イオン銀行カードローンが返せない時に必ず知っておくべき対処法とは
イオン銀行カードローンでお金を借りている方必見です!
イオングループは、非常に有名な大手流通・金融グループです。
全国にスーパーマーケットやショッピングモールを展開しており、銀行業やクレジットカード(イオンカード)の発行・運営業も行っています。
そのイオンフィナンシャルグループの一員である「イオン銀行」では、カードローンを利用することができます。
イオン銀行は、サラ金(消費者金融)などとは異なる「銀行」で、名前も広く知られているので、カードローンの申し込み時にも安心感が強いでしょう。
しかし、イオン銀行カードローンを利用している場合でも、自身の返済能力を上回る借入をすれば当然ながら返済が難しくなってしまいます。
万が一返済額が膨れ上がり、イオン銀行カードローンの支払いができなくなったらどうすればよいのでしょうか?
今回は、イオン銀行カードローンを借り過ぎることの危険性、仮に返済ができなくなった場合の対処方法について、弁護士が解説します。
1.イオン銀行カードローンとイオンカードの違い
イオングループからお金を借りるとき、「イオン銀行カードローン」を利用する方法以外にも、イオンが発行する「クレジットカードでキャッシング」する方法があります。
この両者は混同されることがあるので、まずは違いを押さえておきましょう。
(1) イオン銀行カードローンについて
イオン銀行カードローンは、イオン銀行が運営しているカードローンのサービスです。
貸主は「イオン銀行」であり、クレジットカードの発行は不要です。
また、クレジットカードではないので、カードローン専用カードを使ってのショッピングはできません。年会費はかかりませんが、家族カードの発行もできません。
(2) イオンカードのキャッシングについて
イオンカードのキャッシングとは、クレジットカードである「イオンカード」を使った借金です。
お金の貸主は、イオン銀行ではなく「イオンクレジットサービス」というクレジットカード会社です。
イオンカードはクレジットカードなので、ショッピング機能がついており、光熱費や携帯電話などの支払いに利用することもできます。
寧ろショッピングがメインで、キャッシング機能は付帯機能と言えるでしょう。よって、利用限度額もカードローンほど多くはならないのが一般的です。
※「イオン銀行と「イオンクレジットサービス」はどちらもイオンフィナンシャルグループの一員ですが、会社としては別組織になっており、提供しているサービスも異なります。
(3) カードローンとクレカ両方の利用も可能
イオンカード(クレジットカード)には、「イオンカードセレクト」と言って、イオン銀行キャッシュカードと一体型のものがあります。
このカードを利用している場合、クレジットカードとしてショッピングができるのはもちろん、キャッシングを利用することもできますし、ATMやウェブ上サービスを使ってイオン銀行カードローンも利用できます。
イオンカードセレクトは大変便利なカードですが、このようにしてキャッシングとカードローンを同時に利用すると、債務者は「どこから」「どれだけ借金しているのか」が分からなくなりがちです。
イオン銀行からの借入分とイオンクレジットサービスからの借入分は分けて計算する必要があるので、計画的な返済を行うならば注意して明細書などを確かめる必要があるでしょう。
本記事で取り上げるのは、上記のうち「イオン銀行カードローン」の方です。
しかし、イオンカード(クレジットカード)のキャッシングの残高が増えすぎて返せない場合にも、同じ対応方法で解決できます。
[参考記事]
イオンカードの支払いができない|クレジットカードの滞納は弁護士へ
2.イオン銀行カードローンのメリット・デメリット
イオン銀行カードローンのメリットは、「金利が低い」ことと「利便性」です。
まず、借入金額が90万円以下の場合、イオン銀行カードローンの年利は11.8%~13.8%です。この数字は、他の銀行カードローンやクレジットカードと比べると非常に低いです。
他の銀行カードローンでも、借入金額が小さい場合の最大金利は14~15%程度になることが多く、クレジットカードの場合には18%以上になることも多いです。
また、イオン口座の開設が不要で、Web上から簡単に申込みができる点が「利便性が高い」と言えるでしょう。Web上だけで手続が完結すると言うことは、家族に内緒で利用することも簡単です。
しかし、いくら利率が低いとは言っても、借りすぎると返済が苦しくなります。
特に、先述の通りイオン銀行カードローンとイオンカードのキャッシングを両方使い、家計を圧迫してしまう例も多く見られます。
3.イオン銀行カードローンの返済を滞納するとどうなる?
