クレジットカードの滞納で裁判に!?クレカが払えない場合の対処法
クレジットカードの支払いを滞納したまま放置すると、最悪の場合、裁判所から支払督促等が届いて給与が差し押さえられる可能性があります。
借金が返済できない場合、裁判になる前に弁護士事務所などに相談し正しく対処することが大事です。
法的処置を受けると日常生活にも大きな支障を来すおそれがありますので、滞納したまま放置せず専門家と一緒に対応方法を考えましょう。
この記事では、クレジットカードを滞納したまま放置するとどうなるのか、裁判を回避するためには何をすべきかを解説していきます。
1.クレカが払えないとどうなる?滞納後の流れ
まずは、クレジットカードの滞納後から裁判までの流れをご説明します。
(1) 利用停止から強制解約まで
カードの利用停止→書面や電話で督促→強制解約・ブラックリストへの掲載→訴状・支払督促の送付→強制執行
利用停止
カード代金の未払いがあると、最短で支払い日の翌日からクレジットカードは利用停止となります。
未払い分を支払えば再び利用できるようになりますが、遅れた日数に応じて遅延損害金が加算されます。
クレジットカードの遅延損害金は、ショッピングでは年利約14.6%、キャッシングだと借入金額によっては約20.0%にもなります。
支払いが数日遅れただけなら遅延損害金も少額ですが、未払いが長期に及ぶと遅延損害金の負担も重くなるでしょう。
電話や書面による督促
クレジットカードの支払いを滞納した場合、カード会社からの電話や書面(郵便)による督促が始まります。
督促の時期はカード会社によって異なりますが、カード代金の口座引き落としができない場合、早ければその翌日には督促電話がかかってくるようです。
[参考記事]
クレジットカードの滞納で強制解約通知が届いたら
最初は「支払いが確認できませんが、どうしましたか?」といったような確認の連絡になりますが、督促・取り立ての無視が続くと、自宅電話や勤務先にまで督促の電話がかかってくることがあります。
カード会社の人間は社名を名乗ることはありませんので、勤務先に借金がバレる可能性は低いでしょうが、勘繰られたり不信感を持たれたりしてしまう可能性はあるでしょう
勤務先にまで督促電話がかかってこないよう、気が重くても督促電話には出ておくべきです。
強制解約
滞納後にカード会社からの督促を無視し続けると、早ければ1ヶ月程度でクレジットカードは強制解約させられます。
強制解約を避けるためには、クレジットカード会社からの督促を無視することなく話し合うことが重要です。
少しずつでも返済する意思・誠意が通じれば、分割払いや支払い猶予が認められ、強制解約を避けられるかもしれません。
また、軽度の支払い遅延を繰り返している場合も強制解約される可能性があります。
「いずれ本当に支払えなくなるのではないか」とクレジットカード会社が判断し、信用を失ってしまうからです。
「支払日に遅れてもとにかく支払えばいい」というわけではないので、注意が必要です。
ブラックリストに載る
クレジットカードを約2ヶ月滞納すると、高確率で信用情報に傷が付くことになります。いわゆる「ブラックリストに載る」というものです。
長期の滞納を受けたクレジットカード会社が契約を強制解約した上で「この人は長期で延滞をしています」という情報を信用情報機関に共有することで、クレジットカードの他の審査はもとより各種借入・ローンの審査等に通らなくなります。
信用情報機関の事故情報はあらゆる審査の際に参照されるため、長期の延滞は審査落ちの原因の一つになってしまうのです。
[参考記事]
ブラックリストとは|何年で消える?掲載のデメリットと確認方法
(2) 法的手段(訴訟・支払督促)
カードの利用停止→書面や電話で督促→強制解約・ブラックリストへの掲載→訴状・支払督促の送付→強制執行
カード会社にとっての最終的な目的は、滞納されているカード代金を確実に回収することです。
そのため、カード会社は未払いが長期に渡ると、法的手段である「訴訟」や「支払督促」で強制的な債権の回収を図ります。
訴訟
訴訟は、債務者が「訴状」を受け取るところから始まります。訴状は裁判所名が入った茶封筒で送られてきます
訴状には、通常「未払金を一括で支払ってください」という内容が書かれています。
また、訴状のほかに「口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」という書類も入っています。要するに「この日時で裁判が開かれるので出頭してください。」「答弁書を提出してください。」という裁判所からの案内です。
指定された期日に裁判所に出頭せず、しかも答弁書も提出しなかった場合には、カード会社の請求どおりの判決が言い渡されます。
判決を受け取って2週間経過すると判決が確定し、判決内容に不服があってももう争うことは許されなくなります。
判決が確定すると、強制執行(あなたの給与や預貯金を差し押さえたりすること)が可能になります。
これを避けるために、訴状に書かれた内容(未払い金額など)に間違いがなければ、裁判所に出頭してカード会社と話し合うことが必要です。
出頭さえすれば、裁判所に一方的に話を進められる心配はありません。実際、弁護士などの専門家が間に入ることで分割払いの条件で和解できることも少なくないです。
できれば訴状が届いた段階で、弁護士に相談するようにしましょう。
[参考記事]
簡易裁判所からの支払督促・訴状を受取拒否したらどうなる?
