信用情報機関とは?|信用情報機関の違い(CIC・JICC・KSC)とブラックリスト
借金(カードローンなど)の支払いを延滞したり、債務整理をしたりすると、「信用情報機関」に金融事故情報が登録されてしまいます。
これは、俗に「ブラックリストに載る」と言われています。
この「信用情報機関」と呼ばれる機関はいくつか種類がありますが、どこに登録されても「ブラックリスト」扱いとなり、しばらくの間はあらゆる審査に通らなくなってしまいます。
ここでは、「信用情報機関」や「ブラックリスト」について、基礎から応用まで様々な事柄を解説します。
1.「信用情報機関」とは?
信用情報とは、個人の返済または支払能力に関する情報のことを言います。
個人を特定・識別するための情報(氏名、生年月日、性別、電話番号、住所、勤務先など)、契約に関する情報(どのような契約をしているか、契約終了日はいるか、支払回数・限度額は幾らかなど)、支払に関する情報(請求額・残債額・返済状況など)があります。
そして、信用情報機関とは、「個人の支払能力に関する情報の収集」および「与信事業者に対する当該情報の提供」を業とする者をいいます。
あくまで信用情報を管理・提供する機関で、クレジットカードの発行やローンの審査をする機関ではありません。
勘違いをされがちですが、信用情報機関に「ブラックリスト」というリスト(この顧客に対しては貸出をしてはならない、この顧客には貸出をしても良いといったリスト)はありません。
信用情報機関に存在するのは、個人の返済・支払いに関する情報のみです。加盟会員である各貸金業者(クレジットカード会社や金融機関)が顧客の信用情報を信用情報機関に照会して、その結果、会員が貸し付けを行うかを審査します。
すなわち、クレジットカード会社やローン会社は、新規の申し込みがあった際や途上与信の際の審査で、信用情報機関に申込者の信用情報を提供してもらい、その情報を加味した上で審査に通すか・落とすかを決めます。
信用情報に「借金を滞納している」「過去に債務整理をしたことがある」などの金融事故情報が掲載されていると、「この人にお金を貸すと返ってこないかもしれない」として、審査に落とされてしまう可能性が高いでしょう。
これが俗に言う「ブラックリスト入り」状態です。
2.信用情報機関の種類・違い
個人信用情報機関は日本に一つではなく、代表例として株式会社シー・アイ・シー(略称:CIC)、株式会社日本信用情報機構(略称:JICC)、全国銀行個人信用情報センター(略称:KSC)が挙げられます。
各信用情報機関については、以下に掲げる特色があります。
(1) CIC
クレジット会社または信販会社を主な会員としています。
その他に、自動車・機械等のローン・リース会社、携帯電話事業者、小売店、一部の消費者金融会社・銀行・労働金庫・農林中央金庫などの金融機関などが加盟しています。
CICにおいては、登録から5年経過した時点で情報が削除されるようです(任意整理は登録されないとも言われていますが、どちらにせよ借金を滞納していると遅延情報は登録されます)。
(2) JICC
消費者金融系の会社または信販会社を主な会員としています。
他には、流通系・銀行系・メーカー系カード会社、金融機関、保証会社、リース会社などが加盟しています。
JICCにおいては、いずれの債務整理手続きにおいても、手続の開始もしくは免責決定の日から5年を経過した時点で情報が削除されると言われています。
(3) KSC
JBA(一般社団法人全国銀行協会・全銀協)によって管理・運営されており、その名前のとおり、銀行、信用金庫、JAなど銀行関係企業を会員としています。
なお、加盟会員には、一般会員(全銀協に正会員として加盟している銀行)と特別会員(一般会員以外の銀行)の2種類があります。
KSCの場合には、いずれの債務整理手続きにおいても5~10年を経過しないと情報が削除されません。
どの信用情報機関においても、自分の信用情報について確認したいと思ったときは、信用情報機関から取り寄せることができます。
また、開示請求により自己の情報が事実と異なっていることが発覚した場合は、訂正・削除の申立をすることが可能です。
[参考記事]
信用情報の開示方法と見方
例えば、「CICに加盟しているクレジットカードによる借金だけ債務整理したから、JICCには金融事故情報は載っていないはず。JICCに加盟している消費者金融からお金を借りよう」と考える方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際にはいずれの機関も相互に事故情報を共有しています。つまり、いずれかの信用情報機関に登録をされたら、他の2つの機関にも事故情報が共有・登録されてしまうのです。
よって、「別の信用情報機関の会員企業ならば大丈夫」と考えてはいけません。
3.信用情報に掲載される影響
信用情報に「借金を長期にわたり滞納している」「支払遅延により保証会社が代位弁済した」「債務整理を行なった」などの記録があると、それだけで借主としての信用性は減退してしまいます。
クレジット会社やローン会社なども、そのような情報がある個人の場合には、審査の結果借入を拒否する(審査に落とす)場合があります。
つまり、信用情報に傷がついていると、クレジットカードの新規申込みや更新ができない(結果、クレジットカードを使えなくなる)、消費者金融から借入をすることができない、車のローンや住宅ローンはもちろん携帯電話の分割払いの契約を結ぶこともできないのです。
また、他人の債務の保証人となることも困難となります。これは、子供の奨学金の契約などで不便かもしれません。
[参考記事]
ブラックリストとは|何年で消える?掲載のデメリットと確認方法
一方で、信用情報の内容が住民票や戸籍に掲載されたり、結婚や選挙権などに影響が出たりすることはないので、その点はご安心ください。
また、信用情報は個人単位のものですので、家族への直接的な影響もありません。
なお、事故情報は時間経過により削除されますので、永続的なものではありません。
削除のタイミングは信用情報機関の種類によりますが、多くの場合で借金の完済、あるいは債務整理の手続き完了から5~10年程度でしょう。
4.借金滞納でお困りの方は泉総合法律事務所へ
信用情報機関には、CIC・JICC・KSCの3つの種類があり、それぞれ開示請求の仕方や見方、掲載期間が違いますが、いずれも永遠に事故情報が掲載されるというわけではありません。
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自己破産をするといつまでブラックリスト(信用情報)に載る?
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個人再生によるブラックリストの掲載期間
債務整理を行うだけでなく、借金を数ヶ月滞納していると、それだけでも信用情報機関に情報が登録されてしまいます。「ブラックリスト」を恐れて借金を放置するのは得策ではないでしょう。
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