オリコカードで返せなくなった借金の正しい解決方法を解説
ショッピングクレジットやオートリースで業界トップシェアを誇る会社「オリエントコーポレーション(オリコ)」が発行する「オリコカード」は、その名前からも信頼できるクレジットカードで、利用者は非常に多いといえます。
しかし、クレジットカードも借金と同様のシステムで利用するものですので、計画的な利用をしなければ支払いに困ってしまうケースがあります。
ここでは、オリコカードで借金をしてしまい、返済が難しくなったときの正しい対処法について説明します。
1.オリコカードの特徴
オリコカードは、信販大手の「オリコ」が発行するクレジットカードです。
主力ブランドである「オリコカード・ザ・ポイント」は、ポイント還元率の高いカードとして人気です(オリコモール経由のショッピングでは2~16.5%、Amazonでの買い物で常に2%のポイント還元)。
また、オリコカードの中にはキャッシング機能が付いているものがあり、カードを使ってお金を借りることができます。
オリコカードのキャッシングは1万円単位で利用ができるようになっており、利用可能枠の範囲内であればATMを利用して何度でも借入ができます。
ゆうちょ銀行のほか、すべての都市銀行のATM、コンビニATMで借入が可能となっており、急にお金が必要になったときには頼りになるカードです。
オリコカードによるキャッシングの貸付利率は15.0~18.0%、返済方法は翌月一括払いまたはリボ払いになります。
さらに、オリコでは、カードローン「CREST」も提供しています。
CRESTの金利(実質年率)は、4.5~18.0%となっており、最高500万円までの借入が可能となっています。
CRESTは年会費無料で、満20歳以上で安定した収入(200万円前後が目安)があれば申し込みができます(※オリコのカードローンには総量規制の適用があるため、専業主婦は申し込みができないでしょう)。
2.オリコカードの借金が払えないとどうなる?
オリコカードをはじめとしたクレジットカードの支払いに行き詰まり滞納した場合、様々なリスクが発生します。
まず、支払期限を過ぎると、その翌日からカード会社(オリコ)から遅延損害金・延滞金を請求されます。この遅延損害金は年20%で、支払残務の金額および支払いが遅れた期間に応じて増加します。
また、当然ながら支払期限の翌日から電話による督促が行われ、無視をすれば郵便による督促状の送付、内容証明郵便による催告書の送付などが行われるでしょう。
さらに、支払いの遅延は信用情報にも悪影響を与えます。
滞納が2ヶ月ほどの長期となると、オリコはあなたとのクレジットカード契約を強制解約し、「長期の支払い滞納」という事実を信用情報機関に共有します。その結果、他のクレジットカードの申し込みやローンの審査に落ちるようになってしまいます。
このような「信用情報機関に金融事故情報が載った状態」は、俗に「ブラックリスト状態」と呼ばれ、借金の完済後5年ほどは掲載が続くでしょう。
ブラックリスト状態となってもなお滞納が続くと、債権回収会社など借金の回収に長けた業者へと債権が譲渡され、じきに法的措置が取られる可能性が高くなります。
債権回収会社からの最後通告なども無視していれば、最終的には裁判所に訴えられ、「訴訟」「支払督促」などの裁判所手続きを経た上で財産の差し押さえを受ける可能性があります。
給与を差し押さえられると、債務者(お金を借りている人)の給料の一部が、債務者本人ではなく債権者(お金を貸している人)に直接支払われるようになります。
債務者側が何らかの手段を講じない限り、給料の差し押さえは完済まで続きます。
また、銀行口座(預貯金)を差し押さえられると、ある日突然残高が『0円』となり、通帳に記帳すると『サシオサエ』と記入されることになります。
[参考記事]
借金滞納で給与差し押さえ!解除・回避のために必ず知っておくべき事
[参考記事]
銀行口座が差し押さえられた!どうすれば良い?