支払督促
「支払督促」は訴訟よりも簡易な法的手続ですが、確定すると同じく強制執行をすることができる法的手段です。
裁判所から支払督促が送達されたら、決して無視してはいけません。
支払督促では、訴訟と同じく裁判所から書面が送られてきますが、裁判所に出向く必要はありません。
その代わり、支払督促を受け取ってから2週間以内に、簡易裁判所に対して書面で異議を述べないと、債権者(カード会社)は仮執行宣言の申立てができるようになります(※異議を申し立てると通常の訴訟に移行します)。
支払督促に異議を出さずに仮執行宣言が付されてしまうと、強制執行(給与や預貯金の差し押さえ)が可能になります。
つまり、債務者にとっては、判決と同じ効力の処分が簡単に出されてしまう、という制度なのです。
支払督促を受け取ったら、異議申立てを行うか、カード会社との話し合いによる解決を目指しましょう。
(3) 強制執行による財産の差し押さえ
カードの利用停止→書面や電話で督促→強制解約・ブラックリストへの掲載→訴状・支払督促の送付→強制執行
上記の通りの一定の法的手続を踏むことによって、カード会社は「強制執行」をすることが可能になります。
強制執行を受けると、生活に直接的な悪影響が及びます。
詳しくは次の段落でご説明します。
2.強制執行(財産の差し押さえ)の影響
では、クレジットカードの借金が払えないまま分割交渉もできずに強制執行となった場合、どのような影響があるのでしょうか?
(1) 給与の差し押さえ
まず、強制執行が可能になったクレジットカード会社は、給与の差し押さえをすることが多いです。
給与差し押さえの範囲については、原則として、公租公課を控除した給与(手取り額)の4分の1となっています。
(ただし、手取り額が月額44万円を超える場合は、手取り額から33万円を控除した金額につき差押え可能です。)
手取り額の減少で実生活に直接的な支障が出るのは確実でしょう。
また、給与が差し押さえられてしまえば、借金を滞納していることが会社や家族にバレてしまいます。
差し押さえによって解雇されることはありませんが、職場に居づらい環境になってしまうことは否定できません。
[参考記事]
借金滞納で給与差し押さえ!解除・回避のために必ず知っておくべき事
(2) 口座の差し押さえ
クレジットカード会社は、強制執行により口座に入金されている預金を差し押さえることもできます。
口座預金については、全額が差し押さえられてしまいます。
しかし、預金残高が借金の総額よりも多い場合は、余剰分については後から返還されます。
差し押さえ後に入金された金銭については差し押さえられることはありません。
そこで、カード会社は多くの場合で給料日直後を狙って口座を差し押さえます。
場合によっては預金が0円になってしまいますので、銀行口座を差し押さえられてしまうことも大きな痛手であることに変わりないでしょう。
[参考記事]
銀行口座が差し押さえられた!どうすれば良い?
(3) その他の財産の差し押さえ
この他、不動産や車、ブランド品などの高価な資産についても差し押さえは可能です。
しかし、これらの資産は換価が必要ですので、ほとんどのケースでは差し押さえが容易な給与か預金が差し押さえられることでしょう。
3.クレジットカード滞納を弁護士相談するメリット
このように、クレジットカードは返済は滞れば滞るほど事態が悪化していきます。
もし、毎月のクレカ返済が難しいと思ったら、まずはカード会社に相談してみましょう。滞納前や滞納の初期段階ならば、分割払いや支払い猶予を受け入れてもらえることがほとんどです。
カード会社との交渉がうまくいかない・他にも借金があるなどでどうしても返済が難しい場合は、できるだけ早く弁護士に相談してみてください。
弁護士は、借金を合法的に解決する方法である「債務整理」をご提案できます。
債務整理は借金を減額・免除してもらう手続きですが、強制執行後であっても自己破産や個人再生などを行うことにより差し押さえを解除することができます。
もちろん、早期に対処すれば訴訟を起こされる前に問題解決も可能です。
債務整理には大きく分けて3つの手段があり、どの方法を採るべきかはそれぞれの債務状況などにより異なります。
この点についても、弁護士はあなたにとってベストの解決方法を提案してくれるでしょう。
何より、債務整理を一般の方が自分自身で成し遂げることはほとんど不可能です。
クレジットカードの借金を支払えないと思ったら、早めに債務整理に強い弁護士に相談しましょう。
[参考記事]
クレジットカードの滞納で借金地獄|返せない場合の対処法
4.クレジットカードの支払い滞納も無料相談
「少しくらいなら待ってくれるだろう」と甘く見ていても、クレジットカード会社は早くて翌日にカードの利用停止に踏み切ります。
そのまま放置をしていると、いずれは法的手続を実行されるでしょう。
強制執行まできたら、本格的に自己破産・個人再生など債務整理の検討をしなければなりません。
「訴状」にしても、「支払督促」にしても、裁判所から書面が届いたら絶対に放置してはいけません。必ず開封して内容を確認してください。
そして、なるべく早く借金問題の解決に強い弁護士に相談してください。
泉総合法律事務所には、「訴状」や「支払督促」が届き、慌ててご相談にいらっしゃったというケースが数多くあります。
そのような問題に関する解決実績も豊富ですので、どうぞ安心してご相談いただければと思います。
[解決事例]
キャバクラで借金500万円!給与差し押さえを止めるために自己破産