借金返済 [公開日]2018年3月19日[更新日]2018年8月29日

NICOSカードで借金をして返せない時に知っておくべき解決法とは?

NICOSカードで借金をして返せない場合の対応策

NICOSカードを利用している方必見です!

NICOSカードというと、発行会社が三菱UFJホールディングスの一員であり、メガバンクの子会社ということで、安心感をお持ちの方も多いでしょう。

しかし、NICOSカードも結局はクレジットカードであり、使いすぎると支払いが苦しくなってしまいます。

NICOSカードにはどのような特徴があり、借入がかさんだときにはどのようにして解決すれば良いのでしょうか?

今回は、NICOSカードで返済が難しくなったときの対処方法を、借金問題解決の専門家としての見地から解説します。

1.NICOSカードの特徴

まずは、NICOSカードの特徴をご紹介します。

(1) NICOSカードの位置づけ

NICOSカードは、「三菱UFJニコス株式会社」が発行しているクレジットカードです。

三菱UFJニコスは、メガバンクである「三菱東京UFJ銀行」と同じ、「三菱UFJホールディングス」に入っており、銀行の子会社にあたります。

知名度が高いので、数あるクレジットカードの中でも信用が高く、多くの人が抵抗感なく利用しています。

三菱UFJニコスは、NICOSカードだけではなく、以下の3種類のカードを発行しています。

  • NICOSカード
  • MUFGカード
  • DCカード

このように、同じ会社から異なるカードが発行されているのは、銀行やカード会社が合併と統合を繰り返してきたことにより、それぞれのカードが合併前の会社の特徴やブランドを受け継いでいるためです。

参考までに、それぞれのカードの前身の銀行や企業を示します。

  • DCカード:東京三菱銀行
  • NICOSカード:日本信販
  • MUFGカード:UFJ銀行

合併の経緯を、NICOSカードを中心にごく簡単に示すと、以下の通りです。

  • 東京三菱銀行と合併する前の「UFJ銀行」がNICOSカードを発行していた「日本信販」を子会社にする
  • UFJ銀行が東京三菱銀行と合併して、今の三菱東京UFJグループができあがる

もともとは、合併によって三菱東京UFJグループができたとき、発行しているクレジットカードも「MUFGカード」に一本化する予定でした。

ただ、DCカードやNICOSカードは、それぞれが利用者も多く知名度も高かったため、ブランド名をそのまま残す方が有益であるという判断があって、残されました。

結局、それまでUFJ銀行が発行していた「UFJカード」のみを発行停止にして、MUFGカードに名称を変更しています。

(2) NICOSカードの歴史と種類

NICOSカードの歴史は、旧「日本信販」が1966年に発行した、「信販カード」まで遡ります。NICOSカードに名称が変わったのは1991年のことですから、それ以前からNICOSカードを使っている方は「日本信販カード」という名称に親和性があるかもしれません。

NICOSカードには、非常にたくさんの種類があるので、今使っているカードの中でも「どのカードがNICOSカードなのかが分からない」という方がおられるかもしれません。

以下では、NICOSカードの種類とそれぞれの特徴をご紹介します。

まず、NICOSカードには、三菱UFJニコスが直接発行しているものと、他の会社や機関と提携しているものがあります。

三菱UFJニコスが直接発行しているカードは、以下の2種類です。

  • NICOS 一般カード
  • NICOS VIASOカード

それぞれについて見ていきましょう。

(3) NICOS 一般カード

NICOS 一般カードは、もっともオーソドックスなタイプのNICOSカードです。年会費は税別で1250円、家族会員の場合には税別で400円となります。

カードの申し込み資格は、18歳以上の電話連絡がとれる人ですが、高校生は除かれます。

2000万円までの海外旅行傷害保険がついており、100万円までのショッピング保険もついています。

ポイント還元率は0.5%となっており、ETCカードや家族カードを付帯させることも可能です。

カードデザインは1種類なので、分かりやすいです。

(4) NICOS VIASOカード

NICOS VIASOカードには、三菱UFJニコスが発行しているカードと他の会社や機関と提携しているカードがあります。

三菱UFJニコスが発行しているVIASOカードの特徴は、以下の通りです。

年会費は無料で、基本的にポイントは0.5%還元です。
また、VIASOポイントと言って、通常ポイントとは別のポイント制度があることです。

VIASOポイントについては、ポイント交換申請をしなくても、年1回自動的にキャッシュバックされますし、アマゾンや楽天での買い物で、最大10%までのポイントが還元されます。

また、他の会社や機関との提携カードの場合、提携先によってサービス内容やデザインも異なり、バラエティー豊かです(くまモン、ふなっしー、ぐでたま、マイメロディ、浦和レッズなど)。

こうした提携カードには、提携先によってさまざまな付帯サービスがついているものがあります。

たとえば、「マイメロディ」のカードを使うと、「サンリオショップ」でお得にショッピングができることなどがあるので、普段の生活形態に応じて選ぶ方が多いです。

(5) さまざまな提携カード

以上ご紹介した2種類のカード(一般のNICOSカードとVIASOカード)は三菱UFJニコスが発行しているプロパーカードですが、これ以外にも、さまざまな会社と提携して発行しているカードがあります。