支払いに困難を抱えている場合は、無視をせずにオリコカードに連絡を取り、支払いプランの見直し(分割払い)や支払い猶予などの相談をすることが重要です。
病気や減給などの事情をしっかり説明でき、かつ交渉時期が早ければ、多くの場合でカード会社は状況を理解して返済計画の再調整に応じてくれるでしょう。
とはいえ、既に一括払いの請求書が届いていたり、債権回収会社に債権譲渡されたりしていると、この交渉は難航する可能性があります。
このような場合は、弁護士に相談の上で借金問題を根本的に解決できる「債務整理」をすることを検討しましょう。
3.オリコカードの借金の解決方法|任意整理
(1) 任意整理で借金の減額や支払期限の延長が可能
オリコカードのキャッシングやオリコのカードローンで借金した後、返済が困難になった場合には「任意整理」をすることで解決できる場合があります。
任意整理とは、債務整理の手段の1つで、債権者であるカード会社と個別の交渉をして借金(将来利息)の減額や支払期限の延長について合意する手続きになります。
任意整理は裁判所を通さずに行う私的な交渉なので、裁判所費用がかからず、かつスピーディーに手続きをとることができます。
任意整理では、債権者に将来の利息を一部カットしてもらい、元本を3〜5年の分割払いで支払う旨の同意を得ます。
元金のカットまではできないのが通常ですが、毎月の支払額について無理のない返済額を改めて設定することができますから、支払いはかなり楽になるでしょう。
なお、任意整理は個別交渉ということで、すべての借金を対象とするわけではなく債権者ごとに整理の手続きをすることになります。
このように、任意整理する会社を選べるというのも、任意整理のメリットです。
たとえば、借金の連帯保証人がいる場合、債務整理をすれば連帯保証人に迷惑がかかることがあります。任意整理なら、連帯保証人の付いている借金は整理しない(オリコカードだけ任意整理する)ということも可能です。
(2) 過払い金があれば任意整理手続き中に返還請求可能
オリコでは、2007年3月頃まで利息制限法の上限を超える金利で貸付を行っていたため、それ以前からオリコと契約して取引を続けている人であれば、払い過ぎた利息(過払い金)が発生している可能性があります。
過払い金がある場合には、任意整理でこれを返還請求することにより、返ってきた過払い金を使って残りの借金を返済する形をとることができます。
その結果、借金が大幅に減額するか、場合によっては借金が完済になることもあります。
過払い金返還請求の時効は10年なので、既に返還請求ができなくなっている方が多いです。しかし、2007年以前から継続的にオリコと取引を行っているならば可能性は0ではありません。
過払い金が発生しているかもしれないという場合には、他の債務整理ではなくまずは任意整理を検討してみましょう。
4.オリコカードの借金の解決方法|個人再生・自己破産
債務整理には、裁判所を通して行う「自己破産」「個人再生」という方法もあります。
(1) 自己破産
自己破産すれば、オリコの借金だけでなく、すべての借金について支払いを免除されます(※税金や国民健康保険料、養育費などは除く)。
ただし、不動産(マイホーム)や査定額の高い自動車、ブランド品などの高価な財産を持っている場合には、これらを換金して返済に充てなければなりません。多額の資産がある場合、その財産を失ってしまうことになると覚えておきましょう。
とはいえ、当面の生活費や生活必需品・日用品などは手元に残すことができますので、過度な心配は不要です。
自己破産するときには、裁判所に申し立てをし、破産手続き開始決定を出してもらった上で免責許可決定を得ます。
「免責」とは借金を0にすることを言い、無事に免責許可が得られれば債務は免除になります。逆に、免責不許可になると債務を免除してもらうことはできませんから、個人再生など他の債務整理方法を検討する必要があります。
たとえば、浪費やギャンブルを理由とした借金の場合には、免責不許可事由に該当するとされ、そのまま手続きを推敲しても免責が得られない可能性があります。
しかし、実際には弁護士のサポートの上で反省文を書いたり、手続きに協力的な姿勢を見せたりすることで、裁判官の裁量で免責となるケースが多いです。
弁護士のアドバイスを受けた上で自己破産の手続きをすれば債務がなくなることがほとんどですので、安心してお任せください。
(2) 個人再生
個人再生とは、裁判所に申し立てをして借金を大幅に減額してもらう手続きです。
個人再生では、裁判所に再生計画案を提出して認可を受けた後、再生計画どおりに原則3年(最長5年)支払うことで、残りの債務を免除してもらうことができます。
個人再生は任意整理と違い元金から大きく借金を圧縮できるため、成功すると負債額は5分の1〜10分1ほどになると考えましょう。
個人再生では、住宅ローンの特則を利用することにより、住宅ローンを除いた借金のみを整理することが可能です。
つまり、マイホームを手放したくないという場合には、自己破産ではなく個人再生を選ぶことにメリットがあります。
一方、個人再生は手続きが複雑で必要書類も多く、費用が多くかかります。
また、個人再生後の支払いは継続するため、安定したかつ継続的な収入がある人でないと裁判所は認可を出してくれません。
5.まとめ
オリコカードでお金を借りたは良いものの、あらゆる事情で支払いに困るようになったなら、早めにオリコへ連絡をするか債務整理を考えましょう。
任意整理をするときには、カード会社との高度な交渉が必要になりますから、交渉ノウハウがある弁護士に依頼することが必要不可欠です。
個人で交渉をしても門前払いをされたり、知らないうちに不利な条件での合意を鵜呑みにしてしまう可能性があります。
また、自己破産や個人再生を考えているときも弁護士に依頼する必要があります。
弁護士には裁判所に提出する書類の作成から提出まですべて任せることができます。さらに、裁判所からの連絡も弁護士を通すことになりますから、自宅に裁判所から書類が届いたり、電話がかかってきたりすることもありません。落ち着いて、かつ失敗なく手続きを進めることができるのです。
さらに、弁護士に債務整理を依頼した段階で、弁護士から債権者宛に受任通知が送られますから、督促がストップすることになります。
貸金業法の規制により、カード会社は弁護士からの受任通知を受け取った後、カード会員に直接取立てすることができません。
弁護士に相談すれば、どの債務整理方法が適切かを考えた上で手続きすることができます。あなた自身が「自己破産しか方法がない!」と思っていても、任意整理や個人再生ができるケースもあり、こうなると財産を失わずに済むこともあります。
弁護士に相談することにより、最善の方法を用いて生活の立て直しを図ることが可能になるのです。
クレジットカードなどの借金問題でお困りの方は、是非一度泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。