借金返済 [公開日]2019年8月29日[更新日]2024年7月9日

オリンポス債権回収から覚えがない連絡が来た!どう対処すべき?

「ある日郵便ポストを見てみると、オリンポス債権回収株式会社という知らない会社から「債権回収」に関する手紙が届いていた。しかし、お金を借りた覚えがない会社だったため、詐欺かと思い放置してしまった。」
このように「債権回収会社」からの手紙を無視した結果、事態が悪化し差し押さえまで発展してしまうケースは少なくありません。

「オリンポス債権回収株式会社」は有名な債権回収会社(サービサー)であるため、連絡があったら無視・放置は厳禁です。時効の援用、分割交渉、債務整理など、差し押さえを回避するために正しい対応を取ることが大切です。

今回は、オリンポス債権回収株式会社から身に覚えのない手紙(赤い封筒など)が来た方に向けて、借金問題を根本から解決する正しい対応策をわかりやすくご説明します。

1.オリンポス債権回収株式会社とは?

まずは、オリンポス債権回収株式会社の基本情報について知っておきましょう。

オリンポス債権回収株式会社とは、法務省から許可を得て債権回収を行う北海道の民間企業です。
多くの企業から債権譲渡や債権回収の委託を受けるなどの事業を行う大手の債権回収会社であり、オリンポス債権回収から連絡が来るということは、長年に渡り債務(借金)を返済しなかった結果、元の債権者(貸金業者など)がオリンポス債権回収に借金を請求・回収する権利(債権)を譲渡・委託していると考えられます。

債権回収会社(サービサー)として債権回収事業を行うためには、違法な取り立て行為などを防止するためにも、債権管理回収業に関する特別措置法に則り、資本金5億円以上かつ取締役に弁護士が入る必要がある、などの規制が設けられています。
オリンポス債権回収は当然ながらこれらの規則を守っているため、怪しい会社や詐欺ではありません。

キャッシングやカードローンなど、自分が借りた貸金業者の名前で連絡があれば、連絡を受けた本人も借金の督促だと気付きます。
しかし、「オリンポス債権回収株式会社」という名前は聞き覚えがないため、書類が届いた段階で困惑される方が多くいらっしゃいます。

[参考記事]

債権回収会社(サービサー)からの督促は無視厳禁!突然の通知の対処法

オリンポス債権回収の主な取引先としては以下が挙げられます(2024年7月現在)。

  • 日本保証(旧武富士の事業を引き継いだ会社)
  • 武富士トラスト合同会社
  • 株式会社キュ・エル
  • 株式会社北人
  • MKアルファ
  • MKイプシロン
  • MKベータ
  • CFJ合同会社(旧株式会社アイク)
  • ユニマットレディス
  • ディックファイナンス
  • 千代田トラスト
  • 有限会社ラックスキャピタル
  • 株式会社クリバース
  • エムズホールディング
  • ドリームユース
  • 株式会社アプラス(アプラスパーソナルローン)
  • 株式会社ジャックス(旧学研クレジット)
  • 合同会社OCC
  • NISグループ(ニッシン)
  • メザニンファンド3号投資事業有限責任組合
  • 首都圏企業再生ファンド2号投資事業有限責任組合

※キャッシングサービスで有名だった武富士は現在倒産していますが、日本保証という会社が事業を引き継いでおり、当時の債権回収をオリンポス債権回収株式会社に委託しています。

過去に上記のような消費者金融・組合などで借金したことがあるという方は、元の債権者の名前には覚えがあるのではないでしょうか。

2.オリンポス債権回収からの督促・取り立て

次に、オリンポス債権回収株式会社の督促方法・書類の意味を解説します。

(1) よくある連絡手段|電話・手紙・自宅訪問

オリンポス債権会社は、電話や手紙で督促の連絡してくるのが一般的です。

多くは、はじめに元の債権者から債権譲渡通知書が送付されます。これは「オリンポス債権回収などの債権回収会社に債権を譲渡しました」という通知です。
その後、オリンポス債権回収から債権譲受通知書(受任通知)や請求書が届き、支払いの催告を受けることになります。

書類が届いた後も放置を続けると、オリンポスの担当者から電話にて連絡が来ることもあるでしょう。

[参考記事]

「債権譲渡通知書」が届いたらどのように対処すれば良い?

