プロミスからの借入が返済できない場合の債務整理
プロミスは、三井住友銀行グループの消費者金融です。正式な会社名は「SMBCコンシューマーファイナンス」と言います。
(一般的には「プロミス」というブランド名の方が知られているので、この記事でも「プロミス」と記載します。)
店舗数が多く、三井住友銀行の傘下の消費者金融なので安心と感じて融資を申し込んだ人も少なくないでしょう。
しかし、消費者金融からの借金は分割返済するのが通常なので、病気やリストラなどが原因となり途中で返済が難しくなることもあります。
今回は、プロミスからの借入が返済できない場合にどう対応したら良いかについて解説します。
なお、督促状・通知書を無視し続け、裁判となり「差し押さえ」を受けるとどうなってしまうかについては、以下のコラムで解説しています。
[参考記事]
プロミスから督促状・通知書!差し押さえられるとどうなる?
1.借金を返せない場合の対応策
早速ですが、プロミスからの借入の返済に行き詰まってしまったときには、具体的にどのような解決策があるのでしょうか?
まずはプロミスに連絡し、再度の返済期日を相談したり、分割払いの交渉をしたりすることが必要ですが、それも難しい場合の対応策について以下で解説します。
(1) 低金利のローンで借り換える
プロミスから融資を受けた場合の実質金利は、年4.5%~17.8%です。
消費者金融からの借金は、利息の負担が重いために行き詰まってしまうことが少なくありません。
また、他にも借金があって返済が間に合わない・返済日の管理が大変という方もいるかもしれません(多重債務)。
たとえば、労金や公庫の融資を利用できるときには、現状よりも金利の低いローンで借り換えをすることで、利息の負担や返済日の管理が軽くなることがあります。
また、銀行や消費者金融が提供している「おまとめローン」で借り換える方も少なくないようです。
おまとめローンでも現状の金利よりは利息は多少安くなることがあるので、上手に利用できれば借金の問題を解決できる可能性があります。
しかし、おまとめローンの金利は「必ずしも安くない」ことが少なくありません。
長期間の返済プランとなるため、最終的な返済総額は現状よりも高額となることもあります。
おまとめローンの返済まで行き詰まれば、自己破産の道しか残らなくなる可能性もあります。
おまとめローンで借り換えるときには、事前にしっかりとシミュレーションすることが重要でしょう。
[参考記事]
借金の一本化(おまとめローン)のメリット・デメリット
(2) 親族などの支援を受ける
家族・親族などの支援を得られる状況であれば、一度借金を代わりに支払ってもらうことをお願いするのも1つの方法です。
借金に悩んでいる人は、誰にも相談できずに1人で抱え込むことで状況を深刻化させてしまうことも少なくありません。
支援をしてもらえなくても、家族に相談できることで精神的な負担が軽減されることもあります。
なお、家族・親族に借金を肩代わりしてもらったときには、後のトラブルを回避するため、周囲への迷惑を最小限にするためにも、分割でしっかりと返済してくいことをおすすめします。
借金の返済は続くとしても、家族や親族ならば柔軟な返済期間で利息なしでの返済を受け入れてもらえるケースがほとんどですので、支払い自体はかなり楽になるでしょう。
(3) 債務整理で借金を減免する
借金が多額すぎるときや多重債務に陥っている時には、借り換え・援助だけではどうにもならない場合もあります。
また、リストラや病気などで収入がなくなり、返済自体ができなくなってしまったということもあるでしょう。
そのような場合には、債務整理で借金を解決することがお勧めです。
2.プロミスを債務整理する方法
(1) 任意整理で交渉する
「任意整理」は、債務整理のうちで最も簡単かつ安価に利用できる方法です。
任意整理の特徴を簡単にまとめると、次の通りになります。
- 裁判所は通さず、債権者とそれぞれ個別に交渉
- 「利息」と「遅延損害金」を免除してもらえる可能性がある
- 原則3年〜最長5年程度の分割で借金の残額を返済できる
消費者金融の借金の返済は、やはり利息の負担がネックとなります。
たとえば、プロミスから年17.8%で50万円借りているときの1ヶ月の利息は7,416円です。
将来利息を免除してもらえるという内容で任意整理が成功するならば、支払総額をかなり減らすことができます。
この上で3〜5年の分割払いができれば、月々の負担もかなり軽減されるでしょう。
(2) 個人再生で借金を減額
個人再生は、裁判所に借金の元本からの減額を認めてもらった上で、原則3年(特例として5年)で分割返済する手続です。
個人再生を利用するには、「一部減額された借金(住宅ローン特則を利用する場合は住宅ローンを除く)」を「3年間で返済できるだけの継続的な収入」がなければなりません。
個人再生で減額される借金の額は、「借金の残額」と「保有している財産」などによって異なります。
例えば、個人再生を利用すると300万円の借金は100万円まで減額されるケースが多いので、3年で返済する場合毎月の返済額は約28,000円まで圧縮することができます。
また、住宅ローンが残ったマイホームを保有しているときには、「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を利用することで、マイホームを手元に残すことができます。
(3) 自己破産で返済義務を免除
個人再生でも返済不可能な状況にあるときは、自己破産を申立てることで借金の問題を解決できます。
自己破産して免責を得ると、残った借金の返済義務はすべて免除されます。
しかし、自己破産する際には、一定額以上の財産(生活必需品を除く)を処分して債権者への配当に充てる必要があります。マイホームや高価な自動車などは手放す必要があるでしょう。
なお、「自己破産するとすべての財産を失う」と思い込んでいる人は少なくありませんが、必ずしもそうではありません。生活に必要な家財道具として、日用品、テレビ、冷蔵庫、エアコン、電子レンジなどの家電は差し押さえられずに手元に残せます。
また、99万円以下の借金や、20万円以下の預貯金についても手元に残せるでしょう。
3.プロミスを債務整理すると生じるデメリット
では、プロミスからの借入を債務整理すると、何かデメリットは生じるのでしょうか?
プロミスからの借入に限らず、債務整理を行うと、「ブラックリスト」に登録されるというデメリットが生じます。
こうなると、信用情報機関に5~10年の間事故情報が登録されることになります。
事故情報が登録されている間は「審査落ち」をしてしまうので、他社であっても新規融資・クレジットカード発行を受けることができません。
また、現在保有されているクレジットカードも解約されることになります。
この他、プロミスからの借入を債務整理したことは、SMBCグループで永続的に共有される可能性が高いでしょう債務整理後はSMBCグループと再契約し融資を受けることは難しいと考えるべきです。
実際、三井住友銀行から融資を受ける際には保証会社であるプロミスの審査に通る必要があります。
しかし、プロミスを債務整理したからといって、それだけで三井住友銀行の口座が凍結されるということはありません(三井住友銀行から借り入れがない場合)。
4.プロミスの借金返済に困った場合の債務整理は弁護士へ
多額の借金の返済に行き詰まってどうしようもないというときには、できるだけ早く弁護士にご相談ください。
プロミスに限らず、返済が難しくなり滞納した借金は、放置すればするほど状況が深刻化します。
債務整理を行うときには、借金や収入の状況に応じて、適切な方法を選択することも大切です。
[参考記事]
債務整理とは?わかりやすく解説!|方法・種類・メリット
弁護士にご相談いただければ、それぞれのケースで最善の解決策をご提案することできます。
何よりも、借金の問題は1人で抱え込むことが最もよくありません。借金の返済にお困りの際には、お早めに泉総合法律事務所までご相談ください。