借金返済 [公開日]2020年2月26日[更新日]2022年1月27日

弁護士法人マーシャルアーツから債権回収の連絡がきた!?

ワイモバイルやdocomoなどの携帯電話料金、カードローン、消費者金融などの返済金、インターネット接続料金、ZOZOTOWNなどのインターネットショッピング代金などを滞納していると「弁護士法人マーシャルアーツ」から督促状が届くケースがあります。

なぜ、電話代や借金等の支払いをしていないからといって、弁護士から督促が来るのでしょうか?

今回は「弁護士法人マーシャルアーツ」とは何なのか(詐欺ではないのか)、督促されたときにどう対応したら良いのかなどを解説します。

弁護士法人マーシャルアーツから督促状が届いた、という方は、ぜひご覧ください。

1.弁護士法人マーシャルアーツとは?

弁護士法人マーシャルアーツからの請求書を受け取った方は、「このような法律事務所は実在するのだろうか?」「架空請求なのではないか?」と疑っているのではないでしょうか?

確かに、最近では弁護士事務所の名をかたった詐欺もみかけます。このような状況からすると、疑う人が出てくるのも仕方のないことかもしれません。

しかし、弁護士法人マーシャルアーツからの督促は詐欺ではありません。
日弁連の弁護士検索ページで検索すれば分かりますが、「弁護士法人マーシャルアーツ」という法律事務所は実在しますし、所属している弁護士も実在の弁護士です。

まっとうな弁護士業務の一環として「債権回収」のために督促をしているのであり、何ら不審な点はありません。

弁護士法人マーシャルアーツから督促状が届いたとき、請求内容が過去に利用したことのある携帯電話代など「身に覚えのあるもの」であれば、実際に支払い義務が発生している可能性が高いと言えます。

同法人からは、以下のような多種多様な債権についての督促状が送られてくる可能性があります(2020年2月現在)。

  • ワイモバイルやdocomoなどの携帯電話代金
  • ZOZOTOWNなどのネット通販で購入した商品の未納金
  • カードや消費者金融などの借金滞納分
  • プロバイダに対するネット接続料金
【弁護士法人マーシャルアーツを語る督促状が詐欺である可能性】
難しいのは、マーシャルアーツを語る通知書や督促が詐欺の可能性もあることです。悪質な架空請求業者の中にはマーシャルアーツの名を語って不当な請求を行い、お金をだまし取ろうとするものが存在するようです。
こうした偽の詐欺業者にお金を払ってしまったら、取り戻すのはほとんど不可能に近くなります。相手はすぐにお金を出金して逃げてしまうからです。
マーシャルアーツからの督促がきたら、「本物か偽物か」を見分ける目が必要です。これは記事の最後で詳しくご説明します。

2.マーシャルアーツから督促書が届く理由

多くの方が「マーシャルアーツから借金したわけでもないのに、なぜそのような法律事務所から請求書が送られてくるのか?」と不思議に思うことでしょう。

それは、弁護士が「債権回収を受託」しているからです。

不良債権が発生したとき、回収をすべて自社で行うのは企業にとって大きな負担となります。特に携帯電話代やネット通販の未納金、ネット接続料金などは1件1件が少額で、回収に手間がかかる割に得られるメリットが小さくなりがちです。

そこで、面倒な債権回収を弁護士に任せることにより、企業は営業や販売などの本来の業務に集中しようとします。
弁護士の方は債権回収を一括で受託し、回収できた分から報酬を受け取ることによって利益を得ます。

また、弁護士は合法的に他人の債権回収を請け負える専門職です(一部司法書士や債権回収会社にも可能です)。

以上のような理由により、携帯電話会社やプロバイダ、ネット通販業者やサラ金などの各種の債権者がマーシャルアーツに債権回収を委託して、マーシャルアーツが債務者へと督促を行います。

マーシャルアーツによる支払い請求には何ら違法性はなく、法律に基づく正当なものなのです。

3.マーシャルアーツからの督促を無視したら

弁護士法人マーシャルアーツからの督促状が本物の場合、無視しているとさらに厳しく催促される可能性があります。

郵便で催促されるだけでは済まず、少額訴訟や通常訴訟、支払督促などの手続きをされて、債務名義(確定判決や仮執行宣言付支払督促など)をとられる可能性もあります。
そうなったら最終的には給料や預貯金、保険などを差し押さえられてしまう可能性もあります。