また、債権回収会社は場合によっては自宅を訪問するケースもあるようです(2019年8月現在)。
自宅に尋ねて留守だった場合には「再度訪問する」ことが記載された訪問予告通知書などが投函されているかもしれません。

これらの連絡をすべて無視していると、支払いを催促する書類とは別にさまざまな題名の書類が送られてきます。

(2) 送付される書類の内容

次に、オリンポス債権回収から送られてくる可能性のある書類について、その名称や内容をご説明します。

債権譲受通知書(受任通知)

オリンポス債権回収が、あなたに対する債権を譲り受けたとする通知書です。

督促状・催告書

債権譲渡が行われたことが通知されると、次は催告書が届きます。
督促状」「催告書」などという題名であったり、「ご返済のお願いについて」など別の言葉で表されたりすることもあります。

これらの目的はすべて同じで、債務者からの自主的な返済を促すことにあります。定められた期日までに支払いを行うよう記述されているでしょう。

なお、債権回収会社は原則として残務の一括払いを請求してきます。

和解提案書(減額和解提案書)

払えないからと思い督促状や催告書を無視していると、和解提案書が送られてくることがあります。
「特別救済のお知らせ」「減額措置のお知らせ」など、債務者にとって魅力的な表現の題名が記載されていることもあります。

内容としては、「返済額を減らすことができる」「利息を免除して分割払いにできる」など、支払うべき債務を減額できることが書かれています。

なぜこのような債務者に有利な条件を提示してくるのかというと、後述する「時効」をリセットすることが目的です。
もし、時効を迎えている借金についてこれを受け入れて和解・支払いをしてしまうと、時効がカウントし直しになり、時効が援用できなくなってしまうので要注意です。

法的措置予告通知

催告書、和解提案書などの無視を続けていると、法的措置予告通知が送られてきます。
題名としては、「最終通告書」や「訴訟手続き開始予告書」など厳しい文言が綴られているのが一般的です。

この書類は、このままでは訴訟に踏み切り強制執行を行います、という、強制的に債権回収を行うことを予告するものです。

わかりやすく赤い封筒であることが多く、放っておくとそのまま裁判が起こされます。

訴状・支払督促

法的措置予告通知の後は、裁判所から訴状や支払督促が届くでしょう。
これは、債権者がいよいよ裁判を持って債権の回収に乗り出したということです。無視していると強制執行となる可能性が高いです。

強制執行では、主に給与の差し押さえが行われることが多いです。給与の差し押さえが行われると勤務先に借金がバレてしまいますし、毎月の給料が差し押さえられることで生活にも多大な影響が出てしまいます。

こちらの裁判に関する郵便は、「特別送達」で本人受け取りの書留となるため、受け取ったらすぐに弁護士に連絡してください。
既に和解が難しいほど先延ばしにされた借金であっても、弁護士に依頼して債務整理(自己破産など)の申立をすることで、給与差し押さえを回避できます。

[参考記事]

借金滞納で給与差し押さえ!解除・回避のために必ず知っておくべき事

3.債権回収会社からの督促への対応策

正規のオリンポス債権回収から連絡があった場合、無視は避けるべきですが、すぐに支払ってしまうのもNGです。
和解提案書などの連絡が来たら、以下の順番で内容を確認していきましょう。

(1) 時効が成立するかどうか確認する

借金にも「消滅時効」があるということをご存知の方は多いです。
よって、中には「かなり昔の借金だから、消滅時効にかかっているはず」と思い、支払いをせずに放置しておけば良いと考える方もいらっしゃいます。

しかし、これは間違いです。実は、借金を時効により消滅させるためには、相手方に時効の援用を通知(時効を主張する)する必要があります。
何もせずとも消滅時効にかかり、借金がなくなるわけではありません。

