が大きい借金を減額する際に特に有利な内容となり、手続きには裁判所は関わらず、債権者との話し合いだけで完了できる手軽さが特徴です。
また、自己破産のように財産を一部没収されることなく、連帯保証人に迷惑をかけずに借金を整理することも可能です。
任意整理は借金の減額幅こそ少ないものの、利息がなくなるのは大きなメリットです。それだけでも返済が随分楽になるので、借金返済が原因で困っている場合はぜひ検討してみて下さい。
3.まとめ
貧困女子は決して他人事ではなく、現代の世の中では明日は我が身かもしれません。
今貧困状態にある場合は、長い目で脱出する方法を考えていきましょう。
また、もし借金でお困りの場合は、弁護士に相談することをお勧めします。
泉総合法律事務所は、債務整理の実績も豊富です。相談は何度でも無料で行いますので、どうぞお気軽にお越しください。借金問題は専門家と一緒に解決していきましょう。