[参考記事]

借金滞納で給与差し押さえ!解除・回避のために必ず知っておくべき事

そのようなことになる前に、弁護士法人マーシャルアーツから支払の督促を受けた時点で適切に対応しましょう。

4.支払いができない場合の対処方法

弁護士法人マーシャルアーツから督促状が届いたら、まずは本物か偽物かを見極める必要があります(詳しくは後述)。
不安があるなら弁護士に相談して見定めてもらうと良いでしょう。

本物の場合、マーシャルアーツに連絡をして支払いの相談をすべきです。一括では支払えなくても、分割払いを受け入れてもらえる可能性があります。

分割でもどうしても払えない場合や、他にも借金があってマーシャルアーツから請求されている金額を合わせて払うのが難しい場合には「債務整理」を検討しましょう。

例えば、任意整理によって支払い方法(利息・返済回数など)を決め直すこともできます。
個人再生をすれば他の借金も含めて大幅に減額される可能性がありますし、自己破産をすれば基本的にすべての借金や負債が免除されます。

不払いの期間が長くなっていると遅延損害金が高額になっている可能性がありますが、遅延損害金も債務整理によって減額・免除してもらえます。

[参考記事]

債務整理とは?わかりやすく解説!|方法・種類・メリット

5.「詐欺」と「本物」の督促状の見分け方

本物のマーシャルアーツからの請求と架空業者による偽物の請求は、以下のような視点から見分けがつくケースが多数です。

(1) メールやSMSによる請求かどうか

いきなり「メール」や「SMS(携帯のショートメッセージ)」「LINEメッセージ」で請求が来たら、注意が必要かもしれません。
通常、法律事務所が「受任通知」もなしにいきなりメールやSMSなどで請求してくることは考えにくいです。

ハガキや封書が届いたことがないのにいきなりメールなどで請求が来たら詐欺の可能性が高いので、指示されたURLなどをクリックしない方が良いでしょう。

一方、法律事務所から「普通郵便」で請求書が来るケースはよくあります。

一般には「弁護士事務所から督促が来るときには内容証明郵便で送られてくる」と思い込まれていて「普通郵便は詐欺」と考えてしまう方がいらっしゃいますが、誤解です。
多数の法律事務所が督促の際には普通郵便を利用しています。

「普通郵便だから無視していてもかまわない」というのは誤りですので、注意しましょう。

(2) 身に覚えのない請求ではないか

マーシャルアーツが債権回収の委託を受ける場合、当然「元となる債権」が存在するため、利用者の方にも「身に覚えがある」ことが通常です。

たとえば、過去に利用して代金を払っていない携帯電話代やネット通販の売買代金などがあり、その債権者名で督促が届いているなら本物である可能性が高いと言えます。

一方「SNS利用料金」「サイト利用料」など、何のことかよくわからない請求の場合には詐欺の可能性が濃厚です。

(3) 発送元

弁護士法人マーシャルアーツから督促状が届いたら、発送元を確かめてみてください。
架空請求業者は、マーシャルアーツの表示を誤るケースがよくあります。

たとえば差出人が「マーシャルアーツ法律事務所」「マーシャルアーツ弁護士事務所」「マーシャルアーツ」などと書かれている場合、怪しいと考えましょう。
正式名称は「弁護士法人マーシャルアーツ」です。

また住所表記と電話番号も、実在するマーシャルアーツと一致するか注意して見てください。

6.弁護士事務所から督促がきたらご相談ください

弁護士法人マーシャルアーツから通知書が届いたり督促の電話がかかったりしているとき、放っておくと裁判や差し押さえが行われて、生活に大きな影響が及ぶ可能性があります。

その前に、債務整理を始めとした適切な方法で解決しましょう。

詐欺かどうか分からない方や、自分でマーシャルアーツに連絡を入れるのが怖いという方、時効の成立を確かめたい方、債務整理を検討したい方は、弁護士がアドバイスや代理交渉を行うことも可能です。
借金問題の解決実績豊富な泉総合法律事務所に、お気軽にご相談ください。

[参考記事]

債務整理とは?わかりやすく解説!|方法・種類・メリット

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