では、イオン銀行カードローンを利用して、その後あらゆる事情で返済ができなくなってしまったらどうなるのでしょうか?
まず、予定していた支払日までに入金ができない場合、督促の電話がかかってくることが多いです。
電話も無視していると、督促の郵便(督促状)が届きます。このような督促により家族に借金がバレてしまうケースもあるでしょう。
電話や郵便物を長期(2ヶ月ほど)で無視していると、そのうちイオン銀行から「一括請求書」が届きます。
一括請求書とは、その名の通り「現時点での借金の残高(元金+利息+遅延損害金)を一括払いするように」ということが書かれている請求書のことです。通常は普通郵便ではなく内容証明郵便で届きます。
また、通常はこの一括請求と同時期にカードローンが強制解約となり、個人信用情報に「事故情報」が登録されて、いわゆる「ブラックリスト状態」になります。こうなると、他のカードローンやキャッシング、クレジットカード、住宅ローン、車のローンなどがすべて利用できなくなってしまいます。
[参考記事]
ブラックリストとは|何年で消える?掲載のデメリットと確認方法
一括請求も無視していると、保証会社からの「代位弁済通知書」が届くのが通常です。
代位弁済とは、保証会社(保証人)が債権者に対し、債務者の代わりに借金を返済してしまうことです。
イオン銀行カードローンの場合、「オリックスクレジット」もしくは「イオンクレジットサービス」が保証会社として入っているので、このどちらかが代位弁済をするでしょう。
代位弁済が起こると、代位弁済した保証会社が新たな債権者となり、債務者に対して借金返済を請求してきます。
このとき請求される金額は、代位弁済した金額(借金残高の全額+利息+遅延損害金の合計)に、さらに代位弁済後に遅延した日数分の遅延損害金を足したものとなります。
つまり、代位弁済後も日数が経過すればするほど、保証会社に対する債務が雪だるま式に膨らんでいきます。
[参考記事]
代位弁済をされたら弁護士に相談を!|住宅ローン・カードローン
最終的には保証会社から訴訟や支払督促などの法的措置を取られ、預貯金や給料などの差し押さえを受けることになります。
以上のように、イオン銀行カードローンを滞納したまま放置しているとさまざまな不利益が及びます。法的措置や差し押さえをされる前に、返済計画を立て直して分割払いや支払猶予の交渉をするか、弁護士に相談した上で借金問題を根本から解決することを目指すのが大切です。
4.銀行カードローンの借金解決方法|任意整理
(1) 任意整理とは?
イオン銀行カードローンの返済ができなくなったとき、まず検討すべき方法は任意整理です。
任意整理とは、借金返済が苦しくなったときに、債権者と私的な交渉をして借金の利息や支払い計画を見直す方法です。
任意整理をすると、借金の「利息」が一部カットされるケースが多いので、無理のない返済計画にリスケジュールが可能です。イオン銀行カードローンならば、任意整理後の返済期間は原則5年以内(60回払い)となり、月々の支払金額を抑えることができるでしょう。
イオン銀行カードローンを任意整理するときには、保証会社であるオリックスクレジットまたはイオンクレジットサービスと話し合いをすることになります。
返済滞納後早期の段階ならば、債務者が直接イオン銀行と交渉をして分割払いや支払い猶予を認めてもらうこともできるかもしれません。
しかし、現状のままでは完済が難しいと思われるケースや、個人で交渉をしても門前払いをされてしまったケースには、迷わず弁護士へ任意整理をご依頼ください(一般の方が自力で任意整理交渉をしても、債務者にとって極めて不利な内容で和解となってしまうリスクもあります)。
(2) イオン銀行カードローンの任意整理による解決事例
以下で、過去に泉総合法律事務所において、イオン銀行カードローンを整理された方の事例をご紹介します。
Aさん(28歳女性)は主婦の方でしたが、夫の給料も高くなく、子ども小さくて自分は働けない状態でした。しかし、生活するにはお金が必要だったため、普段から利用しているイオン銀行のカードローンを利用しました。
Aさんはカードローンのことを夫にも言っていなかったのですが、足りないときに少しずつ借り増ししている間に徐々に残高が膨らみ、返済が厳しくなってしまいました。
電話や郵便による督促が届き、このままでは夫にバレてしまうと思い、怖くなって当事務所にご相談に来られました。
このとき、Aさんのイオン銀行カードローン残高は45万円でしたが、他のクレジットカードの残債もあって借金が合計で100万円になっており、月々の返済額は約6万円でした。
当事務所の弁護士が介入して任意整理をしたところ、これらの借金については5年払いとして、毎月1万7000円程度ずつ払っていく内容で和解ができました。
Aさんも、その程度であれば夫の給料の中から十分やりくりができるということで安心されました。もちろん、夫にも借金を知られずに済んだようです。
今では、借金問題から解放されて、夫と子どもと3人で平和に暮らしていらっしゃいます。
5.イオン銀行カードローンは個人再生・自己破産も可能
イオン銀行カードローンの残債が嵩みすぎて利息のカットでは解決できない場合や、多重債務状態で他の借金での生活が圧迫されている場合には、任意整理でも解決が難しくなります。
その場合には、個人再生や自己破産により借金を整理することを検討しましょう。
(1) 個人再生とは?