以下は、その代表的なものです。

  • 「JALカード」(JAL)
  • 「シェル-Pontaクレジットカード」、「スターレックス カード」(昭和シェル)
  • 「Tokyo Metro To Me CARD」(東京メトロ)
  • 「ENEOSカード」(JX日鉱日石エネルギー)
  • 「シナジーカード」(エッソ、モービル、ゼネラル石油)
  • 「三菱地所グループCARD」(三菱地所)

また、上記のカードの中にも非常にたくさんの種類があります。

たとえば、JALカードだけでも、普通カード、CLUB-Aゴールドカード、プラチナカードのラインナップがありますし、スターレックスカードにも普通カードとゴールドカードがあり、とにかく非常に種類が豊富です。

NICOSでクレジットカードを作っている債務者の方は、さまざまな利用先でどんどんカードを作ってしまい、いつのまにかカード借金を増やしすぎていることも多いので、注意が必要です。

2.NICOSカードの支払いができなくなる場合

このように、NICOSカードは、目移りしてしまうほど多彩なラインナップがありますし、さまざまな会社や機関と提携しているので、カードを作る機会が非常に多いです。

たとえば、まずは普段使いで一般NICOSカードを作り、車に乗るのでガソリンスタンドでカードを作り、飛行機に乗るときにJALカードを作り、キャラクターを気に入ったのでキャラクターカードを作り、ということを繰り返していると、あっという間にカードだらけになり、それぞれの利用金額は少なくても、全部合計すると相当な金額になってしまうことも珍しくありません。

また、クレジットカードにはキャッシングとショッピングの両方の機能があるので、キャッシング機能を使っていなくても、買い物のしすぎで負債が大きくなってしまうことがありますし、あるカードの支払いのために他のカードでキャッシングをする、という、いわゆる「自転車操業状態」になってしまう方も多いです。

このようにして、NICOSカードの返済ができなくなったら、早めに対応しないとさまざまな不利益が及びます。

NICOSカードを発行している三菱UFJニコスは、「銀行系列だから、無茶な取り立てはしてこないだろう」と思われるかもしれませんが、実際に滞納すると、電話や郵便による取り立てが行われます。

支払いをせずに放置していると、裁判を起こされて残債と遅延損害金の一括請求をされ、最終的に預貯金や給料などを差し押さえられる可能性もあります。

そこで、NICOSカードの返済が苦しくなったと感じたら、問題が大きくなるまでに、以下で紹介する方法で借金を整理しましょう。

3.NICOSカードの借金を任意整理する

NICOSカードの借金を任意整理する

NICOSカードの支払いを滞納したときには、まずは「任意整理」による解決を検討しましょう。

(1) NICOSカードを任意整理する効果

任意整理とは、債権者と直接話合いをして、借金の支払金額や支払い方法について決め直す手続です。

NICOSカードの場合には、三菱UFJニコスと話し合います。

任意整理をすると、債権者との合意後に発生する利息(この利息のことを将来利息と言います)を全額カットしてもらうことができます。

通常、カードの負債を分割払いしている場合、毎月「利息」や「手数料」が上乗せされていますが、これらが無料になるということです。

このことにより、借金の総支払い額は、今までの予定返済額より大きく減ります。

また、任意整理をすると、支払期間も延長することができます。毎月返済で、60回程度に引き延ばせることが多く、場合によっては84回程度まで延ばせることもあります。60回払いの場合には5年、84回払いなら7年あまりの間、合意後に三菱UFJニコスに対して支払いを継続することになります。

さらに、2007年以前からNICOSカードを利用していた方の場合「過払い金」が発生している可能性があります。

2007年以前には、NICOSカードでも利息制限法を超過した高い利率で貸付をしていたためです。

NICOSカードの全身である「日本信販カード」を利用していたケースでも、過払い金が発生します。

任意整理をしたことがきっかけで過払い金があることが分かり、返還請求することができるケースもあるので、古くからNICOSカードを利用されていた方は、是非とも一度、ご相談ください。

(2) 当事務所で、NICOSカードの借金を任意整理で解決したケース

実際にNICOSカードを任意整理すると、どのくらい借金が減るのか、過去の泉総合法律事務所における解決事例をご紹介します。

Aさん(45歳 男性)は、6年ほど前にガソリンスタンドでNICOSカードを作ったことをきっかけに、徐々に借入額を増やしてしまい、支払いが難しくなってしまいました。