仮に時効援用をしようと考えている間に裁判所から支払督促や訴状が届いたら、時効のカウントはストップしてしまいます。

借金は、最後の返済から一定期間が通知すると時効を援用することができます。
具体的には、最後に返済した日から5年経過している場合は、消滅時効を援用できる可能性があります。

借金をした過去があり完済していない場合は、書類に応答する前に消滅時効にかかっていないかどうかを確認してください。援用ができれば返済の必要がなくなります。

時効が完成している可能性があるか確認したい場合は、弁護士に相談するのが確実です。催告書や減額和解提案書などが届いたら、専門家である弁護士に相談しましょう。

[参考記事]

借金の時効が成立する条件と、時効の援用ができないケース

安易にオリンポス債権回収株式会社に借金を支払ってしまったり、借金の存在を認めて和解案について話し合ったりすると、その時点で時効のカウントが振り出しに戻り数え直しになってしまいます。

(2) オリンポス債権回収と分割払い等の和解交渉

借金が時効にかかっていない場合は、当然ながら債務の支払い義務が生じています。
しかし、これまで長期で滞納していた借金を今更一括で払えるケースはほとんどないでしょう。オリンポス債権回収もこのことは理解しています。

そこで、まずはオリンポス債権回収に連絡をして「分割払いにできないか」「利息の減額はできないか」などを相談してみましょう。
特に「減額和解提案書」などが届いているならば、現実的な返済プランである限り減額や分割払いを受け入れてくれる可能性はあります。

とはいえ、これまでいくら督促をしても借金を返済しなかったというのも事実ですので、交渉が難航する場合もあります。
和解が厳しい場合や、そもそも支払能力がないようなら債務整理を検討するべきでしょう。

(3) 債務整理で借金を減額・免除

無理のない分割返済プランでの和解ができなければ、弁護士に相談・依頼をして債務整理をするべきです。

債務整理は合法的に借金を整理できる国が認めた制度で、認められれば借金を減額、あるいは全額免除をしてもらうことができます。

債務整理は主に3つの制度があり、状況に応じて任意整理、個人再生、自己破産のうちのいずれかから選択します。
あなたにぴったりの方法については、弁護士にアドバイスを受けて選択するようにしましょう。

(4) オリンポス債権回収株式会社のなりすましに注意

最近では、債権回収会社を名乗る業者から架空請求される詐欺事件も報告されています。

「期限までに支払わないと強制執行になる」「勤務先に知らせる」「今すぐ支払わないと裁判になる」など、電話やショートメールサービスなどを利用して脅し、いきなり身に覚えのない債権の請求をしてきます。
慌てて支払ってしまうと、後から「手数料が未払いだ」「利息が足りない」などと言われて更なる請求を受け、何度も騙されてしまう事例もあるようです。

このような詐欺事例は、実際に存在する「オリンポス債権回収株式会社」を名乗る形で請求を行うことも多いため、注意が必要です。

「本日中にお支払いください」「本日中にご連絡ください」など、あまりにも急な対応を求めるものは怪しいと考えるべきでしょう。

借金に心当たりがある場合でも一度冷静になり、本物の請求なのかどうか?をよく確認することが大切です。

郵便物に記載されている電話番号や住所が正規のものであるか、インターネットの公式サイトなどと照らし合わせながら確認してみてください。
心配ならば、オリンポス債権回収に「手紙を送りましたか?」と直接確認してみるのも一案です。

4.債権回収の連絡がきたら弁護士に相談を

借金した相手方からの債権回収の連絡ではないため、本物かどうかわからずどう対応すべきか迷う方も多いことでしょう。

オリンポス債権回収から連絡が来て、不安があるなら弁護士にご相談ください。
対応すべき事業者かどうか、消滅時効を援用すべき事例か、その他の対応をすべきかなど、適切な対応策をご提案させていただきます。

債権回収の連絡がきたら、慌てずに冷静に対応することが大切です。法的措置が行われる前に、泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
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