法律事務所から電話がきた|借金滞納が原因ならどう対処する?
「ある日突然、見たこともない法律事務所から電話がきた!」
「知らない番号から不在着信があって、番号を調べてみたら法律事務所からだった!」
こういったことで慌てていらっしゃいませんか?
確かに、弁護士から電話や郵便があると、「自分は訴えられたのではないか」と不安になってしまうでしょう。
あるいは「弁護士を騙る詐欺に違いない」と考えて、放置してしまう人もいるかもしれません。
しかし、借金を長期に渡り滞納している方ならば、例えば以下の法律事務所からの連絡には注意が必要です。
- 鈴木康之法律事務所
- 弁護士法人マーシャルアーツ
- 高橋裕次郎法律事務所
- 弁護士法人引田法律事務所
- 子浩法律事務所
- 星川法律事務所
- 原田国際法律事務所
これらからの連絡を放置する、またはうかつに対応すると、大変なことになるかもしれません。
ここでは、上記のような法律事務所や、その他の知らない法律事務所から連絡があったときの対処法について紹介していきます。
1.法律事務所から連絡が来る理由
身に覚えのない法律事務所からの連絡があった場合、その理由を特定する必要があります。
「過去に借金をして返済していない」という人は、試しに「(法律事務所の名前)・債権回収」などで検索してみてください。
実は先に挙げた、鈴木康之法律事務所・弁護士法人マーシャルアーツ・高橋裕次郎法律事務所などの法律事務所は、様々な企業から債権回収を委託されている「債権回収のプロ」であり、検索にかかる可能性が高い事務所です。
以前に上記の事務所と付き合いがなくても連絡が来るのは、あなたが滞納している未払いの料金や借金が原因である可能性があります。
ここからは「弁護士から連絡が来た理由は借金である」と想定して話を進めます。
最初にしなければならないのは「本当に法律事務所からの連絡なのか?」を確認することですが、具体的にはどうすれば良いのでしょうか。
まずは、郵便物に書いてある法律事務所をネットで検索して、事務所のホームページなどから連絡先(電話番号等)を確認してください。郵便物に記載してある電話番号等と事務所のホームページに書いてある電話番号等が一致していれば、ほぼ間違いなく法律事務所から来た郵便物です。
電話で連絡が来た場合、かかってきた電話番号をネットで検索しましょう。もしも法律事務所の電話番号がヒットしたら、本当に弁護士からの電話である可能性が高いです。
なお、差出人の弁護士が本物の弁護士か(日弁連に登録のある弁護士か)を確認したいときは、日弁連のHPの弁護士情報提供サービス(ひまわりサーチ)で検索する等の方法も考えられます。
2.連絡を無視した場合のリスク
「弁護士からの連絡は怖いから、出来ればこのまま無視したい」と考える人がいるかもしれませんが、それは止めた方がいいでしょう。
本当に借金が原因で弁護士が債権回収に乗り出していた場合、無視していると事態はどんどん悪化していきます。
(1) 度重なる督促
無視していても、電話や郵便で何度も連絡を繰り返される可能性があります。
「本当にまだこの住所に住んでいるのかな」「電話番号は以前と同じかな」という確認の意味合いで、自宅訪問される可能性も0ではないでしょう。
このような度重なる連絡は、債務者にとってのストレスになることは間違いありません。
借金のことを家族に秘密にしている場合は、この時点でバレてしまう可能性もあります。
(2) 法的措置を取られる
何度も連絡が来るのは困りものですが、連絡がパタリと来なくなったときの方が、実は深刻な事態になっている可能性があります。
弁護士側が法的措置を検討し、実行に移しているかもしれないからです。
例えば「支払督促」や「訴訟」が提起されることもありますし、それらを経て最終的に自分の財産が「差し押さえ」を受けることもあり得ます。
特に、給与の差し押さえを受けた場合は、差し押さえの連絡が裁判所から職場に行きます。
弁護士が会社に直接電話することはほとんど考えられませんが、この時点で借金の事実が確実に勤務先へバレてしまいます。
早い法律事務所だと、最初の連絡から2週間程度で法的措置に踏み切ることもあるようです。
[参考記事]
借金滞納で給与差し押さえ!解除・回避のために必ず知っておくべき事
3.具体的な対応方法
借金が原因で法律事務所から連絡が来た場合、無視はいけませんが、下手に対応するのも危険です。