個人再生とは、裁判書に申立てをして、借金返済金額を元金から大きく減額してもらう方法です。
個人再生をしえ裁判所の許可を得られれば、借金額を5分の1~10分の1ほどまで大きく減らしてもらうことができます。減額された借金は、原則的に手続後3年の間に分割返済していくことになります(場合によっては5年に延ばしてもらえることもあります)。
個人再生は、カードローンで数百万円以上の多額の借金をしてしまった場合や、借入先が多数あって任意整理では整理しきれないケースなどで有効な方法です。
また、住宅ローンを組んでいる場合には、家を守りながら住宅ローン以外の借金のみを大幅減額する特則が認められているので、マイホームを手放したくない方にも有効です。
しかし、個人再生をするには手続き後も継続的に借金を支払うことができる収入があることが条件となるため、専業主婦の方は個人再生ができません。収入が安定しない短期パート・アルバイトの方も、個人再生が難しくなるケースがあります(収入の変動幅が少ない自営業者や年金生活者、アルバイトでも収入が長期で安定している方などは利用できる可能性があります)。
また、個人再生は裁判所を利用するので手続が複雑で難しい面があります。必要書類も多岐に渡り、自力での手続き完遂は不可能とも言えるでしょう。
しかし、基本的にほとんどすべての手続を弁護士が代行しますので、ご本人にかかる負担は小さいです。
(2) 自己破産とは?
個人再生をするためには、継続的かつ安定した収入が必要です。これは、手続後も確実に返済をしていかなければならないからです。
よって、先述の通り専業主婦の方や無職の方、収入の少ない方、不安定な方は、個人再生はできないケースが多いです。
そのような場合には、自己破産によってカードローンの借金問題を解決することができます。
自己破産とは、裁判所に申立をして、借金の返済義務を全部免除してもらう債務整理方法です。
自己破産をすると、イオン銀行カードローンやイオンカード、その他の借金がどれだけ膨らんでいても、全額支払いが不要となります。借金以外の家賃や買掛金、住宅ローンなども支払う必要がなくなります(税金などの公租公課は除く)。
ただし、自己破産をすると、生活に必要な最低限を超える財産は処分した上で債権者に配当しなければなりません。「借金を免除する代わりに、手持ちの資産を使って最低限の返済はしてくださいね」ということです。
一般的には、不動産や高価な車、高価なブランド品など、おおよそ20万円を目安としてそれを超える財産が換価されるとお考えください。
反対に言うと、自己破産をしても生活必需品(家具・家財など)や20万円未満の財産、99万円未満の現金などは処分されることはありません。家賃さえ支払っていれば自宅を追い出されることはありませんし、自己破産後の給料なども取られることはないためご安心ください(注:裁判所によって運用が異なる場合あり)。
実際、ほとんどの方が自己破産をしても特に資産を失うことなく手続きを終了しています。どうぞ安心して弁護士にご相談ください。
6.まとめ
イオン銀行カードローンの借金が膨らんでしまっても、債務整理することによって再スタートを切ることができます。
また、カードローン以外にクレジットカード(イオンカードを含む)や消費者金融、銀行などからの借金などがある場合でも、状況に応じた適切な方法(債務整理)により解決が可能です。
ただ、債務整理をするときには、どの方法があなたにとって適切であるかを慎重に考えて選択する必要がありますし、手続を進める際にも専門家によるサポートを受けることが重要です。
泉総合法律事務所では、イオン銀行カードローンを始めとした各種借金問題への対応を得意としておりますので、お困りの際には是非とも一度無料相談をご利用ください。