債務整理 [公開日]2018年4月24日[更新日]2021年12月10日

債務整理をする金額の目安|いくらの借金で自己破産すべき?

「最近、借金の返済がキツくなってきた」「借金はいくらから『やばい』のだろう?自分はそろそろ債務整理をした方が良い?」
そのようなことを考えたことがある方は、是非このコラムをお読みください。

借金問題は誰かに相談をしづらいものです。
一人で抱え込むうちに債務額が膨れ上がり、途方に暮れている方もいらっしゃるでしょう。

ここでは、債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)をすべきタイミング、債務整理を考えるべき借金額の目安について詳しく解説します。

このコラムをご覧になり、債務整理が必要だと思ったら、どうぞお早めに弁護士までご相談ください。

1.借金額いくらから債務整理を考えるべき?

債務整理」は借金問題を合法的に解決する方法で、成功すれば借金を減額または免除してもらうことができます。

「今以上に借金が膨らんでしまい、首が回らなくなる前に債務整理をするべき」なのは当然ですが、より具体的なタイミングが知りたいという方もいらっしゃるでしょう。

まずは、具体的にイメージしやすい「借金額」を目安に考えてみましょう。
一体、借金がいくらで債務整理をすると良いのでしょうか。

結論を言うと、毎月の返済額が月収の1/3を超えている場合は、債務整理をした方が良いと言われています。

その根拠は、貸金業法の総量規制にあります。

貸金業法に定められた総量規制により、個人が借金できるのは年収の1/3までとされています。
例えば、年収300万円の人なら、借金可能な額は100万円までなのです。

また、総量規制は借金全体の上限なので、上のケースで例えばA社からすでに50万円借りている場合、新たにB社から借金する場合の上限は50万円までです。

一般的には、この上限を超えた借金は、経済的に破綻する可能性があると考えられています。

同様に、月収の1/3以上が借金の返済になった場合も、破綻のリスクが高く、債務整理に踏み切る目安と考えられるでしょう。

2.借金額以外のタイミング

では、借金の金額以外に、債務整理をするべきタイミングはあるのでしょうか。

(1) 収入がなくなった時

借金返済には、継続的な安定した収入が不可欠です。

もし、会社をクビになったり、病気などが原因で無収入になったりしたら、当然ながら返済は不可能です。
再就職を目指すにしても、その間も借金返済は待ったなしでしょう。

当分の生活費や支払いに充てられる蓄えがある場合は別ですが、そうでないときは債務整理を検討しましょう。

(2) 借金の返済が苦しいと思った時

借金の返済が苦しいという実感は、債務整理を行うべきタイミングのサインです。
借金額もさることながら、借金返済が自転車操業(返すために借りる)の状態であれば尚更です。

借金返済のために借金をすると多重債務状態になり、いつまで経っても借金返済が終わることはありません。
状況はどんどん悪化していくので、早めに債務整理に踏み切ることをおすすめします。

【多重債務となると債務整理の選択肢も狭まる】
債務整理をするにしても、借金額が少なく、着手の時期が早いほど多くの手段を選択できます。反対に借金額が多く、対応が後手になるほど取り得る選択肢は減ってしまうでしょう。

例えば、借金が少額なのであれば、任意整理により裁判所を通さず・誰にも知られることなく問題解決することも可能ですが、多額の借金を全く返済できない状態になったら自己破産する他ありません。

(3) 債務整理について考えた時

借金は、普通に返せるうちは誰も「債務整理をしよう」とは思いません。少しくらい返済が大変でも何とか工面する人が大半でしょう。

よって、多くの人は、債務整理について考える時は既に返済の手は尽くし、八方塞がりの状況にあります。

そのタイミングを逃して、ずるずると返済を延ばしても何も良いことはありません。

借金問題は早く対処するのが何より肝心なので、債務整理の考えがよぎったときには専門家に相談しましょう。

3.債務整理の方法ごとの目安

債務整理は、主に任意整理、個人再生、自己破産の3つの方法があります。

最後に、債務整理方法ごとに手続きに踏み切るべきタイミングを解説します。

なお、「借金額がいくらならこの手続きをしなければならない」ということはありません。あなたにとってぴったりの債務整理方法は、借金額だけでなく、収入や手持ちの資産の金額、借入先などによっても異なります。
どの手続きがベストかの選択で迷うならば、一度弁護士にご相談ください。

(1) 任意整理

任意整理では、原則的に減額は将来利息のカットのみなので、返済が厳しくなってきた初期のタイミングで検討するべきです。
減額幅が利息のみと少なく、借金額が多い人には適していません。

とはいえ、10万円以下など極度に低額な借金の場合は、弁護士費用の方が高くつくかもしれませんので、借金額が数十万円〜500万円以下の場合に任意整理を一考してみると良いでしょう。

なお、和解後は減額後の借金を3年〜5年で返済することになる場合が多いので、継続的な収入があることが必要となります。
借金額が大きいほど毎月の返済額も多くなるため、ある程度高い収入が必要になります。

(2) 個人再生

個人再生は借金を大幅に減額する制度で、比較的多くの借金を抱えている人に適した制度です。

個人再生を検討するタイミングは、借金が100万円以上〜5000万円以下で、自力返済が不可能となった場合と言えます。
個人再生では借金が100万円以下だと減額されませんし、5000万円以上だとそもそも手続きの開始が認められません。

また、減額された借金を原則3年間、最長5年間で分割して返済していくことになりますので、任意整理と同様に継続的で安定した収入が必要となります。

なお、個人再生は住宅ローン支払い中のマイホームを手放さずに済む可能性がある制度です。
「借金があって返済に苦しんでいるが、自宅は維持したい」という人は個人再生がベストでしょう。

[参考記事]

個人再生をするタイミング|いつ・どんな時にすればいい?

(3) 自己破産

自己破産は、借金を全額免除する制度です。
考えるべきタイミングとしては、毎月の返済額が「月収-家賃」の3分の1以上あったり、全体の債務額が月収の20倍以上あったりして、完済が著しく難しくなった場合です。

また、自己破産は手続き後に借金を返済しなくて良い唯一の債務整理方法なので、現状収入がない方(無職の方)は自己破産一択となるでしょう。

自己破産が認められると、その後は借金返済の義務はありません。
しかし、代わりに、ある一定以上の価値がある財産(たとえば、自宅や車などの高価な財産)があれば処分され、換価して債権者に配当されます。

[参考記事]

自己破産の申立のタイミング

4.まとめ

今回は、債務整理を考え始めるべき基準として、借金の額を中心に検討しました。

様々なタイミングの考え方がありますが、やはり一番良いのは「返済が苦しいと感じた時」「債務整理のことが頭をよぎった時」です。

債務整理をしたいけど躊躇している、債務整理をしたら良いか分からないという方は、お早めに泉総合法律事務所の無料相談をご利用ください。借金生活から抜け出す第一歩になるはずです。

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