当事務所にご相談に来られたときには、カードが5枚、総借入額は250万円にもなり、月々の返済額は10万円あまりに及んでいました。

Aさんの場合、サラリーマンで支払い能力があったので、当事務所で任意整理をおすすめし、弁護士が介入して手続を進めました。

交渉の結果、60回払いとして、毎月41600円ほどを支払っていくことで和解ができました。

この程度であれば、Aさんとしても、家族の生活を維持しながら十分に支払いをしていけるようになり、無事に解決に至りました。

(3) NICOSカードを任意整理する注意点

NICOSカードを任意整理するときには、注意点があります。それは、複数のNICOSカードを利用している場合です。

1つのNICOSカードを任意整理すると、他のNICOSカードも同時に利用停止にされて、任意整理の対象にされてしまうことが多いです。

たとえば、一般のNICOSカードは任意整理したいけれど、ガソリンスタンドのカードは便利だから残したい、という希望を叶えることは難しいです。

また、NICOSカードでETCカードを発行しているケースでも、注意が必要です。NICOSカードを任意整理すると、ETCカードも止められて使えなくなってしまうからです。

ETCカードの利用を継続したい場合には、ETCパーソナルカードなどのサービスを申し込むと良いでしょう。

ETCパーソナルカードは高速道路公社が発行しているカードで、保証金を入れておけば高速道路代金をポストペイで支払えるカードです。クレジット機能はありませんが、ETCカードとしては普通に使えます。

4.NICOSカードの借金を個人再生・自己破産する

NICOSカードでの借金額が大きくなりすぎていたり、支払い能力がなかったりする場合には、任意整理では解決が難しくなるケースがあります。

その場合には、個人再生や自己破産をすることで、借金を減らしたり免除してもらったりすることができて、状況を改善できる可能性が高いです。

以下で、それぞれの手続について、簡単にご説明します。

(1) 個人再生

個人再生も自己破産も、任意整理とは異なり「裁判所」を利用する手続ですので、個人再生をするときには、地方裁判所に申立をしなければなりません。

個人再生の申立をすると、借金の利息だけではなく元本ごと大きく減額してもらうことができるので、借金額が多額になっているケースで有効です。

たとえば、特に大きな財産がない方の場合、借金元本や利息、遅延損害金を5分の1~10分の1にまで減額できます。

減額された借金は、手続後3年の間に返済していく必要がありますが、3年では苦しい場合、5年にまで延ばしてもらえるケースがあります。

住宅ローンを抱えている方の場合、個人再生が特に有効です。個人再生には「住宅資金特別条項」という特則があり、これを使うと、住宅ローンはそのまま支払い、他のNICOSカードなどの借金だけを減額してもらうことができるからです。

個人再生の具体例

個人再生をするとどのくらいNICOSカードの借金が減額されるのか、過去の泉総合法律事務所における解決事例をご紹介します。

Bさん(50歳 男性)は、NICOSカードを含めたクレジットカードの借金が400万円になっていました。毎月のカードの返済額は13万円程度になっており、住宅ローン返済も毎月7万円あったので、毎月20万円が借金返済に消えており、到底支払いができないということで、当事務所にご相談に来られました。

住宅ローンがあることと借金が多額になっていることから、個人再生を選択して債務整理することにしました。
結果として400万円のカードの負債を100万円に抑えられ、これを3年間、毎月約28000円ずつ支払っていくことになりました。

住宅ローンについてはそのまま支払いを継続して、家を守ることもできました。

Bさんの場合、もともと月々の借金返済が20万円でしたが(住宅ローン含む)、個人再生後は住宅ローンを合わせても毎月9万8000円になったので、非常に返済が楽になり、家も失わずに済みました。

(2) 自己破産

このように、個人再生をすると借金を大きく減額できますが、個人再生をするためには、支払い能力が必要です。手続後の返済ができない状態では、個人再生は利用できません。

たとえば、シングルマザーでパートの仕事しかしていない方が、生活苦のためにクレジットカードで借金してしまった場合などには、個人再生が難しくなることが多いです。

また、借金額が増えすぎていると、個人再生をしても残額が大きくなり、解決できないケースがあります。

このような場合には、自己破産によってNICOSカードの借金を免除してもらうことが必要です。

自己破産とは、裁判所に申立をして、「免責」により、借金の支払い義務を免除してもらう方法です。

自己破産をすると、どれだけ負債の額が大きくなっていても全額免除してもらうことができますし、手続後には一切の支払いが残らないので、支払い能力がない方でも借金問題を解決できます。

5.まとめ

以上のように、NICOSカードで借金をしても、債務整理をすると、支払金額を減額したり返済を全額免除してもらったりすることができます。

債務整理にはいくつか種類があり、それぞれメリットとデメリットがあるので、まずは専門家である弁護士に相談して、適切な方法を選択する必要があります。

債務整理をしても、世間で思われているほどのデメリットは少ないですし、自己破産を避けたい方には別の手続もご紹介できます。

ご家族に知られずに債務整理することもできるので、お困りのケースでは、できるだけお早めにご相談ください。

泉総合法律事務所では、任意整理、個人再生、自己破産などさまざまな債務整理手続で借金問題を解決してきたという多くの実績があります。どの手続が適しているのかという判断は、やはり借金問題の解決に長けた専門家に相談した方が良い結果を得られると思います。

ご相談は何度もでも無料ですので、まずはご遠慮なくお問い合わせください。

相談は何度でも無料です。借金の悩みや不安についてお気軽に弁護士へご相談ください。
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