では、法律事務所から連絡が来たら、具体的には何をするべきなのでしょうか。
もちろん、仮に返済が可能なのであれば、相手の弁護士と話し合い解決をするべきです。
ここでは「どうしても返済が出来そうにない」場合の対応方法を解説していきます。
(1) 消滅時効の確認
貸金業者などからの借金は、原則5年で時効によって消滅します。
しかし、「弁護士は法律の専門家だから、時効になっているものを請求してこないでしょ?」と考えてはいけません。
消滅時効というものは客観的な期間の経過のみによって成立するのではなく、「援用」という手続を経てようやく成立します。
つまり、5年経とうが10年経とうが、「援用」が行われていない限り、その債務は消滅していないのです。
相手方の弁護士は時効の援用を防ぐために、時効の「更新」を企んでいます(時効の更新事由がある場合は、その時点から再度カウントされることになります)。
もし、「消滅時効が成立するだけの期間が経過しており、後は援用さえすれば借金が時効で消える」という状態だったとしても、以下のような行動をすると時効の期間が更新されてしまいます。
- 借金の一部でも返済する
- 債務の存在を認める
- 返済の約束をする
- 返済条件などについて話を進める
相手方の弁護士は「1,000円でいいから払ってください」「すぐに返済の約束をしてくれれば、返済額を減らします」などと誘導して、時効の更新を狙ってきます。
債務者は時効を更新される前に、消滅時効に必要な期間が経過しているかどうかを確認し、必要な援用手続きを経なければなりません。
対策を決めていないのにうっかり電話に出てしまったような場合は、「よくわからないので後で確認します」程度の返事でお茶を濁し、電話を切った後で自分が見つけた弁護士に相談するなどがベターでしょう。
[参考記事]
借金の時効が成立する条件と、時効の援用ができないケース
(2) 弁護士に相談や依頼をする
借りたお金が少額でも、期間の経過とともに利息や遅延損害金で返済額が膨れ上がっていることがあります。
もし現実的に返済出来ない額になっている場合は、借金問題の解決実績豊富な弁護士に相談して、債務整理を検討するべきです。
弁護士に債務整理を依頼した場合、相手方とのやりとりは弁護士が行なってくれるので、本人の元へは、しつこい返済の催促なども来なくなります。
[参考記事]
債務整理とは?わかりやすく解説!|方法・種類・メリット
また、弁護士なら、借金が消滅時効にかかっているかどうかを調べてくれますし、時効が成立していた場合には、時効援用の手続も代行してくれます。
[参考記事]
時効の援用のおすすめ依頼先|弁護士・司法書士・法テラス・自分で?
なお、届いた書類をなくしてしまうと、今後の対策を立てづらくなります。
そうすると、いざ弁護士に相談するときにも支障をきたす可能性があるので、届いた書類は大切に保管しておいてください。
4.知らない法律事務所から連絡が来たら弁護士に相談を
見ず知らずの法律事務所から連絡が来た場合、それが本物の法律事務所からの連絡であれば、無視を続けてはいけません。
消滅時効の援用や、支払いに応じることも考えつつ、債務整理に対応可能な弁護士に相談して最善策を教えて貰ってください。
こちらも弁護士を立てるだけで、多くのトラブルを回避し、ストレスなく解決できる可能性が高まります。
借金問題でお困りの方、借金を滞納していて何かしらの書類が届いて慌ててしまっているという方は、まずは泉総合法律事務所の無料相談をご利用いただければと思います。
5.債権回収を委託されている法律事務所一覧
(1) 鈴木康之法律事務所
[参考記事]
鈴木康之法律事務所から警告書が届いたら?
(2) 弁護士法人マーシャルアーツ
[参考記事]
弁護士法人マーシャルアーツから債権回収の連絡がきた!?
(3) 高橋裕次郎法律事務所
[参考記事]
借金滞納を続けて高橋裕次郎法律事務所から督促されたら
(4) 弁護士法人引田法律事務所
[参考記事]
弁護士法人引田法律事務所から督促・請求された場合
(5) 子浩法律事務所
[参考記事]
子浩法律事務所から重要通知の書面が届いたら
(6) 星川法律事務所
[参考記事]
au未払いなどで星川法律事務所から手紙が届いたら?
(7) 原田国際法律事務所
[参考記事]
原田国際法律事務所の通告書が届いた|無視するとどうなる